↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖戦回帰/全ては血滲む努力の結果です。  作者: ナノテクミリオン
一章 幼少期編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/13

第1話 永遠の誕生

第1話 永遠《とわ》の誕生


――2030年4月2日。

病院の一室で、一人の女の子が生まれた。


「おぎゃあ! おぎゃあ!」


小さな産声が響く。

出産を終えた母親は、疲れ切った様子でベッドに横たわっていた。そのそばには、彼女を支えてきた父親の姿がある。

生まれたばかりの女の子は、母親の胸元に抱かれていた。

聞こえてくる声も、触れている感触も、まだ何もかもが曖昧だった。


だが、そのとき。

世界が止まった。


動いていたものが、すべて静止する。

人の声も、物音も、何も聞こえない。


――ザー……ザザッ……。


代わりに、ノイズの混じった声が響いた。


『⬛️⬛️⬛️ ⬛️を見つけ⬛️ ⬛️⬛️たの⬛️⬛️ ⬛️の……』


『⬛️⬛️助け⬛️⬛️⬛️て⬛️らせて……』


途切れ途切れの声。

何を言っているのか、はっきりとは聞き取れない。


『⬛️ ⬛️ ⬛️⬛️ ⬛️⬛️⬛️ ⬛️ ⬛️ ⬛️⬛️ ⬛️』


ノイズが強くなる。

やがて、声は途切れた。

そして――。


「おめでとうございます! 元気な女の子ですよ!」


医師の声が響く。

父親は生まれたばかりの娘を見つめ、震える手で顔を覆った。


「……よかった。本当に、よかった……」


その目から、涙がこぼれ落ちる。

母親もまた、疲れ切った顔で娘を見つめていた。


「あなた……」

「頑張ったな。よく頑張ったな……!」


父親は何度もそう繰り返し、妻の手を強く握った。

しばらくして、母親が小さく口を開く。


「この子の名前……決めていたでしょう。この子に教えてあげましょう?」

「ああ」


父親は涙を拭い、娘の顔を覗き込んだ。


「永遠《とわ》。永遠と書いて、とわだ」


母親は、娘の額にそっと口づけた。


「永遠《とわ》……」


優しい声。温かな手。

私は、母の胸に抱かれていた。

けれど、眠気が訪れる。

泣き声も、少しずつ小さくなっていく。

そして――眠りに落ちた。



















<><><>

第1話 永遠《とわ》の誕生


「おぎゃあ! おぎゃあ!」


産声が響いた。


「4月2日、午前0時32分30秒! ご出産、おめでとうございます!」


聞こえてくる声。

慌ただしい足音。

そのそばで、父親が膝から崩れ落ちた。


「……ああ……!」


両手で顔を覆い、声を震わせる。

出産を終えた母親は、疲れ切った様子で横たわっていた。

それでも、娘の姿を見れば、自然と笑みがこぼれる。

父親はそんな母親の手を握った。


「頑張ったな……。本当によく頑張った……!」


何度も、何度も。

その声は、涙で震えていた。

母親は娘を抱き寄せる。


「あなた……この子が、永遠《とわ》なのね」


父親は頷いた。

母親は小さな額に口づけをする。


「生まれてきてくれて、ありがとう」


温もりに包まれる。

優しい声が聞こえる。

やがて、眠りについた。















<><><>

第1話 永遠《とわ》の誕生


温かい。

柔らかなものに包まれている。

どこまでも心地よく、離れたくない温もり。

けれど、その温もりが少しずつ遠ざかっていく。

身体が押される。

狭い場所を通り抜けるように、少しずつ、少しずつ。

そして――。


「おぎゃあ! おぎゃあ!」


小さな産声が響いた。


「奥様、ご出産おめでとうございます! 元気な女の子ですよ!」


明るい声。

肌に触れる空気。

慌ただしく動く人々の気配。

母親は疲れ切った顔をしながらも、嬉しそうに笑っていた。

生まれたばかりの小さな身体が、優しく抱き上げられる。

温かい手に包まれる。

柔らかな声が聞こえる。


「生まれてきてくれてありがとう」


そう赤子に伝える。

こうして、私は三度目の出産体験を迎えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。