11話 珍道中1
「面倒臭くなってきたわ」
見渡す限りの
海面が赤く染まり
さながら
地獄のようだった
「潰すからだよ
血の匂いにつられて
集まる
動物もいるだろう
それと同じ様に
血の匂いに
よって来る
同属も居るのさ」
「幾ら殺しても
無駄と言うこと?
なら」
片手で海に触れ
(動くな)
そう念じ
「フッ」
と言って
思いっきり片手を
振り上げた
バァッガガガァァァァン
辺り一帯の
海面が
浮き上がり
「ハァアアァァ」
と言う声と共に
大空へ
吹き飛んでいった
「幾らなんでも
海面ごと
投げ飛ばすのは
やり過ぎじゃないかねぇ?
吹き飛んだ
先が
陸地だったら
同属達も
災難ねぇ」
「そうね
同属達がかわいそうだわ
いきなり
空から
赤い海水と
たくさんの
海洋生物と
怪物が
落ちてきたら
驚く顔が
目に浮かぶわ」
「無情だねぇ
最悪
死人が出ても
おかしくないのにさ」
「陸地に
落ちたらの話でしょう
まず
ありえないわよ
そこまで
強く投げていないわ」
「あはは
単純な怪力なら
アイツと
良い勝負になりそうねぇ」
「そうかしら?
その
【鬼神】は
隕石を砕く程の
怪力を持っているんでしょ
そんな事
私には無理よ?」
「隕石と言っても
隕石もどきだねぇ
私が抉った
地面を
アイツが投げて
それを砕いただけだから
隕石
と言う訳ではないよ
ただでかいだけの
土と岩の塊ねぇ」
「そうなの?
なら
出来そうだわ」
「国一つ分ぐらいの」
「やっぱり
無理そうだわ」
「いや
絶対に
出来るよ
今の私達ならねぇ」
クスクスと笑いながら
断言した
「気が向いたら
やってあげるよ」
「・・・・・そう」
普段余り
変化しない
表情が
少し
緩んでいた気がした
そこから
大分離れた
とある海域に
大量の怪物と
海洋生物が
雨のように
落下している
その光景を見た
者は居たのだろうか?
居たのなら
さぞかし
肝を冷やしただろう
海面に叩きつけられ
ぐちゃぐちゃ
になっていく
屍骸を食い漁る
怪物や
海洋生物たちで
海面が彩られていたのだから
中には激突し
死ぬ者もいる
その屍骸も
他の者にとって
餌でしかないのだから
食われ食われていく
情けなど
無い
ただ
死んだから
餌になったから
食われる
海面が赤く黒く
染まろうと
この地獄は
暫くは続くだろう
誰も気づかないのが
誰も見ないのが
良いのだろう
見れば
暫く
肉が食え無くなってしまいそうだ
お読みいただき
ありがとうございました。




