34話 始業
(急がなくて良いのかねぇ?)
「急いでいるわ」
(それでかねぇ?)
立ち並んだ建物を
チラチラと見つつ
ゆっくりと歩んでいる
(急ぐの意味わかっているのかねぇ?)
「別にいいのよ
まだ8時
余裕よ」
(8時ホームルーム開始
だった様な気がするんだけどねぇ)
「8時に始まるだけよ
8時に来いとは言ってないわ」
(へりくつって知っているかねぇ?)
「・・さあ?
どうかしら」
(約束事は守るべきだよ)
「約束?
破るものでしょう」
なんの悪びれも無い返事
(人としてどうなのかねぇ・・)
「怪物の貴方に言われても
なんとも思わないわ」
(・・どちらかといえば
お前の方が怪物だろう)
「私は
怪物ではないわ
人間よ
不死身のね」
(なら化け物ねぇ)
「人間よ!
絶対に」
突然叫んだため
周囲から視線を集める
(あはは
そんな叫ぶほどの事言ったかねぇ)
「しくじったわ
・・・・視線を感じるのは苦手なのよ
学校まで
飛んでいく事にするわ」
(え?)
タッン
と言う音を残し
飛び上がった
(うあ
いきなりだから
びっくりしたねぇ)
「飛ぶというのも
おかしな表現だったかしら?」
上空に床があるかのように
佇んでいる
(気体を動かないようにして
その上に立っているのかねぇ?
前よりも制御が出来ているし
その気になれば
上空で暮らせそうだねぇ
ああ
元からどこでも暮らせたねぇ)
「こんな事も出来るわよ
・・ふっ」
手を振ると
ゴウッッッ
一陣の大風がおこり
その風に乗り
飛び去った
ヒュウゥゥ
ガッシャァァァァアン
何かが教室に突っ込んだ
窓ガラスが割れ飛び散る
「「「「「きゃーー」」」」
女子が叫び
「「「うおおお」」」
男子も叫ぶ
そんななか
「おひさしぶりです
先生
おはようございます」
「はぁ
・・・おはよう
花子君
で
なんで窓から入ってくるんだ?」
衣服に付いたガラス片をはらいながら
「後れそうだったので」
そう言った
「ならざんねんだな
もう8時過ぎたぞ」
「つまり
私は新学期早々
遅刻した
そういうことですか?」
「そういうことだ
とりあえず
今はいいが
後で職員室に来るんだぞ
分かったか?」
「わかりました」
ひとそれぞれの
新学期が始まる
お読みいただき
ありがとうございました




