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暴走能力を持つ主の苦悩  作者: 焼納豆
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 恩人であるミルバが王族であると理解しながらも扱いは最低である事がわかってしまい、何とも言えない気持ちになっている獣人の二人。


 差し当たっては当初の目的通りにミルバと面会して直接お礼を伝えるために動き始める。


「あの・・・大変申し訳ありませんが、ダイヤクィーン様の申し出を受けさせて頂いても宜しいでしょうか?」


 申し出とは、このまま直接ミルバと面会する事だ。


「承知しました。それではこれから向かいましょう。っと、忘れていました。こちらを首にかけて頂けますか?」


 獣人が門番の視界に入った為に警報が鳴ってしまったため、連続して警報を鳴らしてはロイに迷惑がかかると把握しているダイヤクィーンはとある道具を二人に渡す。


「これは・・・何かの道具に見えますが、どの様な効果があるのでしょうか?」


 余りにも規格外の現象・・・ダイヤジャックが容赦なく吹き飛ばされるところを目撃している為、無いとは思うが隷属の首輪であった場合には今後の生活もままならなくなる可能性に思い至っている。


「ご安心ください。コレはお二方の見た目を人族にするだけの品ですよ?」


「!?・・・それ程貴重な物を?」


 一般常識で言えば髪の毛の色程度を変更させる道具は有るにはあるが、見た目上種族を変更する程の道具は非常に珍しい。


 当然錬金に長けているダイヤ部隊にかかれば作成するのは非常に簡単ではあるのだが、やはり自らの基準で常識が決定されているので何故獣人の二人がこれ程驚いているのか分からない。


 逆になんだかんだ言い訳をして装備する事を躊躇っているのかと思ったので、ダイヤクィーンは徐に同じ効果を持つ品をダイヤジャックに装着する。


「ご覧ください。こちらは逆に獣人族に見せかける品になります。元の姿が怪しいので何とも言えませんが、当然こちらの道具を外せばすぐに元に戻りますよ?」


 再び道具を首から外すと言うよりも毟り取るようにしたダイヤクィーンだが、獣人族の二人は何故これほど簡単にポンポン貴重な道具が出てくるのか思考が追い付かずに頭がパンクしていた。


 逆にあまり深く物事を考える事が出来なくなっており素直に装着すると、この短い時間で何度目になるのか分からないが互いを見て驚いている。


「お嬢様・・・随分と可愛らしくなっておりますよ?確かに人族にしか見えません」


「エリューンも可愛いですね。あの・・・申し訳ありませんが一度外しても宜しいでしょうか?」


 何かしらの拘束系統の術があるのであれば立場上(・・・)不味いので警戒し続けてはいるが、隔絶した力を持っている相手と認識している為に問い合わせてしまう。


「構いませんよ?どうぞ」


 ダイヤクィーンとしては何も疚しい事は無いので申し出を普通に受け、エリューンと呼ばれていた侍女とお嬢様と呼ばれていたハルカは互いが見える状態でネックレスの様な道具を外す。


 普通に外れた直後・・・道具は手に持ったままだが姿が獣人に戻り、余りの技術の高さに目を見開きながらも話しが進まなくなると思ったのか互いに軽く頷くと再び道具を装着する。


「ありがとうございました。我儘を言ってお時間を取らせて申し訳ありません。それではミルバ様との面会、改めてお願いしてもよろしいでしょうか?」


「承知いたしました。それではご一緒させて頂きますね?」


 こうして獣人族二人は普通に門から王都に入るつもりでダイヤクィーンとダイヤジャックの後ろをついて行くのだが、何故か門ではない方向に向かっているので不思議そうにしている。


「あの・・・ダイヤクィーン様?門からはズレた方向に向かっているようですが、何か問題があるのでしょうか?」


「これは失礼いたしました。説明不足でした。実はこの怪しいジャッ君は愚王やゼシューに目を付けられておりまして、直接門から入ってしまうとお二人にもご迷惑がかかると思い別のルートを進んでおります」


 これは目を付けられている部分以外は完全な嘘であり、この場にダイヤクィーンが共に居る以上はこれまで相当人々の意識を奪っていた挙句に大惨事を起こしたスペードクィーンやクラブクィーンと外観から区別できない為に間違いなく勘違いされてしまい、何度目かになるか不明だが絡まれる可能性が高い為に二人に余計な心労を与えずに侵入(・・)する様にダイヤキングから指示が出ていた。


 ダイヤジャックとしてはまたまた冤罪ではあるのだが、部隊のトップであるダイヤキングの指示でもある事から口を噤んでいる。


「・・・わかりました」


 どのように反応するのが正解なのか逡巡してしまうのだが、明確に肯定してしまうとダイヤジャックが怪しい部分を認めた事にもなりかねないのでこの反応は仕方がないだろう。


「それではこちらになります」


 完全に防壁しかない場所に到着すると突然このような事を言われてしまったので唖然とする二人の獣人だが、その状態を把握しながらもダイヤクィーンは普通に壁に向かって歩き始める。


 実はとある道具を持っている存在のみこの壁をすり抜けられるように細工している為で、獣人の二人に姿を変えられる道具を与えていたのだが・・・その道具に更に壁を通過できる機能を組み込んでいる。


 獣人二人・・・エリューンとハルカは何故壁をすり抜けられるのか不思議にしているので、その様子を見たダイヤジャックは後に続く様に声をかける。


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