ポリーへの手紙①
リリーベルは親友のポリーにこんな手紙を書いた。
親愛なるポリーへ
やあ、元気にしてるかい。
ぼくは新しい生活にやっと慣れてきたところだよ。
ミッションスクールは都会の学校だけあって、勉強も前の学校より進んでいるし、規則も色々多くてはじめは戸惑ったけどね。そもそも、前の学校にはアルカナの子供がいなかっただろ? 彼らがホウキで通学する姿をはじめて目にした時は驚きだったよ。
でもこっちの学校に来ても思うのは、どんな優等生でも君ほど本を読んでいる人はいないだろうってこと、君は賢いってことだ。
ポリー、君が初等部で学校を辞めてしまったのを僕は今でも残念に思っているよ。君のお父さんには、自分の子供がすばらしい人間だってことをもう少し理解してほしい。僕がここで文句を言っても何にもならないけど……。
いつか言っていたね。僕たち《繭持ち》の不思議を解き明かしたいって。僕たちの性質の解明はストップしているけど、もし君が研究者になれたら……僕は喜んで君の研究に協力するつもりだよ。君を信じてるからね。だから君も君を信じて夢を諦めないで。
そういえば最近からだの具合はどう? 僕は相変わらず男の子と女の子を行ったり来たりしてるよ。父さんは時期が来たら自分がどっちになりたいのかちゃんと分かるっていうけど、今はまだよく分からないや。ポリーはどうなの?
あ、そうそう、さっきホウキの話をしたけど、ここのところ毎日、空を飛んで学校に通っているんだよ! ……何言ってるだろうって思うだろ? 実は最近、アルカナの女の子と友達になったんだ。彼女が毎朝、学校まで送ってくれるんだ。空の上の通学だ。でも正直まだ飛ぶのはおっかないかな。
アルカナ嫌いの君にこんな報告するのはどうなんだろうって迷ったけど、親友の君には隠し事したくないからね。大丈夫、彼女はとても優しい子だよ。彼女のことは次の手紙で詳しく書こうと思う。それじゃまた。
―――リリーベル




