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第41話 『英雄への疑念──王宮に潜む陰謀』

 

 翌朝——


 ユークとセリナは王宮の広間にいた。


 広間には王国の貴族や将軍たちが集まり、

 ユークの存在を値踏みするような視線が注がれていた。


「……なんだ、この空気は」


 ユークが眉をひそめると、

 セリナがユークの袖をそっと引いた。


「みんな、ユークのことを警戒しているの」


「英雄として扱われているんじゃなかったのか?」


「そうよ。でも……

 “核の力”を受け継いだ存在が、

 この国にとって“脅威”になるかもしれないって思っているの」


 ユークが腕を組む。


「だからって、こんな目で見るのか」


「それだけ……

 ユークが持つ力が“別格”ってこと」


 その時——


「ユーク殿」


 王国の将軍の一人がユークに歩み寄った。

 鋭い目つきの男だ。


「昨夜の事件……

 本当に“核”に由来するものではないのか?」


「……違う」


 ユークが即答すると、

 将軍がさらに顔を近づける。


「“核”の力を持っているあんたが、

 国にとって“脅威”になる可能性もある」


「脅威になるつもりはない」


「証明できるか?」


 ユークが剣の柄に手を添える。


「……俺に試すつもりか?」


 将軍の目が一瞬だけ鋭く光ったが、

 すぐに苦笑した。


「……冗談だ」


 将軍が立ち去る。


「やれやれ……

 完全に信用されてないな」


 ユークがため息をつく。


 セリナが不安そうにユークを見上げる。


「でも……

 ユークなら、きっと皆を納得させられるわ」


 ユークが微かに微笑む。


「そうだな」


 その夜——


 ユークは王宮の庭園で夜風に当たっていた。


「……やっぱり“核”を受け継いだことが

 問題になっているか」


「ユーク」


 ユークが振り向くと、

 セリナが月明かりの下に立っていた。


「眠れないのか?」


「ユークこそ」


 ユークが苦笑する。


「……少し考え事をしてた」


 セリナがユークに近づき、

 そっとその腕に触れる。


「大丈夫よ。

 私はユークを信じてる」


 ユークがセリナの手を握る。


「セリナ……

 お前がいるなら、大丈夫だ」


 セリナが微笑む。


「私はユークを支えるわ。

 ずっと、あなたの隣にいるから」


 ユークが微かに笑う。


「ありがとう……セリナ」


「それにしても……

 昨夜のフードの男、一体何者だったんだ」


 ユークが剣の柄を撫でる。


「核の力とは別の魔力を持っていた」


「でも……王国にはそんな存在はいないはずよ」


「だとしたら——

 “外部”の存在か」


 その時——


 ——カツ……カツ……


「!!」


 ユークが剣を構えると、

 庭園の奥から黒いフードを被った人物が姿を現した。


「お前……!!」


「ふふ……

 いい目をしているな、“英雄”」


 ユークの目が鋭くなる。


「何が目的だ」


「目的?

 それは“お前の力”を確かめることだ」


 フードの男が微かに笑う。


「お前が“核”を受け継いだ時から——

 すべては始まった」


 ユークが剣を抜く。


「……俺を試すってのか?」


「……いずれな」


 フードの人物が霧のように消える。


「待て……!」


 ユークが駆け寄ったが、

 すでにフードの人物の姿はなかった。


「ユーク……」


 セリナがユークに駆け寄る。


「無事……?」


「問題ない」


 ユークが剣を収める。


「だが……

 “あいつ”の狙いがわかった」


 ユークの目が青く光る。


「俺が“核”の力を持っている限り——

 戦いは避けられない」


 セリナがユークの手を握る。


「……大丈夫。

 私はユークを信じてる」


 ユークが微かに微笑む。


「……必ず、終わらせる」


読んでいただきありがとうごさいます!

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