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暴走能力を持つ主の苦悩  作者: 焼納豆
403/418

(402)対策

 校長からの説明で各々が感じている事をこの場で話しているが、コームだけはパーミアの助手と言う立場を堅持しているのか黙って成り行きを見ている。


「タッシュ先生。道具の交換時期って全部が同じでは無いでしょ?供給量によって消耗度合が異なるし、そもそも道具の大きさも異なっていた事から保管量も違うはずだし・・・」


「ご指摘の通りです、パーミア先生。そもそも魔力の供給が必要な道具の使用頻度にも影響を受けますので、保管・供給の道具に関しては常に需要がありますね。私もその辺りの対応の為に常に在庫を持ち続けていました」


「成程・・・ね。それでアレだけの量を国王に渡す結果になったのね。それすら過剰な利益を取ろうとしているのが腹立つわね」


「色々思う所はあると思いますが、そう言った事情なので相談できればと思っていました。製作者のタッシュ先生の見解も伺えたので、一先ず予算的にどのように対処できるのか考えてみます」


「校長先生。それって研究に対する予算だけではなく一部の設備も恒久的に止める事になるでしょう?生徒にも大きな負担になるのではないかしら?」


「そうなる・・・でしょうね。最悪は貴族の子息は不満をあらわにして何かしら文句を言って来る可能性が高いです。ゼシュー王子の騒動をみると高位貴族からの寄付を望める状態でもありませんし・・・っと、そう言えば何故王子はあれ程の匂いを撒き散らしているのかご存じですか?」


 校長が突然ゼシューの匂いに関して問いかけてきており・・・この場の面々はダイヤジャックから衝撃的な事実を説明されているので誰しもが苦笑いをしている。


 つまりその表情を見れば理由を知っている事は明白で、校長としてもこうなってしまうと話しを聞きたくなっている。


「皆さんご存じの様ですね。差し支えなければその理由を私にも教えて頂けませんか?」


 視線がダイヤジャックに集中しているので、隠す必要も無い事から普通に説明した結果・・・校長の表情からもドン引きしているのがわかる。


「あ、あの・・・確認ですが、ジャッ君のお姉さんがゼシュー王子を肥溜めに投げ捨てたと聞こえたのですが、合っていますか?」


「その通りだぞ。最近の言動から正に肥溜めに相応しい存在となっている事が確認できたからな。正確な住処をその身をもって教えてやったようだ。我が姉ながら随分と配慮が出来ていると感心していた所だ」


 校長はダイヤジャックの常識外れについてある程度覚悟はしている部分は有ったのだが、まさか姉もその壁を軽々とぶち破って来られる存在だとは思っていなかった。


「余計な事だとは思いますが、仮に・・・ですよ?国から罪人指定されてしまいませんか?」


「うん?仮にそうなったとしても問題ないし、今の所その兆候はないな」


 本心から気にしている様子が見えないので、この弟にして・・・と勝手にダイヤクィーンの姿を想像しているのでやはり心配そうな表情をしてしまう。


 過去のミルバ同様に相当屈強で破天荒な人物なのだろうと思っているのだが、校長の表情を見たロイが配慮してダイヤクィーンを直接顕現させて紹介した結果その期待は裏切られる。


「折角だから紹介しておこう。間もなくこの部屋に来るはずだ」


 何故このタイミングで?と思わなくも無いが、校長以外は常識外れの行動に慣れているのか全く気にするそぶりを見せない中でシェーンが殊の外嬉しそうな顔をしている。


「シェーンさん?どうしましたか?」


「あ、ごめんなさい、校長先生。私はジャッ君の親戚の方々の凛とした姿が大好きなのです。見た目も美しいし・・・ってお姉さんには会った事なかったかな?ジャッ君」


「スマンが良く覚えていないな。どの道他の親戚ともソックリだから大差ないぞ?」


 錬金や魔法等々の得手不得手は若干あるが見た目同様に性格も大差ないので第三者が聞けば適当に返事をしている様に思えてしまうのだが、付き合いが長くなっているシェーンはダイヤジャックが本心を口にしている事を理解しているので不満に感じる事は無い。


「失礼します。ジャッ君の姉のダイヤクィーンと申します。ジャッ君、随分と酷い言い様ですね。他のクィーンにも伝えておきますよ?」


「や、失言だった。紹介しよう。自分の姉のダイヤクィーンで、ゼシュー王子にしっかりと立場を分からせた存在だ」


「改めまして、ダイヤクィーンと申します。宜しくお願いしますね?」


 ロイがこの場にいる以上は過剰に美しい動きをするので・・・校長さえ動けなくなっている。


「これも何時もの事・・・かな?ヨーレイ先生、パーミア先生、タッシュ先生。暫く復活しないと思いますから、私達でもう少し改善案を考えませんか?」


 ミルバは慣れたもので直に先生達と新たな対策について話し合いを始め、シェーンはダイヤクィーンと嬉しそうに会話をしている。


 残されているのはコーム、ダイヤジャック、ロイ、校長だが、校長は放置されているしコームはパーミアの後ろに移動して助手として意見を記録している状態になっている。


「ジャッ君。対策する事は決定事項だけどさ?過剰ではない案を教えて欲しいな」


 一応二人で会話している状態だがジャッ君呼びが学校では標準なので小声でこのように伝えているロイと、言われれば即対応できる実力があるのでいくつかの案を提示するダイヤジャック。


 道具を動かす魔力を何らかの形で供給する事を基本として考えているのだが、保管・供給の道具になると国王側から文句を言われる事は確実なのでそこは除外される。


 いくつか案が出た中でやはり最終的には魔力生成の道具が必要だとの結論に至るのだが、本来の性能であれば永続的に使用できると自信満々にダイヤジャックが伝えてきた部分に関して、機能としては現時点での技術と比較して過剰すぎるし永続して使用できる部分は使用者側としては嬉しいが製作者側は利益を得られなくなる為に修正をかけているロイ。


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