『第1部:二つの太陽に挟まれる黒曜石編』の最終回の第42話: 銀色の毒蛇、牙を剥く!
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血に群がる蚊のように、囁きは私を追いかけてきた。
「聞いたか? アウステルリント公爵はあの女を追放したらしい」
「王家と実家の両方を裏切るとは、いったいどういう貴族だ?」
「好むと好まざるとにかかわらず、あの女はもう我々と同じだ」
私はすべて聞き逃さなかった。
一言一句、横を向いて投げかけられる視線、疑いの吐息まで。
反乱軍のキャンプは聖域などではなかった――ただの別の毒蛇の巣だ。
こちらの蛇はビロードやレースの代わりに、傷んだ鎧と粗末な外套をまとっているだけ。それでも、毒は毒である。
私たちは高地の奥深くに野営していた。鋭い尾根と瘤だらけの樫の木々に囲まれ、空気は汗と松、未解決の緊張で濁っている。
自尊心を砕かれた元騎士、没落貴族、硬い手に悔しさを滲ませた農民たち――皆が一つになって集まっていた。エドウィン皇太子と、聖女のような操り人形の花嫁への憎悪によって。
だが、憎しみだけでは未来は築けない。
結束だと? それはとっくに信じなくなったお伽話だ。
「引っ込んでろ、ヴィオレッタ」
集会の中心から、反乱軍リーダーのマークの声が響いた。礫を噛み潰すような唸り声だ。
私は焚き火の明かりの中へ踏み出した。
銀髪が炎に照らされ、旗のように翻る。躊躇いのない靴音が石に反響した。
マークは岩のように動かず、顔を歪めて立っていた。首筋の傷跡はそれ自体が物語っていた――私にはどうでもいい話だが。彼は反乱軍の事実上のリーダーだった。
まだ誰にも挑まれていないからこその立場だ。それが今、変わろうとしていた。
「お前はもう貴族じゃねえー、ぷいー!」
彼は唾を飛ばした。
「ここで銀髪の蛇が指揮を執るとか、誰も認めてねえぞー!」
「「「「「「「「..........」」」」」」」」
数十の視線が私に集中した。冷たい空気の中で吐息が白く濁る。
その沈黙が一つの問いを投げかけていた――
私は皆の期待を裏切ってリーダーのマークによる反発で新リーダーとなることに関して折れるのか?
「ふふふ......」
私は笑った――ゆっくりと、鋭く、計算ずくで。
「投票で決めろとは言ってないわ」
私の声は霜のように滑らかだった。
「だが私はこの運動を勝利へ導く。ここにいる他の誰かにも、その意志も、頭脳も、根性もないからだわ」
マークは私たちの間の地面に唾を吐いた。
「なら証明してみろ!」
円陣が狭まる。刃物も魔法もない。素手と、血に飢えた群衆だけだ。
彼が先に襲いかかった――予想通りだった。
「喰らえー!」
私の頭部を狙った大振りのフック。蛮力で決着をつけようという意思表示だ。
「あら」
だが私はそこにはいなかった。
グチョー!
「あがっ!?」
雪の上の影のように滑るように動き、彼の脛にヒールを叩き込んだ!
息が弾ける。拳を肋骨にぶち込む――!
バコ―――!
「ぎゃー!?」
バキー!ゴド―!バコ―!
「うぐ~!?、があー!へぐっ~!?」
一度、二度、三度。彼は唸り声を上げ、叩き込まれながらも何とか賢明に反撃すべく太い腕で私を掴もうとした。
「ふふふ」
遅すぎる。
私はその下に潜り込み、背後へ回りこんで肘を首の付け根に打ち込んだー!
バコ――!!
「はぎゃー!?」
彼はよろめいた。
「遅いわよ」
私は彼の耳元で囁いた。
彼は振り向いた――バランスを崩しながら。
私は再び打ち込んだ――縫い針のように精密なジャブが、彼の顎とこめかみに心地よい衝撃と共に炸裂する。
バキー―――!!
「ギャアア―――!!?」
そして――!
バキッー!!
「~~んふっ!?」
回し蹴りが肋骨に直撃した!
骨が屈服する瞬間を感じた。
彼は地面に崩れ落ち、喘ぎながら、這い上がれなくなった。
私は彼を跨ぎ、貴婦人が舞踏会のドレスから塵を払うような優雅さでグローブを調整した。
「他に反対者はー?......」
沈黙を引き延ばしながら問いかける。
「「「「「「「「............」」」」」」」」
誰も答えなかった。
年配の反乱兵たちでさえ目を逸らした。
円陣の端にエレインが立っているのが見えた。幼い瞳を大きく見開き、危険なほど希望に似た感情を宿していた。
ヴェレーナは腕を組み、顎に力を込めて立っている。嫉妬か? それともただ計算中か?
「あははは......」
老いた毒薬師ソーンブリアヤーが乾いた笑い声を上げた。認めたのか、それともただ面白がっているだけか。どうでもいいことだわ。
私は円陣全体に向き直った。
「私はただ追放されたから戦うのではない!」
本心を滲ませながら宣言する。
「この王国は、エドウィンの圧政や、エリラの狂信、そして目的もなく権力を追う彼の部下のような男たちよりも、輝かしい未来があるから戦うのだ!」
視線を群衆全体に巡らせる。
「私に従えー!」
付け加えて、
「そうすれば故郷を取り戻させてやるー!」
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一瞬の静寂。
そして歓声が上がった。
「「「「「「「「おう――――――!!!」」」」」」」」
全員からではない。だが、十分な数だ。
炎の光が血塗られたグローブと蒼白の顔を照らし出す中、私は――ヴィオレッタ・フォン・アウステルリント、失墜した貴族の娘、銀の毒蛇の『殺戮の魔女』、裏切り者の『悪白女』は、こうして反乱軍の指揮官となったのだ!
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作者:これにて、『第1部:二つの太陽に挟まれる黒曜石編』が終わり、『第2部:悪霊召喚の子供と古の契約編』に続きます。オルフェミは元の世界に戻り、ヴィオレッタ達と一緒にエドウィン皇太子の政権転覆の策略を止めることができるのでしょうか?後、親しくなっているレイザリア姫のこれからの運命は如何なるものになっていくのか、物語が面白くなっていく一方なので、乞うご期待!(_ _)




