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魔王に討たれた聖女、転生したら魔王の手下の闇精霊でした~それでも私、魔王討伐を諦めません!~  作者: 夜月海歌


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私の姿

「……それは、人間……?」

「……はい」


 人間の姿になろうとする闇精霊は珍しいのかもしれない。実際出会ったことはないし、闇精霊は人間になんかなりたくないって思っているのだろう。擬態して人間側に紛れ込んだら騙せると思うんだけどね。


「初めてにしては上出来よ。でも、魔力の揺れが見える。練習したらもっと上手くなるわ」

「がんばります!!」


 ……上手くなったら、セフィロスとルーカスに会いたいなあ。この魔法を使ったら、カルミアじゃなくてアウラでいられる。もう死んじゃったから、幽霊だと思われるかも。でも、それでもいい。一瞬でもいい。また会いたいよ。


 最初は、闇精霊になるくらいならそのまま死んだ方が良かったって思ってた。だって闇精霊は人間の、ルーカスたちの敵だから。大好きな人たちに嫌われるなんて嫌だもん。


 でも、闇精霊だからこそこの魔法が使えて、もう一度アウラになれる。人間だったら、再会しても気づかれない。でも、この姿なら――彼はきっと、私のことを思い出してくれる。


 その為にも上手くならなきゃね。




 ***



「そろそろ休憩にしましょう」


 あれから数週間ほど。私はだいぶ魔力の扱いに慣れてきた。リリアさんの戦闘を見て学ぶ日も何度かあった。


 防御魔法を練習する時のリリアさんは本当に怖くて……。最初は優しめだったのに段々手加減無くなってるんだよね。気を抜いたら死にそう。本当に、比喩じゃなくて。


「久しぶり、リリアとカルミア」

「あ、ルシエルさん……!!」

 

 私達の側にやってきたのはルシエルさんだった。あの時以来。――でも、あの時と違うところがある。


「……また怪我したの」


 そう、ルシエルさんは()()怪我をしている。傷に闇のような血が付いていて痛々しい。


「そうだよ。ちょっと手抜きすぎちゃってさー」


 ルシエルさんの口調はあまりにも軽い。大怪我をした人とは思えないほどに。


「……自分から当たりに行ったんでしょう」

「やっぱりリリアにはお見通しなんだね。合ってるよ」

「死ななかったら良いじゃないのよ? あなたなら怪我しないで勝てるでしょう」


 ……怪我、回復魔法で治せないかな。聖女は光精霊がいなくても一応回復魔法を使える。魔力が足りないだけで。


 闇精霊になったけど、聖女の力ってまだ残ってるのかな。冥系魔力だから使えない……? ……分からないけど、まだ詠唱は覚えている。


 ……やってみる価値はあるよね。


「ルシエルさん、少し失礼します」

「え、何するの」


 私はルシエルさんの肩にそっと手を触れた。詠唱は……声に出すとばれるよね。心の中で……。


 慈しみの光よ、我に応えよ。穢れを優しく包み込み、傷を癒し、あるべき姿へ戻し給へ。


 ……できた。ルシエルさんの傷が少しづつ塞がって、血も消えていく。数秒したら、もう傷があったようには見えなくなっていた。


「回復魔法ね、初めて見たわ」

「あーあ、痛くなくなっちゃったじゃん」


 ルシエルさんの反応は、私が予想していたものではなかった。


「治さない方が良かったですか……?」


 自分でも何を聞いているのか分からない。本当に、ルシエルさんの感覚は理解できないと思う。


「んー、だって そのままの方が面白いでしょ? あ、これってさ、人間にも使えるの?」

「え、たぶん……?」


 闇精霊でも人間に使えるのかな……? でも敵だよね。使う時なくない?


「じゃあ戦闘で使ったら無限に楽しめるじゃん! 練習してみよっかな」


 え? 何言ってるの……?


「ルシエル。相手を苦しめる戦い方はやめなさい」

「なんで? 苦しむのが嫌なら勝てばいいだけだよ」


 ルシエルさんは強いからそういうことが言えるんだよ。……負けたことがないんだろうね。


「あのね、ルシエル……。あなたは負けても同じことが言えるわけ?」

「言えるよ。敗者に文句言う権利なんてないんだよ、僕だってそう」


 ……違うよ、そんなの間違ってる。


 戦いだから、勝敗はつくよ。亡くなる人だっている。それを否定することは、私はできない。


 でも、敵にだって慈悲は必要だ。相手をなるべく苦しませないように。痛みが長引かないように。そうするものでしょう?


「あなたはどうしてそうなったのよ……」

「ミラが殺されたからだよ」


 ルシエルさんの声は氷のように冷たかった。

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