32話 意義
ガリッゴリゴリ
ブチッ
グチャグチャ
ゴックン
「加工された肉もいいけど
生の肉も美味しいねぇ」
血があちこちに飛び散り
頭と胴体が切り離され
既に事切れた
死体が幾つも転がっている
「・・・・・」
その言葉に反応する者も
当然いない
「頭がひとーつ
頭がふたーつ
頭がみいーつ
頭がよおーつ・・・・」
わざわざ声に出し
自身が手に掛けた
人間の頭の数を数え始めた
「頭がやあーつ
八かねぇ・・・
たわいないねぇ」
そう言い
近くの街路樹に手を掛けた
「物足りないよ」
ドオオォォォオン
手に力を入れ
木をなぎ倒した
その時
「んん?
何か来るねぇ?」
その方向に
目を向ける
「あはは
お仲間さんだねぇ」
人型の怪物が姿を現した
「キサマハダレダ?
ナニヲシテイタ?」
片言だが
言葉を話せるらしい
「狩りだねぇ
それ以外は何もしてないよ」
「ココハニンゲンノ
リョウイキダ
ナゼココデ
カリヲスル?」
「狩りをする場所は
それぞれだろう?」
「ダガモウココデ
カリハスルナ
ワレワレノ・・・」
ブシャアアァァァアア
「うるさいねぇ
弱いくせに
命令するなよ」
目にも留まらない早さで
怪物の頭を叩き潰した
「もったいないし
残りもいただくかねぇ」
目が赤黒く光り
「消えろ」
そう呟いた瞬間
凄惨な殺害現場となった
街路の屍骸は
血のにおいさえ残さずに消滅し
何の変哲も無い街路に戻った
木は倒されたままだが・・・・
「そろそろ
帰るかねぇ」
次の日
多数の行方不明者が
報道された
お読みいただき
ありがとうございました。




