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14.サキュバスと混浴、エロ展開になるわけもなく

 春陽は、リズウェルと二人で夕食を取る。それから、水着着用で大浴場でリズウェル達と混浴した。今日は、自力で身体を洗った。

 「春陽様、お身体、洗いましょうか?」

 サキュバス侍女がそう言うと、リズウェルが睨みつける。

 「申し訳ありません」

 侍女達は、全員更衣室に退避した。

 昨日は意識が朦朧としていたので、サキュバス侍女に身体を拭いてもらった。今日は、リズウェルに先に着替えて貰い。サキュバス侍女も更衣室から出て貰って、春陽一人で寝間着に着替えた。


 春陽が自分の狭い寝室に向かうと、リズウェルが後ろからついて来る。

 何か言いたそうに顔を赤らめているリズウェルに春陽は言った。

 「リズウェル、一緒に寝ますか?」

 美少女ロリ魔王のリズウェルは無言で頷いた。

 春陽のベッドは、二人で寝るには小さい。

 「リズウェルの寝室で寝ましょう」

 「ここで良い」

 そういうとリズウェルは、春陽のベッドに入って行く。

 春陽もベッドに入るが、狭い。リズウェルと身体が密着してしまう。

 春陽が、ベッドの縁ギリギリで寝ている。リズウェルが、春陽に抱きついた。


 翌日、春陽の魔力は全回復していた。

 「魔力回復薬ですか?」

 リズウェルの執務室に同席していた宰相補佐が聞き返す。

 「工房にご案内します」

 魔王城の魔法工房では、二十人の魔導士が働いている。

 魔法開発部に二十人、防衛部に二十人、二十人単位で魔導士は各部署に配属されていた。

 昨日と一昨日は、ゴーレムを作れる魔導士を全動員したので魔王城の仕事はストップしていたらしい。

 魔法工房では、魔法薬を作っている。

 「通常の魔法回復薬ですと魔導士クラスの魔力を十分の一程度回復できます。これが中級魔法回復薬であれば、半分。上級魔法回復薬であれば全回復が可能です」

 「魔王クラスの回復はどうするの?」

 「魔王様ですか?魔王様の場合は、我々が魔力を溜め続けて一年かけて作るか、魔王様ご自身で少しずつ魔力を回復薬に溜めていただき作ります。材料もドラゴンの角やユニコーンの角を使うため、在庫は二本しかありません」

 「ありがとう」

 リズウェルに回復薬を飲ませながら、ゴーレムを作らせるのは無理か。

 「ゴーレムを作れる魔導士と作れない魔導士がいるのは、なぜかな?」

 「魔核の質です」

 魔法工房を出て、廊下を歩きながら、宰相補佐が答える。

 「ゴーレムとして戦える程度の魔核を作る魔力と技術があるか、ないかだけの違いです。作業用のゴーレムでしたら、成人魔族なら誰でも作れますよ。商家では作業用ゴーレムが働いていますから」

春陽の提案を美少女ロリ魔王のリズウェルは冷ややかな目で却下する。

 「春陽のことは愛しておるが、それは無理じゃ。却下じゃ」

 「どうしてですか。作業用ゴーレムの製作を魔王領の住民に委託するだけですよ。魔族なら、作業用ゴーレムを作ることが出来るのでしょう?」

 食い下がる春陽にリズウェルが説明する。

 「魔族と人間では、政治の仕組みが違うのじゃ。魔王領には貴族がいる。魔王領にいる貴族は、勇者や人間が攻撃してきた時に戦う義務を負う。その代わりに魔王領の魔族達の税で魔王や貴族は生活をしている。貴族以外の魔族には勇者や人間と戦う義務はないのじゃ。というより、魔族全員が戦いに加われば、人間と魔族の全面戦争になってしまう。そんなことは、魔族も人間も望んでおらん」

 「しかし、聖戦で人間が魔界領に侵攻してきたのでしょう?」

 「貴族以外の魔族の住民は避難しておる。聖戦は一度しか起こっておらぬ。勇者も数百年に一度、召喚されるだけじゃ。魔王である余が討伐されれば、勇者は引き返す。魔族全員が勇者に皆殺しにされるわけではないのじゃ」

 「だったら、住民が作ったゴーレムを買い上げるのは無理ですか?」

 「その予算を作る財務大臣が魔王城にはいないのです・・・」

 宰相補佐がリズウェルのかわりに答える。

 「災害のように勇者がやってきます。魔族は寿命が人間より長いのですが、成長するのは遅い。特に知能が高い魔族ほど成長が遅い。一度、勇者が魔王討伐に来ると、魔王領の統治機構は崩壊するのです」

 リズウェルが補足する。

 「魔王城にいた大臣達も全て先代の魔王討伐の際に殺された。先日、春陽の摂政就任式に集まった百人の魔族は、大臣や四天王の子供達じゃ。自分達の領土を復興させている最中なのじゃ。そして、数百年後、大臣や四天王が育ったころに、神の命で勇者が召喚されるのじゃ。その繰り返しゆえ、魔王領は発達することが出来ぬのじゃ」

 「わかりました。それなら、魔王領の復興からはじめましょう。そのために何をやればよいのか、情報が欲しい。リズウェル。魔王領を視察させて貰えませんか?」

 「ダメじゃ。春陽の護衛を用意できぬ」

 「私相手に戦える存在は少ない。どうしても護衛が必要なら、強化ゴーレムを使います」

 「その手があったか」

 「リズウェル。魔王領内ですから、すぐに戻ります」

リ ズウェルは、春陽を引き止めたかったが、春陽は魔王領の視察に出発することにした。


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