第8話:オルフェミと共に立ち向かう道を
数日後:
彼らは礼儀正しい笑顔と、仄めかされた脅しを携えて現れた。
今回は暗殺者ではない――外交官たちだ。
刺繍を施した外套に身を包み、粉飾された鬘と、粉飾された言葉を操る。ワインと裏切りの甘い香りを吐きながら。
真昼の太陽を所有するかのように、彼らは到着した。
「ヴィオレッタ様」
一人が深すぎるお辞儀をしながら言った。
「昨日は……痛ましい『誤解』があったと伺いました。強盗が……予定外の結末を迎えたとか?」
私は紅茶を一口啜った。
背後で、オルフェミがドア枠に寄りかかっている。剣は鞘に収まったまま、その目だけが鋭く光る。
「誤解じゃありませんわよ」
私は答えた。
「誘拐未遂よ。マントの下に王家の紋章を隠した男たちによるものですわ」
男の背筋が、かすかに硬直した。
「ま、まさか......」
彼は低く呟いた。
「殿下がそんなことを――」
「――素人を送り込むはずがない、と?」
私は甘い笑みを浮かべた。
「...私もそう思っていましたわ」
沈黙。
そして、二人目の外交官が口を開いた。若い。青白い。
恐怖を隠すのが下手だ。
「......陛下が関与しているとでも?」
「陛下は飼い犬にもっと躾をすべきだと、前に私が言っていましたのよ?」
私はカチンと音を立ててカップを置いた。
「せめて、牙を折られない程度の噛みつき方を教えるとかね」
彼らはその後すぐに去った。笑顔は消えていた。
私は追わなかった。
その夜、私は唯一心を許せる人物――、私のと真逆の漆黒の肌しているオルフェミと顔を合わせた。
彼はバルコニーの手すりで刃を拭いながら、屋根の向こうに沈む橙色の陽を見つめている。
「締め付けが厳しくなる......」
彼は私を見ずに言った。
「...試しに来るはずですわ」
私は彼の隣に座った。
「でも、あの人たちはまだわかっていませんのね...。私はもう『絞首縄』を恐れていないってことを」
彼はちらりと私を見た。
「奴らは『予測不能なもの』を恐れる。君は以前は……予測可能だった」
「ええ...」
私は頷いた。
「美しく、礼儀正しく、宮廷のお墨付きの『良い娘』だったんですのね...」
「今は?」
「今は……危険な『悪白女』になったんですわよ、ふふふ.....。巷から噂されてる呼び名が本当ならね」
「それもそうだったな、ははは...」
彼は笑った。
「君が『花束に短剣を仕込め』と言った時から、俺は気づいていた」
「あれは戦術でしたが、今は……戦争の時ですわよ」
――その後、書斎の静寂の中で、私は紫蝋で封じられた手紙を開いた。
紋章はない。ただ、見覚えのある刻印――短剣を咥えた鴉のマーク。
『地下組織』からのものだわ。
『騒ぎを起こしたな。我々は聞いた。もっと騒ぎたいなら――会え』
署名はない。いつも通りだ。
私は手紙を折り、帳簿に挟み込んだ。
彼らが求めているのは、『かつてのヴィオレッタ』だ。
だが私は――もはや『新しい何か』となったのだ。
噂より鋭く、権謀術数より貪欲で、ただ生き延びるだけには満足しない『悪役令嬢』になったの。
そして、今こそ『這い上がる』時だわ、ふふふ......
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