13話 珍道中3
(動くな)
そう念じて
水を丸く固定した物を
四つ作り
「あはははは
上手いもだねぇ」
そして
(動くな)
またそう念じた
すると
空中で
水の球体が
停止した
「確かに
今までよりも
制御できているわ」
空中に停止したままの
水を見ながらそう言った
「昔はこんな事
出来なかったのに
不思議なものだわ」
「そんなものさ
私も同じだったからねぇ」
「貴方の力は
制御しようと
制御しまいと
変わらないでしょう?」
「そ、そんな事は無いよ
例えば
内部だけ食うとか
一瞬で獲物を食う事とかねぇ」
「それは
良い事を聞いたわ」
「いや
私の能力自体が
この状態じゃあ
使えないよ
私が表に出れば
その限りではないけどねぇ」
そう言って
髪の毛を
首に巻きつけ
「お前は
それを許可しないだろう?」
と加えた
「そうでもないわよ
気分が良ければ
出してあげるわ」
「気分ねぇ
まあ
今のままでも
食事以外に不便は
無いし
無理に
出ようとは
思わないからねぇ」
「そんな事も言っていたわね
髪の毛って
どんな心地なのか
興味あるわ」
「そうねぇ
何とも言えない
不思議な感じねぇ
人間で表すとしたら
四肢がたくさんある感じ?
そんな感じねぇ」
「想像もつかないわ」
「だからねぇ
お前が
髪の毛を
一本でも抜くと
人間が
手足が引きちぎられる
痛みと
同じ様な
痛みが
私に走るんだよ!」
最後のほうは
怒ったような
口調で話した
「そうなの
こんな風に?」
ブチッ
「いったぁぁぁ!!!」
「本当に痛そうだわ」
これは面白い
と言わんばかりの
笑みを浮かべていた
「このぉ」
グッ
「何かしら?
言っておくけど
無駄よ?」
首に巻きつけてあった
髪の毛が
締め付けているのに
少しも苦しそうにしていない
「少しは
堪えて欲しいねぇ」
「今の貴方では
無理よ
昔とは違うのよ」
「そうか
確かにそうだったねぇ」
そう言って
髪の毛を
解き
元に戻した
「私とお前は
二心同体
だから
お前の能力が成長すれば
私の力は弱まっていく
だろうねぇ
でもさ
私の力は
私以外では
使いこなすどころか
本人の全てを
飲み込んでしまう程
凶悪で
強力なのさ
だから
いつか
お前の能力も
飲み込まれるだろうねぇ」
せめてもの
反撃とばかりに
すごい事を
口にした
「それは大変だわ
でも
相当
先の話でしょう?」
「うぅ・・・
そうねぇ・・」
悲しそうで
消えそうな声だった
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