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妖精の腕力賢者  作者: oga
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19/25

スロット

 満身創痍でどうにか2匹目を倒すと、何やら奇妙な化け物がやって来た。


「ヒャハハハハ! そんな姿になっちまって、かわいそうなのゼ!」


 現れたのは、コウモリの形をした、チュートリアルの時の魔物であった。


「あなたは…… スロットのコウモリ!」


「よく覚えてたのゼ。 そうだ、同じ魔物を倒した上でレベルが上がると、チュートリアルのスロットが回せるのゼ! 全く、このゲームの作者は易しいのゼ」


 でん、と以前回したスロットが妖精の前に置かれる。


「おっと、でもこの前みたいにはいかないのゼ。 今回はスロットの銘柄に、スピード、を加えさせてもらったのゼ。 しかも、回転数は前回の2倍! ゲーム内だから回せるスピードに制限はないのゼ!」


 その話を聞き、妖精ははっとした。

もしかしたら、これが起死回生の手になるかも知れない。

グルグルと目の前のスロットが回転を始めた。


「てや、えいっ、とうっ」


 スピード、スピード、スピード、の銘柄が揃う。

ピカピカとスロットが光だした。


「……なっ!? どういうことだ!?」


「確かに、以前の私ではこのスロットは難しかったでしょう。 でも、今は猫。 猫の動体視力をナメないでください」


 ダブルチャンスに応じると、再びスピードを3つ揃える。


「や、やめろっ! それ以上はゲームのバランスが……」


「関係ないです! てや、えい、えいっ!」


 再びスピードが3つ。

最終的に、妖精のステータスは以下のものとなった。


ーーーーー

ステータス

ーーーーー

名前:まっちー

レベル:15

職業:猫


HP 55

MP 0

パワー(攻撃) 20

ディフェンス(防御) 19

スピード(素早さ) 921398291

センス(魔攻) 28

フィジカル(魔防) 16

ーーーーー

装備

武器:爪

防具:なし

アクセサリ:なし

ーーーーー


 ボワン、と煙と共にコウモリは消えた。

何か言いたげな顔をしていたが、妖精は気にも留めなかった。


「ネクロマンサーさん、一つ聞きたいのですが、どうやったら体を取り戻すことができますか?」


 ポカン、としていたヨシコであったが、慌てて我に返った。


「あ、えーと…… あなたの場合、元は人の魂だから、猫の体には馴染まない。 だから、自分よりレベルの低い相手に思いっきり体当たりを仕掛ければ、乗り移れるはずよ」


 それを聞いて、ありがとうと言い残し、妖精は外に飛び出した。

そのまま超高速で地球を回り始める。

光を置き去りにするほどのスピードで地球を回ると、どういう訳か、時間が戻り始めた。


(私たちが感じている時間の流れは、光が関係しています。 普段通り生活していれば、1秒は1秒ですが、仮に地球を周回している光の半分のスピードで並走すると、1秒が0,5秒となり、同じスピードで並走すれば、0秒、つまり時間が止まります。 更にここから光の倍のスピードで走ることができれば、1秒がマイナス1秒となり、時間が逆行していきます)


 妖精はそのまま時間を戻し、タナカがドラゴンに踏みつぶされる前までやって来た。

商人がパンドラの箱を開ける前まで来ると、妖精にぶつかって体を乗っ取る。

いきなり弾き飛ばされた妖精を見て、他のものが唖然とする中、言い放った。


「それを開けるのは、待ってください!」

こういうのあったよね

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