12話 珍道中2
「いただきまーす」
と言って
海面に浮かんでいる
亀と鯨を混ぜた様な
奇妙な怪物に
髪の毛の化け物が
食らいつく
「んー
すこし
しょっぱい
まあ
仕方ないかねぇ」
ボリボリと
骨ごと
口に入れ
食べている
「分からないわ
なぜ食べるのか」
疑問を口にした
「生きるためかねぇ
娯楽もあるけど
食わねば死ぬ
だから
食う
そうとしか言いようが無い
お前には分からないだろうけどねぇ
お前の能力は
魔や気以上に
代償を払っている
かも知れないねぇ」
「代償?
そうね
食欲が無くなる
そう言う
代償かしら?」
「違うよ
欲
そのものさ
お前は
代償として
欲が無くなったのさ
生きるために
必要な欲さえ
今は
新たな欲が
芽生え始めている様だけどねぇ
これ以上は
約束に触れそうだけど
言わせてもらうよ
思い出してみなよ
昔をねぇ」
髪の毛が元に戻り
目の前に
あった
怪物の屍骸は
すっかり無くなっていた
「少し
どうでもいい事
かもしれないけど
付け足しておくとねぇ
お前は能力を
あまり制御できていないと
思っている様だけどねぇ
無意識のうちに
かなり制御していたんだよ
自分から触れないと
言っていて悪いけどさ
お前が怒り狂いかけた
あの時
私がお前を締め上げた
あの時
能力によって
呼吸を必要としないから
気絶しない
筈の
お前は気絶したんだよ
これは自分で能力を
解除していた
つまり
制御していと
思うんだよねぇ」
と思い出したように言った
「無意識に制御・・・
そのうちに
意識して制御できる日が
来るかもしれない
と言うことかしら?」
「完全には
無理かもしれないよ
お前の能力は
強力だからねぇ
だけど
少なくとも
今よりかは
制御できると
思うけどねぇ」
「完全には
制御できない
それで良いのよ
この能力は
私が
制御して
良いものでは無いのよ
いえ
人類が
制御して
良いものでは無いの
この能力は
全てを狂わせ
歪めてしまうから」
忌々しそうに言った
「もったいないねぇ
やろうと思えば
世界を滅ぼすほど
強大な能力なのにさ」
「物騒な事を
言わないでほしいわ」
呆れた様な声で言った
お読みいただき
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