表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暴走能力を持つ主の苦悩  作者: 焼納豆
432/452

(430)また例の刑

 どう考えても休み時間では無く授業中である事から、過去の自分の行動は完全に棚に上げて何故これほど騒がしいのか不思議に思っているゼシュー。


「何故これほど煩いのだ?やはり魔力分野の授業など不必要である事が証明されているのだな・・・この程度の学問に必死になる様では、誰にでも直に理解できる簡単な事も把握できないのだろうか」


 こう呟きながら扉を開ける為に近接するのだが、そこに背後から突然襟首を掴まれて身動きできなくなる。


 実行しているのはダイヤクィーンで、ゼシューと国王が近接している事を把握したスペードキングがロイに状況を説明してカードの者達と相談した結果、直近でゼシューの天敵になっているダイヤクィーンを召喚して対処させるべきだと判断された。


 教室内に国王やゼシューが来てしまうとヨーレイは委縮してしまうし、生徒達も一般の民が多い事から同じ状況になり楽しい授業の雰囲気が著しく損なわれる事を防ぐ必要があるとの一致した意見によるものだ。


「あら?少しだけ強くなっているようですね。誤差の範疇ですが行方不明になっている最中、滝に打たれる修行でもしましたか?」


 抗おうとする力が増している事は嫌でもわかる程の変化だが、正直ダイヤクィーンからしてみればそれでも誤差の範疇と言い切って良いので思ったままを口にしている。


「そ、その方・・・何時現れた!」


「あら。そちらはこの産業廃棄物の生産者ではありませんか?っと、失礼いたしました。素晴らしいお方のミルバ様の親でもありましたね。子は親を選べないと申しますが、本当にその通りだと感じておりますよ」


 相変わらず敬意の“け”の字も無い態度だが、流石に何度も同じ状況になれば反論しても無駄だと理解しているのか流せるようになっているステヴァンは独善的な正論を述べる。


「随分とミルバに肩入れするのだな。所詮は魔力分野の学問しか習得できない半端者だぞ?お前はその程度の存在が重要だと思えるのか?」


「その学問の重要性を全く認識できない愚者に言われたくありませんね。それにミルバ様も魔力分野のみならず知能、そして錬金の知識も学んでおりますよ。コレはタッシュ先生を始めとした教官の皆様と校長先生の総意により、全ての学問を等しく学ぶことになっている成果です。素晴らしい事ですね」


「は?何故そのような無駄な事をしているのだ!余は聞いていないぞ!タッシュがおかしくなってからこの学校も全てがおかしくなっている!やはりここはこのゼシューが不断の努力で元に戻すべきだ!」


 国王の前であっても“余”と言ってしまう程に滾っているが、ダイヤクィーンには全く関係の無い話しなので流されている。


「無駄なのは今の素晴らしい環境を否定する汚物であり、過去の無駄な虚栄の栄光に縋り続けている貴方ですね」


 このやり取りを目の前で見ている国王ステヴァンはゼシューがあまりにも変貌している事を改めて認識しているのだが、間違いなく屈強な盾を完全に潰して力を示して見せた大の男を平然と片手で完全に制圧しているダイヤクィーンの力を測り兼ねている。


「いい加減に余にも我慢の限界があるのだぞ!」


 体を一気にねじって掴まれている襟を外そうとしたゼシューだが、一般人であれば間違いなく掴んでいる側の手が外れるか服に巻き込まれて手に大怪我を負うのは間違いない状況に持ち込めるのだが・・・相手が普通ではないので余計に自分の首が閉まる結果になり声を出せずにもがいている。


「はぁ・・・何をしているのですか!遊んでいる場合ではありませんよ?愚王もこの場で騒いでは授業の邪魔になってしまいます。ついてきてください!」


 未だに藻掻き苦しんでいるゼシューを一切気にせずに引き摺りながらスタスタ歩いて行ってしまうので、何故か国王と言う立場ながらも言われた通りに小走りでついて行く。


 当然状況はロイに報告がなされており室内が相当賑やかになっている事から廊下の騒動など一切聞こえないが、嵐が去った事を把握して安堵している。


「やっぱり授業の雰囲気を壊したくないからね。俺もこれだけ楽しい授業になるとは思わなかったな。ヨーレイ先生の授業は最初から興味をそそられたけど、パーミア先生やタッシュ先生と協力してからはより一層深く学べるようになったしね」


 ロイも連れ去られたゼシューや国王ステヴァンについての心配は一切しておらず、教室の雰囲気が損なわれなかった事に安堵している。

 

 今尚騒がしいのはヨーレイが共同作成者と言う形で広く市場に出回っている魔力生成・供給の道具に関する話しになっているからで、ヨーレイだけではなく他の二人の教官も一次練成の部分に関する詳細と四次練成迄必要な知識はあるが詳細は理解できていない。


 腹芸が苦手なヨーレイは何時もの通りにどもりながら、折角質問してくれている生徒に対応しようと知識が及ぶ範囲で回答している。


 最近では放課後の集いでどの様な質問が来ただのを各教官が話しているので、回答できなかった部分も持ち寄ってダイヤジャックを加えて公開して良い内容での模範解答を作成している。


 各教室ではゼシュー復活の報は入っているが今の所その姿を目撃していないので今迄通りに意欲に満ち溢れたまま非常に為になる授業を受けており、一方で誰にも知られずに拉致されているゼシューとついて来るように指示を受けた国王ステヴァンは・・・ダイヤクィーンがお仕置きの場所にしている例の肥溜めの有る小屋の前に到着していた。


「ま、待て・・・その方、ここがどこだか知っておるのか?」


「当然存じておりますよ。貴方方に相応しい肥溜めですね。その程度も理解できないのですか?こちらの産業廃棄物は理解できているようですね」


 匂いだけで過去強烈な仕置きを二度行われた場所に到着した事を把握してしまったゼシューは、新たに手に入れた力でもダイヤクィーンには一切通用しない現実をその身を持って体感してしまい絶望している。


 過去の行いを見れば例え国王だろうが一切考慮せずに容赦なく肥溜めにぶち込む事は想像に難くなく、ダイヤクィーンもロイからの命令である命に影響のない範囲での新たな罰を考えるのが面倒なので確かな実績を基にこの場に連れてきている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ