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境鳥村立中学および小学校
野咲ミク 中学担任
相原リョウコ 小学担任
霧山ユリ 中2
藤アラシ 中2
藤タイスケ 中2
星ホクト 中1
杜人イズミ 中1
霧山アン 小6
藤サクラ 小5
星ミナミ 小4
天城マヤ 小2
射手ヒロ 小1
黒式団
ワイアール 男性 40代 アラブ系
サイモン 男性 30代
ビブロス 女性 愛称ミリー
ザラブ
ベル 女性 20代 海洋学者
メイツ 女性 日本人
ナックル 男性 若造
翌々日、午後神社に出向くと
「知り合いがオーストリアにいて。」
橘ユイがスマホの画面を見せる。
「これを送るって。」
覗き込むホクトとマヤ。
「チーズ?」
「TopfenとBergkäseって。」
それを聞いたホクトは驚いて
「なんて贅沢な。ピザに使うなんて罰当たりすぎる。」
ホクトが知っている事に驚く天城マヤ。
「どんなチーズなんですか?」
トプフェンは軽くて酸味のあるフレッシュチーズ。
ベルクケーゼは濃厚なハードチーズ。
どちらも日本では殆ど扱っていない。
マヤはメモを取りながらも
どうしてそんな事を知っているのか気になった。
ホクトは「ピザにはモッツァレラが合う」からと
「手作りするつもりです。」
「作れるの?」
「牛乳とお酢でつ」
言いかけたところで居間のドアが勢いよく開き
「話は聞かせてもらったぞー」
ライダースーツとフルフェイスヘルメットの女性
「ピザに合う最高のモッツァレラを用意してやる。」
「北海道ぶらり一人旅で立ち寄った工房でごちそうになった。」
「祭りの日に間に合わせればいいな。」
「今から行ってくる。」
誰からの返事も待たずドアが閉まる。
誰かが何かを言おうとしたが言葉が出ない。
刹那、再び勢いよくドアが開かれ
「ピザって事はオリーブオイルもいるよな。」
橘ユイが黙って頷くと
女性は親指を立てて「任せろ」と言って出て行った。
直後外からバイクの音が遠ざかる。
「誰?」
橘ユイは満面の笑顔で
「私の親友。」
普段は何処にいるかは判らないほど飛び回っているが
正月もお盆もないが秋のお彼岸には顔を見せる。
「チーズとオリーブオイルは心配ない。」
「前はトマトソースどうしたの?」
「缶のホールトマトを潰して濾しただけです。」
「業務用のホールトマト手配するね。前日に仕込みましょう。」
「他には?」
「作るピザにもよります。」
「手間を考えるとたくさんは無理ね。前は」
「ペコリーノロマーノ使ったマルゲリータよね。」
ホクトは頷き
「1つはモッツァレラを使ったマルゲリータ。」
「もう1つ作るとしたらクアトロフォルマッジを、うーん。」
「なに、どうしたの。」
「贅沢ずきる。値段が付けられない。」
オーストリアから送られてくる2種類のチーズと
ライダーさんが持ってくるモッツァレラ。
もう1種類、可能ならばヤマト牧場の羊のチーズ。
「4種類のチーズをブレンドして」
ブツブツ計算を始めるホクト。それをメモするマヤ。
しかし橘ユイは
「1枚1,000円。半分で500円でどう?」
「大赤字ですよ。車のレンタルだけで」
「採算は気にしなくていいからね。」
「そうはいきません。材料だけでいくらに」」
「皆好きでやっているだけだから。」
「でもこれではもう。」
「本筋が気になる?」
「それはそうです。そのためにここに」
マヤは意を決して割って入る。
「私は楽しみです。」
「最高の材料でピザを焼くのは」
「それだけで経験になると思います。」
ホクトはマヤの言葉に「それは確かに」と同意して
「それじゃあ特別なピザにしましょう。」
「学校で練習するときは普通のピザになるけどね。」
翌日登校すると担任野咲ミクと霧山ユリの遅刻が
小学担任相原リョウから伝えられ
ユリ以外の中学生が小学生の教室で合同朝礼。
妹の霧山アンは出席している。
「なんか、フゴウに会ってくるって。」
全員が
「は?」と返すが
ホクトだけは察しがついた。
「黒式団の石油王に」
「石油王?あの人オイルタイクンだったのか?」
藤ダイスケが喰い付くが
「ユリさんの妄想ではそうです。」
「いや、妄想とは限らないぞ。」
黒式団の宿泊先である大太楼を手伝う藤アラシ。
「ホテルの宿泊費だけじゃなくて」
「飛行機やらタクシーやら全部リーダーが支払っているらしい。」
「らしい?」
「俺も人から聞いただけだから。」
「妄想と何が違うん?」




