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「いらない」と言われた万能スキル、俺が本気で使ったら世界最強でした  作者: 一ノ瀬咲
第一章 追放と覚醒──万能の力が世界を変える時
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第18話 『もう終わった話だ──元仲間との決定的な決別』

 王都の裏路地。

 闇に包まれた石畳の道に、血を流した暗殺者たちが転がっていた。


 ユークは倒れた男たちを見下ろしながら、誰がこの暗殺者を送り込んだのかを考えていた。


 その時——


 カツン……カツン……


 背後から、足音が聞こえた。


 (……またか)


 静かに振り向く。


 そこに立っていたのは——


 「ユーク……ようやく見つけたぞ」


 かつての「勇者パーティー」のリーダー、レオナールだった。

 その隣には、魔法使いのリーナ、聖女のエレナ、そして戦士のガルフもいる。


 「……何の用だ?」


 ユークの声は冷たかった。


 「お前を迎えに来た」


 そう言ったレオナールの目には、焦りと執念が宿っていた。


 「お前がいないと、俺たちは……」


 言いかけて、歯を食いしばる。


 自分たちが、ユークを追放してからどれだけ堕ちたか。

 それを認めるのは、勇者だった彼にとって屈辱だった。


 だが、事実だった。


 ギルドではEランクに降格され、王国からは勇者の称号を剥奪され、戦闘では惨敗を繰り返す。


 そして今、王都ではユークの名前が英雄として囁かれ、自分たちは「落ちぶれた元勇者パーティー」扱いされている。


 だからこそ——


 「ユーク、お前が必要なんだ!」


 思わず、叫んでいた。


 レオナールの声が、王都の夜に響く。


 リーナとエレナも、必死に訴えかける。


 「ユーク、お願い! 戻ってきて!」

 「あなたがいれば、私たちは……!」


 しかし、ユークは彼らを一瞥し、無表情のまま答えた。


 ユークは静かに歩みを進め、レオナールたちに向かって言った。


 「お前たちは、俺を追放した。そうだよな?」


 「……それは……」


 「それなら、もう俺に関わるな」


 冷たく突きつけられた言葉に、レオナールの拳が震える。


 「……違う! 俺たちは、お前を……!」


 「今さら何を言おうが、どうでもいい」


 ユークは淡々と続けた。


 「お前たちにとって、俺は『補助役』だった。それで十分だったはずだ」


 「なら、今の俺は『必要のない存在』のはずだろ?」


 レオナールは言葉を失う。


 だが、それでも——


 「俺は……まだ終わりじゃない……!」


 そう呟くように言った。


 「……勝手にしろ」


 それだけ言い残し、ユークは踵を返した。


 「……俺にとっては、もう終わった話だ」


 その一言で、場が凍りついた。


 レオナールたちの表情が、愕然としたものに変わる。


 「そ、そんな……」

 「終わった話って……そんなの、認めない!」


 だが、ユークの目には何の感情も宿っていなかった。


 ユークが立ち去ろうとしたその時——


 「待てッ!!」


 突如、彼は剣を抜いた。


 「お前が、俺たちより強くなったなんて……認めない!!」


 その目には、嫉妬と焦りが渦巻いていた。


 ——自分たちよりも先に進んでしまったユーク。

 ——誰もが称賛する存在になったユーク。

 ——自分たちが「必要だ」と言っても、冷たく突き放すユーク。


 すべてが、許せなかった。


 「お前が俺たちに従わないなら……力づくででも連れ戻す!!」


 叫びながら、ユークに向かって剣を振るう。


 だが——


 「……愚かだな」


 ガキィン!!


 一瞬。

 ユークはレオナールの剣を、片手で軽く受け止めた。


 そして——


 「これが、俺とお前の差だ」


 次の瞬間、レオナールの剣は粉々に砕け散った。


 レオナールは、呆然と砕けた剣を見つめる。


 「……嘘だろ……」


 ユークは一歩も動かず、ただ静かに言った。


 「二度と俺の前に現れるな」


 そう言い残し、ユークはその場を去っていった。


 残されたレオナールたちは、何も言えずにただ立ち尽くしていた——。




読んでいただきありがとうごさいます!

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