幕間_その18_〈器を追う者〉の本拠地にて2
視点:蔵野まち→名前のない男
組織の本拠地で、組織のトップが報告を受けていた。
「……器を生む者が消えた? どういうことだ?」
「不明です。他の大きな目的ができたとも思えませんし、器も全て放置して消えました」
「いつからだ?」
「十二月二十三日から二十五日の間に、全ての研究要員が消え去ったという報告を受けています。詳しいことは……その……我々も、祭りの最中でしたので」
「そうか……崩壊し、消滅したと考えるのが自然だが、しかし……新たな何かに向けて動き出した可能性もある。確たる証拠が得られるまで、調査を続けろ」
「了解しました」
「あの意気揚々と出て行った六人はどうした?」
「不明です。敵の本拠地を発見したという連絡は受けましたが……」
「……死んだか」
「わかりません」
「……把握している器の残りはいくつある?」
「は、えー、約四十件です」
「正確な数を言え!」
「は……はい……申し訳ありません……残り……三十九に――三十九件です」
「わかった。全力で壊せ」
「あの……例の裏切り者に守られている〈器〉は……」
「……そこは最後にしろ。他の掃討が済んでから、最大戦力で死角から潰せ」
「了解です」
「例の二人の処遇は……?」
「……好きにしろと伝えろ」
「はい……彼にそのように伝えます」
「では、行け」
「はっ」
返事をして、男は出て行った。
残された組織のトップ、名前のない男は一人つぶやく。
「……命の城……が消えたか。予定が台無しだ……まったく、あの男に、どんな顔して報告すればいいのやら……」
この数日後、山田ひろみが襲撃されることになり、一人の女が、この部屋を訪れることになるのだった。




