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聖戦回帰/全ては血滲む努力の結果です。  作者: ナノテクミリオン
一章 幼少期編

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第2話 出生直後の超成熟

何度も、何度も。生まれては、眠り。目を覚ましては、再び生まれる。


最初は、ただ泣くことしかできなかった。

目を開けられてもわずか。隙間からぼんやりとした光が見えるだけ。耳に届く声も、意味の分からない音でしかなかった。


けれど、繰り返すうちに、少しずつ変化が現れた。

声が聞こえると、そちらへ顔を向けられる。

目の前で動くものを、目で追いかける。

手足を動かし、周囲の感触をかすかに感じられるようになっていた。


言葉の意味は分からない。

目に映るものが何なのかも、理解できない。

それでも、以前より少しだけ、外の世界に順応できるようになっていた。


<><><>


生まれたばかりの身体が、温かなタオルに包まれた。


濡れた肌を拭われる。

背中をさすられる。

小さな身体に、次々と触れる感覚があった。


「……泣かないわね」

「呼吸を確認して。刺激を続けましょう」


背中をさすられる感触が続く。

それでも、喉から声は出なかった。


「先生、呼吸がありません!」

『■ま■■だ泣■■くな』

「心拍を確認して! 人工呼吸の準備を!」


周囲の声が、一気に慌ただしくなる。

その合間に、聞き覚えのない声が混ざった。


身体を支えられる。背中をさすられる。

何かを顔に当てられ、口元を覆われる。


「マスクを密着させて!」

「はい!」


シュッ、シュッ、と空気が送り込まれる音がした。


「胸の上がりを確認!」

『まだ■■■■だ■■』

「上がりが弱いです!」

「マスクの密着を調整して。換気を続けて!」


大人たちの声が、次々と耳に飛び込んでくる。

身体に触れる感覚も、顔を覆うものの感触も、何が起きているのか分からない。


「いち、に、さん!」

「胸の上がりを確認して!」

「まだ弱いです!」


背中をさすられ、身体が揺れる。

小さな背中に、刺激を与える手が触れた。


『■■■今■■■だ!』


頭の中に、突き刺さるような大声が響いた。


パンッ!


軽く振りかぶった手が背中に当たり、刺激が走る。

それと同時に、耳をつんざくような声が重なった。


びくり、と身体が跳ねる。

突然の刺激と大きな声に驚き、口が大きく開いた。

そして――。


「おぎゃああああっ!」


小さな産声が、部屋いっぱいに響いた。


「泣きました!」

「自発呼吸を確認して!」

「呼吸が安定しています!」


周囲の声が慌ただしく行き交う。

張り詰めていた空気の中に、安堵の色が広がっていった。


「よかった……本当に、よかった……」


母親の声は、安堵に震えていた。


「頑張ったな……よく頑張った……!」


父親の声も、どこか震えていた。

やがて、温かな腕に抱き上げられる。

柔らかな感触に包まれ、すぐそばから優しい声が聞こえた。


「あなた……この子、本当に頑張ってくれたのね」

「ああ……。君も、この子も、本当によく頑張った。よかった……本当によかった」

「永遠《とわ》……生まれてきてくれて、ありがとう」


額に、柔らかなものが触れた。

頬に伝わる温もり。すぐそばから聞こえる、優しい声。


顔を見たいのに、もう目を開けていられない。


「ゆっくり休ませてあげよう。きっと、疲れたんだ」

「そうね……。おやすみ、永遠《とわ》」


身体を包む温もりが心地よい。

声も、音も、少しずつ遠ざかっていく。


私は温かな腕の中で、静かに眠りについた。

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