13.自由研究、僕の考えた最強のゴーレム。
「私も無限に魔力があるわけではないですよ。私自身の魔力が減っているのはわかります」
作業用ゴーレムに魔力強化をかけると、ゴーレム達に、ゴーレムを作らせてみた。魔力が全回復した魔導士達が魔核を作るために祈り始める。魔導士が魔核を作り、ゴーレムに埋め込む。そして、美少女ロリ魔王のリズウェルが、魔力強化で、属性を増やし、ゴーレムを強化していく。その横で、春陽も魔力強化を唱えつつ、同時に、魔導士とリズウェルに魔力回復をかけ続けた。
今度は一時間で、百体のゴーレムを作ることが出来た。こうして、その日はさらに五時間、かけて七百体の超強化ゴーレムを作ることが出来た。リズウェルが魔王として強化したゴーレムに、さらに春陽が魔法を上書きすることで、人間の勇者には倒すのが困難なレベルまでゴーレムを強化出来たはずである。術者を倒さなければ、ゴーレムの弱体化が不可能なら魔王であるリズウェルと春陽を倒さなければ、ゴーレムは無敵である。また、戦争は物量戦の側面が大きい。勇者がチート持ちで、無敵でも、数の暴力には屈するのではないか?
第二次世界大戦中、日本軍の零式艦上戦闘機、通称零戦に苦戦した米軍は、ランチェスター戦略を活用し、一機の零戦に三機の米軍戦闘機をぶつけ、撃破することに成功した。
少数の兵力で、戦争に勝ち続けることは難しい。カンネーの戦いで寡兵でローマ軍を包囲殲滅したカルタゴの名将ハンニバルに勝利するために、ローマはハンニバルと戦うことを放棄した。ハンニバルの本国、カルタゴを攻略し、ハンニバルの補給を断ったのである。
桶狭間の戦いで、今川義元に勝利した織田信長は、相手の兵力の数倍を動員できなければ、戦闘を回避した。歴史上、物量戦を続けることが出来た軍隊が最終的に敗北したことはないのだ。ただし、物量戦を続けるにはお金が必要である。自国を富ませつつ、相手より圧倒的に多い数の兵で攻め続ければ、敗けることはないのだ。もちろん、それが出来ればである。
春陽は、魔王領の経済力を高め、かつ人間と召喚された勇者を圧倒的な数と質の防衛力で魔王領を守る戦略を実行するつもりだった。
この頼りない、ロリ魔王に春陽自身も愛着が生まれて来ていた。
「春陽よ、死にかけた顔をしているが大丈夫か?」
「今の魔力だと一日一千体が限度ですね」
サキュバスの侍女達に身体を支えられて寝室に戻る春陽にリズウェルが心配そうな顔で言った。
「なあ、春陽よ。やはり、余と魔王の座を交替しないか?」
「嫌ですよ」
春陽は、自分の寝室に戻ると、今日は魔王リズウェル専用の大浴場を借りることにした。
「全員、水着着用。襲わない。セクハラ展開にしない」
水着に着替えたサキュバス侍女に支えられて、疲弊した春陽は水着姿で、数名のサキュバス侍女に支えられて、大浴場に向かった。リズウェルも水着姿でやって来た。春陽は、ほとんど動けない。魔力枯渇状態で、体力的にも精神的にも疲れ切っていた。大浴場に入浴すると、サキュバス侍女に身体を洗ってもらう。
「余が春陽の身体を洗っても良いのだが・・・」
入浴用の水着着用の約束をして、リズウェルと一緒に浴槽に入った。
「ゴーレムはどれくらい強化されていましたか?」
サキュバス数名に抱きかかえられて、入浴している春陽は、リズウェルに尋ねる。
「強さに多少のばらつきがあるが、平均すると強化ゴーレムは四天王の半分くらいの強さじゃな。従来のゴーレムの十倍~百倍の強さはあると思うぞ」
「だったら、今日、作ったゴーレム七百体で七万人の人間と戦えますね」
「いや、強いゴーレムなら一体で、数百人の兵士と戦える。二十万人前後の兵なら相手にできるのではないか?」
「リズウェル。戦争は、兵の強さも重要ですが数の暴力です。強化ゴーレムは最低でも一万体は準備しましょう」
「一万体の強化ゴーレムがあれば、世界征服ができるのではないか?」
春陽は首を振る。
「リズウェルと魔王領を守る最低限の防衛力です」
春陽は、豊かに実ったサキュバス侍女の胸を枕に、湯船に浸かっている。
リズウェルは、自分の平らな胸とサキュバス侍女の胸を見比べる。
「なあ、春陽は巨乳が好きなのか?」
「リズウェル。胸の大きさを気に出来る余裕があれば、私自身で入浴していますよ。魔力枯渇状態で、死にかけているんです」
真っ青な顔で春陽は答えた。
浴室から出ると、サキュバス侍女に身体を拭いてもらい。寝間着を着せられ、春陽はリズウェルの寝室に連れて行かれる。
春陽はリズウェル用の巨大なベッドに寝かされた。新しい水着に着替えたサキュバス侍女と水着姿のリズウェルが春陽に抱きついた。
「子作りですか?」
「余は子作りをしても良いのだが、魔力回復の儀式じゃ。春陽は魔力が膨大にあるから、余やサキュバスの魔力を与えれば与えた側が衰弱死する。これは、春陽自身の自然回復を強化する儀式じゃ」
春陽は、サキュバスとリズウェルに抱きつかれたまま、目を閉じる。
翌朝、春陽はプニプニする柔らかい肉の塊が春陽の身体を包み込んでいることに気が付いた。サキュバス侍女とリズウェルが春陽に抱きついていた。
「だるい・・・」
「春陽よ。全回復は無理か?」
「七割~八割ぐらいは回復しています。ありがとうございます」
「じゃが、昨日と同じ方法で、強化ゴーレムを作るのは止めた方がよい。今日は、魔導士達には普通にゴーレムを作らせよう。一日かければ二百体はできる」
「回復薬のようなものがあればよいのですが・・・」
「回復薬はあるぞ。しかし、回復薬を作るのに魔力が必要になる。ゴーレムを大量に作るのであれば、春陽の魔力を回復薬に入れて分け与えることになるだけじゃぞ。それにな、余の魔力では春陽の助けがなければ一日二十体のゴーレムを強化するのが精いっぱいじゃ。強化ゴーレムは一千体にして、残りの九千体は普通のゴーレムにしても良いのではないか」
その日は、春陽は夕方までリズウェルのベッドで寝ていた。夕方には、九割方、魔力が回復したので春陽は広場で二百体のゴーレムに強化魔法をかけた。それから、魔力回復をリズウェルにかけながら、二百体のゴーレムにリズウェルの魔力強化で強化ゴーレムを完成させた。
「あと、百体、ゴーレムを作れますか?」
春陽は、魔導士達に声をかける。魔導士に魔力回復をかけて、追加で百体の強化ゴーレムを作った。
まだ、魔力は七割以上残っている。
魔力の限界値が昨日より増えている?
春陽の魔力量は膨大である。それでも、昨日は魔力が枯渇した。限界まで魔力を使うと魔力量が増えるのか。




