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第79話 封印の守護者との戦い

——黒い霧が形を変え、巨大な獣のような姿になる。


影でできた狼のようなその存在は、牙も爪もない。

しかし、それでいて、ただそこにいるだけで周囲の魔力を蝕むような禍々しい気配を放っていた。


「やるしかないだろう!」


ユークは剣を構え、一気に踏み込む。霧の獣が咆哮し、鋭い爪のような影が襲いかかる。


「ヴァルザーク・スラッシュ!」


ユークの剣が青白い光を帯び、一閃。鋭い斬撃が霧の獣を切り裂き、一部が霧散する。しかし、獣はすぐに形を再構築し、さらに激しく襲いかかってきた。


「っ……! このままじゃ埒が明かない!」


「ユーク! 私も援護するわ!」


セリナが後方で詠唱を始める。


「フレア・テンペスト!」


赤熱の魔法陣が展開し、灼熱の旋風が霧の獣を包み込む。しかし、獣の黒い霧は炎を吸収するかのように揺らめき、完全にはダメージを与えられない。


「普通の攻撃じゃ倒せない……?」


ユークは剣を握り直し、獣の動きを見極める。


(……何か弱点があるはずだ)


その時、獣の身体に刻まれた不可解な紋様が一瞬光った。


「ユーク、あの紋様……!」


セリナが指差す。


「わかった……! そこが核か!」


ユークは一気に距離を詰め、剣に魔力を込める。


「これで終わらせる……!」


「ルミナス・ブレイカー!」


剣から放たれた輝く斬撃が獣の核を直撃する。轟音とともに霧の獣が弾け、消え去った。


——静寂が訪れる。


「……やった?」


「いや、まだだ」


ユークは目の前の古びた扉を見つめる。獣が消えたことで、扉に刻まれた紋様が青く光り始めていた。


(この奥に……何かがある)


ユークはゆっくりと扉へ手を伸ばす。


ガコン——


扉がゆっくりと開き、暗闇の奥へと続く階段が現れた。


「行こう、セリナ」


「ええ……この先に、封印を解く鍵があるはずよ」


ユークとセリナは覚悟を決め、階段の奥へと進んでいく——。

読んでいただきありがとうごさいます!

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