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第37話 『核の継承、現実世界へ』

 ユークの手が核に触れた瞬間、

 体の奥底に圧倒的な魔力が流れ込んできた。


 ——ドクン……ドクン……


「っ……!」


 ユークが体を震わせる。


 脳内に直接響いてくるような重低音——

 そして、体の中に異物が入り込んでくる感覚。


「ユーク……!!」


 セリナがユークに駆け寄ろうとするが、

 強烈な魔力の波動に阻まれて近づけない。


「……大丈夫だ」


 ユークがゆっくりと目を開ける。


 瞳が青く輝いていた。


「この力……」


 ユークの体に青白い魔法陣が浮かび上がる。


「“核”の力が……俺に適応している……?」


 ユークの体から黒と青の光が溢れ出す。


「……やはり」


 静かに響く声。


 ユークが顔を上げると、

 目の前には観測者が立っていた。


「どうやら“核”は、お前を認めたようだな」


「……認めた?」


「お前に“核”の力を託したということだ」


 観測者がゆっくりと杖を掲げる。


「ならば——お前には選択が委ねられる」


「選択……?」


 ユークが目を細める。


「“核”の力を使って——世界を守るか、

 あるいは世界を破壊するか」


 ユークが剣を握りしめる。


「……決まってる」


 ユークが剣を掲げる。


「俺は——この力を守るために使う」


 観測者の目がわずかに細められる。


「そうか」



 ---


 ユークが剣を構えると、

 剣に青と黒の光が宿る。


「これが……《真なる万能適応》」


「お前は——“空間”と“時間”に干渉する力を得た」


 ユークの体に浮かび上がった魔法陣が輝き、

 空間に歪みが生じる。


「……つまり」


 ユークが剣を一振りすると、

 時間の流れが一瞬だけスローになる。


「時間さえ——俺の意志で支配できる」


「——だが」


 観測者が杖を振る。


 ——ズォォォォン!!


 空間が一瞬にして歪み、

 ユークの動きが一瞬で止まる。


「適応者よ——

 その力をどう使うかは、お前次第だ」


 ユークが無表情で観測者を見つめる。


「……ああ」


「“核”の力を得たお前には——

 これから多くの敵が現れるだろう」


「敵……?」


「深淵を超える力を持つ存在もいる」


 ユークが剣を握りしめる。


「……なら、全部倒すだけだ」


 観測者は微かに微笑む。


「期待しているぞ——“適応者”よ」



 ---



 観測者が杖を下ろし、

 ユークをじっと見つめる。


「これから——

 お前の進む道には、

 数多の試練が待ち受けるだろう」


 ユークが剣を収める。


「それでも——進むだけだ」


「そうか」


 観測者が微かに笑った。


「ならば、お前の未来を見届けよう」


 観測者の体が徐々に霧となって消えていく。


「——観測者」


 ユークが静かに呼びかける。


「……?」


「……また会えるか?」


「可能性はある」


 観測者が最後に微かに笑った。


「その時、お前がどう成長しているか——

 楽しみにしているぞ」


 観測者の姿が完全に消える。


 ユークが剣を握りしめる。


「……行こう」


 セリナがユークに駆け寄る。


「ユーク……」


「終わった」


 ユークがセリナの手を優しく握った。


「帰ろう」



 ---


 ——ゴォォォォォ!!


 空間に白い光が広がる。


 ユークとセリナの体が光に包まれる。


「……戻るぞ」


 セリナがユークの腕にしがみつく。


「ええ」


 ユークが目を閉じると、

 体が浮かび上がる感覚がした——



 ---


 ——ユークが目を開けると、そこは王都の空だった。


「戻った……」


「ユーク、大丈夫?」


 セリナがユークに寄り添う。


「……ああ」


 ユークが剣を握ると、

 剣に宿る魔力が青く輝いた。


「これが——“核”の力か」


「でも……これからどうするの?」


 ユークがゆっくりと立ち上がる。


「簡単だ」


 ユークが剣を掲げる。


「全部——俺が終わらせる」


 セリナが微笑む。


「私も、一緒にいるわ」…


 ユークが微笑んだ。


「行くぞ——新たな未来へ」



読んでいただきありがとうごさいます!

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