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境鳥村立中学および小学校
野咲ミク 中学担任
相原リョウコ 小学担任
霧山ユリ 中2
藤アラシ 中2
藤タイスケ 中2
星ホクト 中1
杜人イズミ 中1
霧山アン 小6
藤サクラ 小5
星ミナミ 小4
天城マヤ 小2
射手ヒロ 小1
黒式団
ワイアール 男性 40代 アラブ系
サイモン 男性 30代
ビブロス 女性 愛称ミリー
ザラブ
ベル 女性 20代 海洋学者
メイツ 女性 日本人
ナックル 男性 若造
秋分の日前日。
午前の授業が終わると
霧山ユリが駄々を捏ねる。
「お前は当日黒式団の皆さんを案内しろ。」
中学担任野咲ミクがユリを押さえつけている間に
小学担任相原リョウコがホクトとマヤユを
神社のある橘家へと送り届ける。
敷地内にキッチンカーが目に入る。
さらに目立つのがその脇に立つ白いスーツの男性。
そして彼が背負っている「何か」。
彼と話す橘ユイに相原リョウコが挨拶。
「それではよろしくお願いします。」
「二人とも頑張って。」
相原リョウコはとっとと帰るが
ホクトとマヤは担任がいつ帰ったのかも判っていない。
二人は白いハットに白いスーツ姿の男性から目が離せない。
「ようこそ。君がホクト君で君がマヤさん。」
にこやかに、爽やかに握手を求めてくる。
握手をしながらも、目線はずっと男の背中。
戸惑いと視線に気付いているであろうに
男は一切触れないので
このまま無視してやろうかとも思ったが
隣の天城マヤがあまりに動揺しているので
「その、背負っているのは」
言い終わる前に
「ああ、これかい?」
ストラップをくるりと返し現れたのは
ダブルバレルの、しかも
「銃身と銃床を削ったソードオフショットガン。」
「突っ込みは飛ばして質問いいですか?」
「構わん。」
「どうしてソードオフダブルバレルショットガンを背負っているのでしようか。」
「商売道具だからだ。」
「ご商売は何でしょう。」
「見ての通り、射的屋だ。」
ホクトは何かを飲み込んでから
「はい。ありがとうございます。」
「じゃあ、僕達はこれで失礼します。」
「少し歩くけど、帰ろうか。」
ホクトはマヤの手を取って歩き出す。
「待って。聞いて。」
「商売道具背負っていないと職業不詳って思われるかな。って。」
って?
「一つずつ確認しても?」
情報がとっちらかって不審者ですらない。
人には見えない何かか、
もしくは異世界転移したのかと。
「マフィアのような真っ白なスーツは?」
「的屋ってさ、ヤクザなイメージあるじゃん?」
「それを払拭するにはマフィアしかないよね。」
ホクトは何かを飲み込んで
「射的屋でしたらコルク銃では?」
「これもコルク銃だよ。」
肩から銃を抜いて手渡す。
発射口が狭くなっている。
「こうすると威力が少し増すでしょ。」
「でもあまり当てられたくないからさ」
「銃身と銃床削って短くして命中率を下げるの。」
お客さんにも配慮しつつ店の利益も考慮した。のか?
「普段からその姿で暮らしているのですか?」
「そうだよ。これなら自分が射的屋ってすぐ判るでしょ。」
「通報されません?」
「今はされない。でもこの格好で町から出るなって刑事さんに言われた。」
得意気に親指を立てて笑う。
困って橘ユイに目を配ると
彼女も同じように笑顔で親指を立てた。
ホクトは深呼吸して
「大丈夫みたいだから頑張ろう。」
顔は天城マヤに向かっていたが
言葉は自分に言っていた。
キッチンカーは窯に火が入っていないだけで
営業可能な状態にセッテイィングしてある。
小中学生には調理台や作業場所が高いだろうと
踏み台まで用意されている。
「本物の石窯だ。」
射的屋の男性の説明を受けるホクトとマヤ。
「明日は営業できる状態まで手伝うよ。」
薪をくべて窯の温度を上げる。
「職人は窯の色で適温が判るらしいが」
「私のような素人はしっかり温度を測る。」
「以前も扱った事があるのですか?」
マヤの質問に
「あるよ。一日終わると黒い鼻水出る。」
キッチンカーではあるが
作業そのものは何も変わらない。
「生地にトマトソースを塗る。」
「チーズを乗せる。焼く。」
「焼けたら葉っぱを散らして提供。」
簡単に言うが
素人中学生と小学生の二人でそれをする。
「今日は窯に火は入れられますか?」
「スマン。薪が届いていない。」




