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境鳥村立中学および小学校

野咲ミク 中学担任

相原リョウコ 小学担任

霧山ユリ 中2

藤アラシ 中2

藤タイスケ 中2

星ホクト 中1

霧山アン 小6

藤サクラ 小5

星ミナミ 小4

天城マヤ 小2

射手ヒロ 小1


8月に入ると旅館ホテルは宿泊客が増え、

街に一軒の食堂テングランドもそれなりに繁盛。

「で、課題する暇ありませんでした。って言うつもりだったのに。」

8月4日、登校日の朝、支度をしながら姉の戯言を聞かされる霧山アン。

霧山荘に夏休みは関係ないのか

宿泊客が増えて困っている様子はない。

「へんな噂でも流布されているんかな。」

毎日朝礼に参加している姉には実情が判るのだろう。

「今日は忙しいから手伝って」と言われた事はない。

気を使っているだけかとも考えたが

宿泊者がいつも通りなので本当に手助けが不要なのだ。

まあでも、そのお陰で

「その課題はどこまでやったん?」

「自由課題以外はもう終わった。」

「はやっいつの間に。最終日に一緒に泣きながらやろうって約束したじゃん。」

「そんな約束はしていない。夏休み前には殆ど終わらせたよ。」

「は?おかしくね?」

「小学は夏休み前に配られなかったん?」

「いや配られたけど。そうじゃなくてさっきの言い訳がおしくね?」

「私が言うわけじゃないから。」

霧山ユリはそれだけ言うと支度を済ませ部屋を出る。

姉が何を言っているのか判らん。姉は一体何を言っている。

霧山アンは3秒ほど考えてそれから考えるのを止めた。


小、中学生達は全員同じ教室に集められ

その前に立つ野咲ミクは

「今時登校日のある学校は珍しいそうだ。」

全員集めておいて何を言うか。

「夏薄みの中頃に皆の無事を確認するのと」

「未だ手付かずの課題の催促と強要する日とされていた。が、」

「実際は教師の給料日だったらしい。」

「振込になって登校日はなくなりつつある。」

野咲ミクの説明に

「するってぇとこの学校は未だに現金支給ってことかい?」

藤アラシの疑問に

「いや振込だ。」

「じゃあ何だって登校日なんか?」

「さっき言った通り課題の催促。」

「と、それは建前で、」

「私が愛しい教え子たちの顔を見たいからだよ。」

したり顔で言った直後。

「あ、13日から17日までは学校閉まるから来るなよ。」

それ以外はいつものように朝から学校は開いていると伝えると

「今言う?」

「教室で課題やってもいいぞ。自由研究やったか?」

「自由研究始めたか終わっている者挙手。」

野咲ミクが促すと

小学生の射手ヒロと天城マヤの2人が手を挙げる。

「僕はお店の食材の調査しています。」

「私はパンの材料についていろいろと。」

「実益を兼ねて素晴らしい。他は?」

「私とホクトは怪獣対策マニュアルを作る予定です。」

霧山ユリが答えるが当然ホクトは初耳。

「それなら部としてアラダイも参加するか?」

野咲ミクの提案に

藤アラシとダイスケも寝耳に水ではあるが

2人とも何も考えていなかったので担任の案に全力で乗ることにした。

しかし慌てていつものような軽口で

「手伝ってやってもいい」などと口にしてはならない。

「ぜひ手伝わせてください。」

「むしろ手伝わせてくだささい。」

ユリが答える前に

「それ私も。」

星ミナミが乗っかる。

「写真撮らせたのってこれで使うからですよね?」

ユリが答えるより前に今度は霧山アンも加わる。

「私も乗ります。小中学生合同でも大丈夫ですよね?」

担任相原リョウコを見ると笑顔で頷いた。

「それなら私も」と藤サクラも乗っかる。

霧山ユリは半ば呆れながら

「ヒロとマヤが仲間外れになるのはよろしくないな。」

「僕の自由研究はもう終わるのでお手伝いはしたいです。」

「私も。」

ヒロとマヤも加わり、結局は全員参加の自由研究となった。

子供達が夏休み中の予定を話し合う中

「じゃあ先生も夏休み中なのに学校来てるの?」

「何やってるの?何しに来てるの?」

真剣に尋ねる子供達に

「補習とか部活とか?」

「補習とか部活に来ているの?誰が?」

「いやまあ誰って事はないけど。あ、あとプールの監視とか?」

「プール?夏休み中もプール入っていいの?何で今言うの?」

「ダメなんて言ってないじゃん。ミナミとかアンとか来てるよ?」

「は?何で言わないの?」

言ったら騒がしくなりそうだったので

ミナミとアンはサクラとマヤには伝えていたが

中学生には伝わっていなかったのを察して

霧山ユリにはあえて黙っていた。

フイっと横を向くミナミとアンを見た相原リョウコが話を戻す。

「他にもちゃんとお仕事しているよ。」

「夏休み中は皆いないから掃除もするし」

「学年違う子達を受け持つから皆の状況を把握して」

「二学期の資料を今の内から作ったりね。」

「そう、それ。あとは教育委員会との打ち合わせとか」

「文科省の最新情報確認したりとか。結構仕事あるよ?」

「いやマジで。」

「お、おう。」

あまりに必死な担任に同意するしかない霧山ユリ。

「講習とかもあるし。」

「明日AEDとエピペンの講習もあるよ。」


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