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059

 境鳥村立中学および小学校

野咲ミク 中学担任

相原リョウコ 小学担任

霧山ユリ 中2

藤アラシ 中2

藤タイスケ 中2

星ホクト 中1

杜人イズミ 中1

霧山アン 小6

藤サクラ 小5

星ミナミ 小4

天城マヤ 小2

射手ヒロ 小1

 黒式団

ワイアール 男性 40代 アラブ系

サイモン 男性 30代

ビブロス 女性 愛称ミリー

ザラブ

ベル 女性 20代 海洋学者

メイツ 女性 日本人

ナックル 男性 若造


「ピザってどれくらいで出来上がるの?」

橘ユイの単純な質問に

射的屋が思い出しながら、

生地を伸ばしててソースを塗って具材を乗せて1分

石窯で1分から1分半。

「提供までに3分くらいかかる。」

「頑張って1時間で20枚。」

それを聞いた橘ユイは「うーん」と唸ってから

「もう5枚は欲しいかな。」

また無茶を言い出した。

大人はいつだって子供に無茶を押し付ける。

1枚3分の話にしても

経験者が、支度を整えた状態で、の話だろう。

「さすがに無理かなー。」

射的屋さんもっと言って。

「そもそもそんなに売れますか?」

午前の10時12時まで2時間で50枚。

「他にも屋台出ますよね。そんなに売れるとは思えません。」

「甘い。湯の星のカスタード饅頭より甘い。」

「確かにうちのは控えめですけどね。」

「これでも午前は控えめに言っているのよ。」

「午後はもっと忙しくなる。」

「なので今日できる事は今日済ませます。」

「生地は今日中に作れるだけ作りましょう。」

「冷蔵庫空けてあるから大丈夫。」

業務用かよと言いたくなるサイズの冷蔵庫がほぼ空。

「発酵させて伸ばしまで。」

「それと、売り子は別で用意する。」

「早速始めましょう。いざキッチン。」

「じゃあ私はこれで。明日薪を持ってくるから」

「何言ってるの。生地作りなさい。」

慌てる白スーツの射的屋。

「いや自分とこの支度が」

「そんなの手下にやらせなさいよ。」

「手下?そんなのいないから。」

「クレメンザとかルカとかいるでしょうよ。」

「そんなヤバイ部下いないからっ。」

作業はを始めてすぐに

「手伝いに来たよ。」

橘ユイの親友

「はじめまして。南室ツヅリです。」

ピザ生地は作った事ない。と言いながら

他の人の作業を見ていると

「まだ発酵させる段階ね。」

などと言いながらテキパキと作業を開始。

「ドンは帰っていいよ。自分の商売の準備して。」

「ドン?そんな呼び方した事ないよね?」

「あ、待って。フレド暇ならトマト缶のトマト潰してください。」

「フレド?確かに次男だけど。いや俺裏切らないからね?」

何の話をしているのかさっぱり判らない天城マヤだが

「トマト潰すならそのスーツは脱いだ方が。」

「これ脱いだら私が誰だか判らないでしょう。」

この人は大人なのに何を言っているのだろう。

本気で悩む天城マヤ。

「せめて帽子は脱い」

「君は私に裸でトマトを潰せと脅していいるね?」

「そうね。あとでクリーニング代ゆすられても困るからそうして。」

南室ツヅリがニッコリ笑って言い放つ。

「ゆすらないから。さっきから私を何者だと」

「便りにしてるのよ。友情は全てだ。」

橘ユイのヴィトー・コルレオーネの台詞の引用に

気をよくしたのか台詞を続ける射的屋。

「友情は家族と似ている。」

ホクトは無意識にマイケル・コルレオーネの台詞を口にした。

「友人は近くに、敵はもっと近くに。」

調理場に沈黙が広がる。

慌ててホクトがフォロー

「今度一緒に湖にいき」

「行かないからっ。」


作業中、ホクトは最も気になった事を呟く。

「販売価格は決定ですか?」

マルゲリータ1枚1,000円。

ハーフ500円。1/4、300円。

クアトロフォルマッジ、1枚2,000円。

ハーフ、1/4は提供しない。

「安過ぎませんか?」

「原価率が100%超えませんか?」

「利益は考えなくていいって。」

「そうそう。この神社儲かっているから。」

橘ユイの返事に南室ツヅリも同意。

射的屋もそれに乗っかったのか

「他の屋台も儲けようとは考えていないよ。」

「さすがに人件費以外の原価回収はするけどね。」

人件費以外って事はボランティアか。

この話題に興味を示したのは天城マヤ。

「このピザの原価って?」

「特殊だから難しいけど」と前置きし

ホクトがおおまかに計算を試みる。

まずはピザ生地。

小麦は二種類。強力粉と薄力粉。

「袋見た限りイタリア産のようだから」

1kg1,000円として今回のは小さいピザなので1枚80円くらい。

ドライイースト、塩、砂糖は細かいから無視。

トマトソースはトマト缶をそのまま使う。

1枚ありた100円しない程度だろうから

塩、砂糖、トライイースト含めて100円で試算。

問題はオリーブオイルとチーズ。

先日の話の通りなら

モッツァレラチーズは北海道から持ち帰ってくるらしい。

さらにその女性はオリーブオイルも入手すると言っていた。

国産オリーブオイルの主な産地は小豆島。

まさか一人で北海道から香川県まで行くつもりだろうか。

モッツァレラチーズが1kg5,000円として

少な目に50gだとしても250円。

「ここまでで低く見積もって430円。」

「本来ならここに人件費も足される。」

「人件費って、お給料?」

計算しやすく時給1,200円を2人で考えて

1時間25枚ピザを焼くとして

1枚ありた96円。

「ここにキッチンカーのレンタル。」

1日30,000円として5時間

1時間6,000円なので1枚240円。

「まだ1,000円いかないわね。」

南室ツヅリの冷静な突っ込みに

「石窯の薪。提供用の包装紙と箱。」

「送料、廃棄物の処分費用。」

「それから一番大事な支払いがあります。」

「なに?」

「ドンへのみかじめ料。」




※参考資料

映画「ゴッドファーザー」

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