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第一章:戦場の中で 第三話「第5次中東戦争」

楽しいと感じてくれたら幸いです。


2050年3月某日 第5次中東戦争勃発。


以前から軍備を整えてきたイランが連合軍を結成し、サウジアラビアに宣戦布告をした。それに対してサウジアラビアは徹底抗戦を決断した。サウジは、国王であるカイレン王が病で倒れて以来、第一皇子であるルー皇太子が政務を行ってきたが、彼が国王代理の職に就いてから僅か2年の出来事であった。そのため、サウジアラビア国内が、ルー皇太子派閥とラー第二皇子派閥で対立していたこともあり纏まりきらずイラン・シーア派諸国連合軍の攻勢に防戦一方となった。そして、開戦から三か月後、対応に遅れたサウジは首都リヤド近辺まで連合軍の接近を許してしまう。これに対して、世界安全機構「Guardians」はサウジと連合軍の盟主であるイランに武装解除をするように勧告した。しかし、イランがこれを拒否。勧告の二日後には、連合軍がサウジの首都防衛戦線を破竹の勢いで崩していくことになる。これで、世界各国の要人は、サウジの首都は持っても半年であり、イランとイランに協力するシーア派の中東の国々がサウジを倒し、中東を制するだろうと考えていた。


2050年7月、「リヤド陥落作戦」がイラン・シーア派諸国連合軍によって開始された。

この作戦で、イラン・シーア派諸国連合軍は20万規模の軍を投入。サウジは3万で首都防衛を行った。およそ6倍以上。圧倒的戦力差である。


しかし、2050年10月、世界に激震が走る。作戦の結果はイラン・シーア派諸国連合軍の大敗であったのである。今作戦で、5万の戦死者、1万の負傷者を出したイラン・シーア派諸国連合軍は敢え無くサウジの国境付近まで撤退。それに対して、サウジの損耗は軽微であった。戦争は膠着状態へと入った。


この事態を引き起こしたのは、世界でも最強の部類に入ると言われる傭兵部隊である。

その部隊の名は「スネーク部隊」という。


「スネーク部隊」とはサウジの国王代理であるル―に雇われる傭兵部隊である。この部隊は多国籍で僅か8人の構成員で活動している。リヤド防衛戦時には、8人の内6人が現場で軍を指揮し、残り2人は後方で衛生兵やハッカーとして臨んだと言われている。スネーク部隊の指揮のもとサウジの軍は勢いづき、イランの同盟国であるイラクの領土内まで戦線を上げ、膠着状態に持ち込むことに成功した。


「スネーク部隊」が戦場に現れて以来、両軍ともこの部隊を畏怖し、軍内では「〝ヘビの腕章"を見た者は生きて帰ることはできない」という噂が広まったという。

また、「スネーク部隊の構成員の中でも、"白い髪”を持った者には気をつけろ」という噂も広まった。

後にこの白髪を持った一人の隊員は「死神」と言われるようになる。


第5次中東戦争は10年間続いたが、この10年間、戦場では「スネーク部隊」の名と「死神」という名が噂され続けた。


そして、10年間で軍人400万・一般人100万の戦死者を出した戦争は、2060年1月に起こった「ジャガーズハント事件」という事件の2か月後に終戦することになる。この事件以降、「スネーク部隊」と「死神」の名は戦場では聞かなくなるのであった。


ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

2049年12月某日深夜 イラク領土内「ユーフラテス戦線中部」


「おい!聞いたか、この前の話・・・」

「あぁ、聞いたとも、"死神"が出たってな。」

「そうなんだよ、ここから南のナジャフ要塞で大暴れしたそうだ・・・」

「・・・やっぱり負けたのか?」

「そうだ、イラン軍が増援に駆け付けたようだが、現場に着いた時には既に終わっていたそうだ。」

「ちっ!役立たず共め!我が国を緩衝地帯として戦っているくせに、何の役にも立っていないではないか!」


ここはイラクのユーフラテス戦線の中部に位置する「ファルージャ砦」である。この砦は、強固な守りで固められており、難攻不落の砦として名高い。そして、二人の兵士が寒い外の中で会話をしている。雪が降っているが左程勢いは強くなく、積もるほどでもなかった。


「おい!声が大きいぞ!----上の奴に聞かれたらどうするんだ。」


そう一人の兵士が言うと回りに人がいないか確認した。


「文句の一つぐらい言ったってバチはあたらんだろう!」

「落ち着け!----少しは冷静になってみろ。ただのイラン軍が間に合っていたとしても〝死神"が率いる隊に敵うと思うか?奴は、戦闘力だけでなく指揮や統率能力も尋常ではないという噂だ。スネーク部隊員の一人一人が歴戦の猛者ではあるが、その中でも〝死神"は特出していると言われているんだぞ。----特殊部隊を揃えない限り敵うまい。」

「----それもそうだが、やるせないだろう!それに、次の狙いはユーフラテス戦線の要衝であるここファルージャ砦だろ! バケモン相手に戦わなきゃならないんだぞ!」

「確かに、相手はバケモンじみてる。だが、ナジャフ要塞の時とは違い、我が国の精鋭部隊や最新鋭の警備設備がここファルージャにそれっているんだ!いくら"死神"でも突破できるほど生易しいものではないさ。」

「----だといいんだが。」

「おい!静かに!----何か聞こえてこなかったか?」


すると、二人が話している間に物音が聞こえてきた。彼らは警戒態勢に入り、辺りを調べ始めた。

そして、物音が聞こえた場所にたどり着いたが何もおかしな点はなかった。不思議に思っていると・・・


「グフッ!」

「おい!どうした!----グハッ!」


すると、暗闇からナイフが現れ二人の兵士の喉元に向かっていった。完全に二人の死角から襲い掛かったナイフは二人の喉元を見事に切り裂いた。二人は糸が切れた人形のように倒れた。


「危なかったっすね・・・」

「おい!気をつけろ!新人!」

「っつ!----すいません!先輩!」


突然、何もないように見えた空間から二人の兵士が現れた。素顔は黒い布で隠されている。


「ちっ!完全ステルス迷彩のバッテリーがあと10%しかない。中古品にしちゃぁ大分持った方ではあるが・・・」

「そりゃ、9年以上も戦争してりゃぁ配給に偏りがでますよ~。」


彼らは、スネーク部隊員である"死神"の配下であるサウジアラビアの兵士だ。サウジでは、スネーク部隊8人、一人ひとりに兵士を割り振ることで8つの軍団を構成し、各地の主要な戦線を維持させていた。その8つ軍団の中で最も恐れられている軍団がこの"死神軍団"と呼ばれている部隊である。そして、死神軍団は現在、ここフャルージャ砦の制圧及び破壊工作を遂行中である。


「おい!ごちゃごちゃ言ってる暇はないぞ!早く隊長に連絡しろ!」

「やべ!----こちらブラボー06。ブラボー01、応答されたし。フェイズ2を完了した。これから、フェイズ3に移行する。」


『----こちらブラボー01。----了解した。フェイズ3に移行し、3分以内にフェイズ3を完遂せよ。----アウト。』


「了解、直ちに取り掛かる。----アウト」


サウジの兵士の一人が小型通信機を使い、連絡をした。連絡が完了すると二人は作戦を遂行すべく移動を開始した。


「あと、1分です。先輩!」

「あぁ、もう少しでこっちも設置完了する。----設置完了。連絡してくれ。」

「うっす!----こちらブラボー06。フェイズ3を完了した。次の指示を求む。応答されたし。」


『----こちらブラボー01。各員、作戦エリアを離脱後、部隊に合流せよ。----アウト。』


「了解!直ちに離脱し、合流する。----アウト!」

「----よし。新人、離脱するぞ。」

「うっす。先輩。」


二人は、迅速な行動をし、各自の役割をこなした後、その場から脱兎の如く去ってゆく。

そして、彼らが部隊に合流する頃には、砦からは爆発音がし、黒い煙を出していた。



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