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042

境鳥村立中学および小学校

野咲ミク 中学担任

相原リョウコ 小学担任

霧山ユリ 中2

藤アラシ 中2

藤タイスケ 中2

星ホクト 中1

杜人イズミ 中1

霧山アン 小6

藤サクラ 小5

星ミナミ 小4

天城マヤ 小2

射手ヒロ 小1


霧山ユリと藤ダイスケの隣で2人の会話を聞き流していた星ホクトに

藤サクラがずいっと肩を寄せ

「ホクトさん。よーく見ていてください。」

「ダメなアラシ、略してアラシ。」

何を言っているのか判らないが

言いたいことは何となく理解できる。

妹サクラの暴言に双子の弟藤ダイスケも同意する。

「あれじゃあアピールになってない。」

ユリもサクラももっともだと思った直後、

「そもそもアイツがモテるはずがない。」

「だって俺のが先にモテる。」

妹の言葉も判らないが兄も何を言っているのか判らない。

先、とは?

「双子が何を言っている。」

霧山ユリの突っ込みに安心するホクト。

「モテるの前提?」

藤サクラの疑問ももっともだ

いやもっともだと思うのは失礼だ。

「だとしても何でお前が先なんだよ。」

「根拠はなに。」

霧山ユリとサクラの怒涛の問い詰めに

藤ダイスケは胸を張って答える。

「オーラ?全身の毛穴から滲み出るホルモン。」」

ホル?何?

困ってユリとサクラヨに目を向けるが

2人も困った顔をしていた。


翌日からの通常授業で担任野咲ミクは

自らの浅はかな行為を嘆いた。

「だが嘆いているだけではないぞ。」

「改悪はすぐに改善する。」

1時間目が終わってすぐの休み時間の突然の宣言。

全生徒に困惑はない。

終わったばかりの1時間目に

担任が右往左往していたのを目の当たりにしている。

授業は各自問題集に取り組み

都度担任に質問をする流れ。

ホクトを挟む左右の藤兄弟が

ほぼ同時に挙手して担任を呼ぶ。

担任からすると、兄弟を並べると2人でサボるのではないかと危惧し、

だからと言って2人の間に霧山を配置するのもどうかと考えた末の配列。

どちらが先だ後だと揉める兄弟を無視したとしても

結局二度同じ質問に答えなければならない。

「ホクト、お前下がれ。」

「下がる?」

「後ろの、ユリの隣の窓際。」

言われるまま席を移動。

「俺たちが後ろに」

藤兄弟が揃って抗議するが無言で却下。

「そもそも何でホクトを間に入れたの?」

霧山ユリの率直な質問に

「この兄弟並べたらどうなるかくらい判るだろ。」

「どうなるか判っているのに並べるのか。」

「どうせ面倒起こすなら一度に対処できるじゃん。」

「問題起こす前提?」

給食の時間。

転入生杜人イズミは何も言わず、驚かず空き教室まで同行し

小学生達と合流し配膳の手伝いに参加。

「3時間目の合同授業にも動じていなかった。」

霧山ユリはホクトにだけ聞こえるよう呟いた。

「慌てふためいた誰かさんとは違う。と」

「そこまで言ってない。ただ」

「事前に聞かされていたのかな。と。」

その席で思い出したように(実際忘れていた)中学担任野咲ミクが

「ホクト。土曜日に隣の道場行ってこい。」

また何か言い出したぞ。

隣とは?道場?何しに?

「お前ピザ焼いてただろ。」


「ピザって?」

当日、バスに乗って隣町に向かう星ホクトと杜人イズミ。

このイズミの言葉が2人の最初の会話。

「学校でピザを焼いて」

「その日に救命講習があって」

「多分それに行けって事だと思う。」

ホクトが未だに推測しているのは担任からは

行先を告げられただけで結局内容は言われなかったからだ。

イズミも同様に「ホクトと一緒に行け」とだけ言われて

何の道場で何をするのか聞いていない。

「どうしてホクト君はピザを焼いていたの?」

怪訝な顔をしての質問ではなく、

ただ純粋に疑問だった。

「ピザ窯があるならピザは焼くだろう。」

「って担任に言われて。」

夏休みの課題を学校で済ませようってのがそもそもの始まりで。

確か先生2人が講習受けるから

学校に来ているお前達も受けろと言われて。

ホクトはイズミに説明しながらも疑問が拭えない

「どうして僕はピザを焼かされた?」

「私に聞かれても。」


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