001
「………。」
『………。』
「………………。」
『………………。』
「………………………。」
『………………………。』
俺、赤真雄一とアドバイザーことアディはダンジョン第4階層の謁見の間で無言のまま作業に没頭していた。
いや、この表現は適切ではないな。
作業に没頭しているのは俺だけでアディはそれを見守っていた。
俺は目の前に表示されたウィンドウを操作して「ああではない。こうでもない。」と頭を悩ませていたのだ。
何をやっているのか?
その説明は単純だ。
新しく作り出したダンジョンの第3階層をデザインしているのだ。
俺がこの世界に来てから早いこと1年が経過した。
その時間は決して短いものではなかったが過ぎてしまえばあっという間と感じるだろう。
しかし、今思い起こしても色々のことがあった。
ダンジョンを作ったこと。
魔物と戦ったこと。
冒険者を殲滅したこと。
どれもこれもがただ楽しいだけの思い出では無かったがそれでも終わってみればいい思い出だと思えるのだから時間と言うのはすごいと思う。
そしてそれはきっとこれからも続いていってほしいと願う。
未だ1年なんだ。
ここに連れてこられた日本人に課せられたタイムリミットは10年。
まだその10分の1しか経過していない。
当然、俺にとってはこれからの9年の方が危険極まりないだろう。
その9年を過ぎたときにいい思い出だなんていえないかもしれない。
そもそも9年後に生きているかは定かではない。
生きていたいとは思うが………。
それでも今この時はここに至るまでの思い出をいい思い出だと言えることを素直に喜びたいし、これからもそうであってほしいと願うのであった。
いや、してみせる。
俺は俺の力でこれからの魔王生を良いものにしてみせると誓おう。
声高らかにとは言わないが、それでも心の中でそう強く思うのであった。
さて、それを実現するためには力が必要だ。
今でこそ魔王として相応しいだけのステータスを持つに至ったが未だ力は足りない。
俺の望みを叶えるためにはまだまだ足りないのだ。
きっと足りることなどないのだろう。
欲望なんて言うものは際限のないものだ。
それを満たすために力はあっても満たされることは無い。
だからこそ俺は力を求める。
それは単純にステータスに現れるような力だけではない。
ダンジョンの力。
そう、個の力ではなく軍勢としての力が必要なのだ。
そのためにはダンジョンを大きく、そして凶悪にしていく必要がある。
そうこうしているうちに第3階層のデザインも大詰めを迎える。
後はこうして、こうして………。
完成だ!!。
「できた。」
『マスター、ようやくできましたか?』
「おう。力作だ!」
『それはおめでとうございます。で、どのようなデザインにしたのでしょうか?』
「こんな感じだ。」
俺はそう言って手元にホログラムのウィンドウのようなものを表示し、そこにダンジョンの風景を表示する。
俺のダンジョンは1年かけて第4階層まで増えた。
第1階層………大迷宮。
半径100kmの空間に10階建ての迷宮を作り出している。
最初の冒険者の襲撃時にはまだなかった罠の類も大量に設置し、今ではそうやすやすと突破されることは無いだろう。
配置した魔物はスライム系。
第2階層………大草原。
ダンジョンは異界であるため必ずしも第1階層のように部屋のようにする必要はない。
この階層では見渡す限りの草原と言う自然環境を作り出した。
草原にはウルフ系をはじめとする多種多様な動物系の魔物を配置している。
第3階層………廃都市。
第2階層同様に屋外型の階層であるがこちらは人工物だ。
イメージしたのは古く滅んでしまった石造りの都市。
その都市に配置した魔物はゾンビやスケルトン、リッチと言ったアンデット系の魔物だ。
第4階層………謁見の間+居住区画
この階層は以前の第2階層にあった謁見の間と居住区画だ。
魔物は存在しておらず。
いるのはただ玉座に君臨する俺だけだ。
そう。
このダンジョンのデザインでわかる通り1年の間に俺はスライム以外の魔物も生み出すことができたのだ。
言ってしまえば当たり前なのだ。
ランダム召喚なのだからスライム以外だって召喚される可能性は十二分にある。
むしろあれだけスライム系の魔物が続いたことの方が驚きなのだ。
俺が召喚した魔物の中で特に強い、いわゆるアタリの魔物はこいつらだろう。
====================
スー / レベル1
種族: エンペラースライム
HP : 109,040/109,040
MP : 8,160/ 8,160
ステータス:
攻撃力 : 29,950
防御力 : 64,010
魔法攻撃力: 990
魔法防御力: 51,870
器用度 : 1,120
敏捷度 : 22,220
スキル:
・王者の風格
・変幻自在の体
・消化
・縮小化
・物理攻撃耐性(大)
・魔法攻撃耐性(大)
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====================
/ レベル1
種族: リトル・フェンリル
HP : 64,540/69,040
MP : 53,530/53,530
ステータス:
攻撃力 : 12,780
防御力 : 9,370
魔法攻撃力: 11,520
魔法防御力: 10,500
器用度 : 9,630
敏捷度 : 16,490
スキル:
・王者の風格
・威圧
・神速
・咆哮
・大軍勢の指揮者
・風精霊の加護
====================
====================
/ レベル1
種族: エルダーリッチ
HP : 32,100/32,100
MP : 94,670/94,670
ステータス:
攻撃力 : 500
防御力 : 610
魔法攻撃力: 42,030
魔法防御力: 30,990
器用度 : 16,540
敏捷度 : 2,420
スキル:
・不死者
・死の気配
・魔道の極み
・原初魔法
・古代の叡智
====================
どいつもこいつも上位種だから、らしいがレベル1の魔王よりも強いってどういうことだよ。
正直こいつらの強さを見ると自信がなくなる。
この世界、魔王よりも人類にとって脅威となるものがあるんじゃないのか?
こいつらは当然レベルも上げてそれぞれ第1階層、第2階層、第3階層を任せている。
これで俺のダンジョンは安泰だ。
当然これらの魔物以外にも多くの魔物を抱えている。
これらの魔物が守ってくれているからこそこの1年で何度かあった冒険者の襲撃で俺は一切表に出ることなく殲滅することができた。
俺を素直に嬉しいと思う気持ちと少し寂しいと思う気持ちがある。
何故なら俺だってこの1年で強くなったからだ。
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赤真雄一 / レベル39
種族 : 魔王
クラス: 魔王
HP : 2,312,090/2,312,090
MP : 2,565,000/2,565,000(2,693,290)
ステータス:
攻撃力 : 244,310
防御力 : 230,580
魔法攻撃力: 278,850
魔法防御力: 221,610
器用度 : 189,380
敏捷度 : 244,760
スキル:
・魔王の肉体
・ダンジョン作成
・アドバイザー
・原初魔法
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これが今の俺のステータスだ。
レベル1の時と比べて100倍以上を誇る今のステータスはアディ先生曰くグレータードラゴンどころかエルダードラゴンにさえも匹敵すると言われている。
これだけのステータスがあればそうそう勇者に後れを取ることは無いだろう。
いや、それでも歴代の勇者はこれ以上になることもあったらしいが………。
歴代の勇者も魔王も怖すぎるだろう。
このステータスでも十分に世界を蹂躙できそうなのにそれを超えるステータスを持っていたなんて………。
なんでこの世界滅んでいないんだろう?
………閑話休題。
とにもかくにもこうして1年をかけて俺は地盤を強固なものにしてきたのだ。
それは石橋を叩いて渡るかのごとき作業だった。
十二分に注意を払ってこれだけの強さを手にした今俺は物足りなさを感じていた。
「暇だな………。」
『唐突にどうしたのですか?』
「いや、最近冒険者の襲撃も無いし、あったとしても魔物だけで殲滅できるだろ?だから俺が戦うことも無くて暇だなって思ったんだ。」
『それは安全と言うことで良いことだと思うのですが………。暇ならダンジョンの拡張でも続けたらどうでしょうか?まだ、MPには余裕がありますよね?』
「いやー、ダンジョンの拡張はついさっき第3階層を作ったばかりだから今しばらくはいいかなって。」
『では外で魔物狩りでもしてはいかがでしょうか?』
「外か………。」
アディにそう言われて俺は外の風景を思い出す。
岩と土だらけの大地に点々と草木が生えた不毛の大地。
そこに生息する強力な魔物たち。
そしてその先い見えた灰色の石の城壁。
「そうだ町へ行こう。」
『………はい?』
「だから町に行こう。不毛の大地の先に城壁みたいのが見えたからその先に行ってみようと思う。」
どことなく呆れられているような目でアディに見られている気がする。
目なんてないけど………。
「町行くのは駄目かな?」
『駄目ではないですが、行っても何も得はありませんよ?』
「得とかじゃなくて、単に暇つぶし?こうしてダンジョンにだけ籠っているよりは楽しそうだしさ。」
『………。』
アディが黙ってしまった。
あれ怒らせた?
それとも呆れ果てているのかな?
俺は恐る恐る口を開く。
「駄目かな。」
『いえ、駄目ではありません。決めるのはマスターです。私はその時その時の最適解をアドバイスするのみです。』
「そう来なくちゃ!」
俺は喜び勇んで玉座から腰を上げた。
しかし、そこで待ったがかかる。
『マスター、お待ちください。』
「ん?」
俺は腰を上げた姿勢でアディの言葉に耳を傾ける。
酷く滑稽な姿だ。
『町に赴く前に不毛の大地周辺の地理について説明させてください。』
「あー、確かにそれは重要だな。うん、お願いします。」
俺はそう言うと再び玉座に腰を下ろした。
今までは自分のことで手いっぱいだったが遂に外に目を向けることになるのかと内心ワクワクが止まらなかった。
「じゃあ、さっそく地理について教えてくれ。」
『さて、まずこの世界は1つの大きな大陸と1つの島に10の国が乱立しています。と言っても人間国家に認められているのは8つのみですが。』
「それは、なんで?」
『10の内2つは魔王が納める国だからです。そのため人間の国ではそこを領地として認めていません。しかし、実質的に支配しているのが人間ではないためここでは1国家として話を勧めさせていただきます。』
なるほど、魔王が納めている国は国家として認められていないのか。
なんとなくわかるぞ。
魔王は人類の敵だからこそ認められないんだな。
もしも俺が国を主張してもそれが認められることは無いのか。
まあ、そのつもりはないからいいんだけどね。
どうでもいいが魔王の国家って2つもあるのか。
それとも2つしかないのか………。
魔王って俺以外に何人いるんだっけ?。
そんなことを考えている間もアディの説明は続いた。
『さて、世界にはこれら国とは別に魔物の領域………通称、魔境と呼ばれる場所があります。この大陸上で特に危険な魔境は4つ。その4つを指して四大魔境と呼ばれています。』
アディは一度言葉を区切り、俺が話についてきていることを確認すると再び話し出した。
『天に届きうるほど高い山々とそれを取り囲む永久凍土の大地、活発な活動を続ける火山、緑の木々が生い茂る深い森、そして岩と土だけの大地。それぞれが天衝く山脈、火の灯る山、大森林、不毛の大地と呼ばれています。』
「え?不毛の大地ってここだよね?ここってそんなに危険なところだったの?」
『はい。その通りです。過酷な環境だけでなくここに住む魔物は大陸でも屈指の強さを誇ります。』
アディのその言葉に冷や汗が出る思いをする。
あれ?
何も考えずにバンバン魔物と戦っていたけど結構危険だったのかな?
最初はともかくそれ以降は安全にステータスが整ってから戦った様に思っていたけどそれもぎりぎりだったのかな?
『何となくマスターが心配されているようですので補足しておきます。確かにこの不毛の大地に住む魔物は強力ですが今ではその多くはマスターの敵ではありません。今までだって苦戦らしい苦戦は最初の1回だけでしたでしょう?』
「うん。確かにそうだね………その多くは、ってことは俺よりも強い魔物もいるの?」
『確かに今のマスター以上の魔物もまだ残ってはいますが数は少ないためそうそう出会うことはありません。また、そう言った魔物は知能も高いためであって即戦闘とはならないかと思います。』
なんかそれはフラグのような気がするが今は気にしないでいよう。
気にしたらはげる。
魔王の肉体ってはげるのかな?
『話を続けさせていただきますね。』
俺が馬鹿なことを考えているとアディがそう言って話始めた。
『この四大魔境の中でも不毛の大地は最大の大きさを誇ります。その広さは残り3つの魔境を合わせても足りないほどです。』
「ほか、がどれくらいの大きさなのか分からないから不毛の大地がどれだけ広いのかも分からないんだけど………。」
『だいたい端から端までで4,000kmあります。』
「え?」
端から端までで4,000km。
それは元の世界で言うとアメリカ本土の広さに匹敵する。
それほどまでに大きいのか?
マジで?
俺がアディのその言葉に唖然となっている間もアディは話を続けた。
『それだけ広大な魔境に対して人が住む町があるのは不毛の大地の外縁部に限られます。マスターのダンジョンが不毛の大地の中心部近いことを考えるとその距離はとてつもなく離れていることがわかるでしょう。』
確かにアディの言う通りだ。
端から端までで4,000kmと言うことは中心部から外縁部への距離は当然2,000km。
元の世界基準でで考えるとその程度の距離を移動するのは何でもないかもしれない。
しかし、この世界では移動手段が整えられているとは思えない。
そんな中でこの不毛の大地を移動すると考えると気が遠くなる。
何度か冒険者の襲撃を受けたが彼らはこれだけの距離を移動してきたのかと感心するのであった。
あれ?
でも、そうすると何であの時石の壁が見えたのだろう?
2,000kmも離れていると普通は見えないはずだろう?
「なあ、以前丘に登った時に遠くに石の壁が見えたんだけど、あれは町じゃないのか?」
『はい。おそらくマスターが見たのは不毛の大地の魔物が外に出ないように監視、防衛するための拠点だと思われます。そのため町ではありません。』
「なるほどそうなのか。」
あれは町では無かったのか。
少し残念に思う。
『話を続けさせていただきますね。さて、次に不毛の大地周辺の地理について説明いたします。』
遂にこの辺の地理についての説明のようだ。
これはしっかりと聞いておかないと。
いや、別に今までの説明だってしっかり聞いていたよ?
ほんとだよ?
誰に対して言い訳しているのか分からないがそんな俺の心の声を無視してアディは言葉を続けた。
『不毛の大地は2つの国に跨るようにして広がっています。この大陸上で最も広くを支配しているレンフィスト帝国、そして高い技術力を誇るバリエ公国です。1つずつ説明いたします。』
そう言うとアディは1度言葉を区切った。
しばし考えこむように黙り込み意を決したように口を開いた。
『レンフィスト帝国は先ほども申し上げた通りこの大陸でもっとも広い領地を持ちます。その広さは大陸の西側半分の殆どを納めています。目立った特産品はありませんが高い軍事力を誇り、その軍事力を他国に貸し与えることで外貨を得ています。魔王との闘いでも多くの軍を派遣しています。』
帝国は軍事力の国。
なんかそう聞くと怖い国みたいだな。
近寄らんでおこう………。
いや、不毛の大地が帝国に接している時点で関わらないなんてことは無理なのかもしれないけど、それでも自分からそちらに行くようなことは控えたほうがいいかもな。
『次にバリエ公国につきましては、こちらは高い魔法技術を誇る国になります。特にここ数年は機械化技術も発達しており新しく魔法機械と呼ばれる技術まで生み出されています。』
魔法技術が高いというのは面白そうだ。
特に魔法機械なんてロマンの塊ではないか?
これは是非とも行ってみないと。
『マスターが見た石壁は帝国側が設置している不毛の大地監視用の要塞のものとなります。当然、その石壁を越えてさらに西へ行けば帝国の町にたどり着けます。』
「バリエ公国に行く場合はどうしたらいいんだ?」
『バリエ公国は帝国とは反対側となります。そのためダンジョンを出て東側に行けばバリエ公国の町へたどり着けるでしょう。』
ダンジョンの西にレンフィスト帝国。
ダンジョンの東にバリエ公国。
うん覚えた。
バリエ公国の方が魅力的だな。
レンフィスト帝国は怖い。
なんか魔王と言うだけで殺されそうだ。
いや、人類からすれば魔王は敵なんだからバレればどの国でも殺されるだろう。
俺がそんなことを考えているとなおもアディは説明を続けた。
『また、途中バリエ公国の領地を経由しますがダンジョンを出て北に言った場合、エルンスト都市国家にたどり着けます。』
「エルンスト都市国家?」
『はい。この国は単一の都市のみで国家を形成しています。おもな産業や見どころの無い小さな国です。実質的には帝国の属国となります。』
エルンスト都市国家ね。
んー、見どころ無いなら特に行く必要はないかな?
これでダンジョンの東西北はわかった………。
「ダンジョン出て南には何があるんだ?」
『ダンジョンを出て南には不毛の大地が広がっているのみとなります。その先は大陸の外。つまり海ですね。そちらはあまりお勧めできません。』
「あー、確かに何も国が無いならわざわざ行く必要は無いか………。」
『それだけではなく不毛の大地南は特に危険地帯となります。先ほど申し上げたマスター以上の強さを持った魔物も不毛の大地南に生息しています。』
「ああ。」
うん、それは危険だ。
絶対に行かないでおこう。
俺はそう決心するのであった。
「帝国側の町と公国が側の町ではどっちの方が近いんだ?」
『はい。帝国側で一番近い町はドイル、公国側の一番近い町はアルカと言います。単純な距離で見るならばアルカの方が近いです。』
「単純な距離で見るとと言うと?」
『帝国側はマスターもご覧になった通り不毛の大地監視用の要塞が所々に点在しています。それらを利用した場合はアルカに行くよりも旅は楽になるでしょう。』
なるほど。
確かに要塞で休むことができるなら町までの旅は楽なものになるだろうな。
しかし、俺は要塞を利用することはできるのか?
俺がそんなことを考えているとアディは再び口を開いた。
『要塞を利用する場合は身分を証明する手立てが必要となります。マスターの場合はそれが無いためこの手段は考えなくてもいいかと思います。』
「何だそうなのか………。」
『はい。』
じゃあ、単純に距離で選ぶか?
まあ、帝国よりは公国の方が面白そうだしそっちに行くのはやぶさかではない。
問題は距離が短いと言っても相対的な話で歩くとなると相当大変だということだ。
飛行機みたいに飛んでいけないだろうか?
………あれ?
「なあ、魔法で飛んでいくことってできないのか?」
『マスターの魔法力をもってすれば問題なく実行可能です。』
おおおお。
俺は飛べるのか。
初めて知ったぞ。
そうか、飛んでいけばいいのか。
それなら距離は関係ないな。
よし………。
「じゃあ、飛んでいこう。」
『はい。行先はどうしますか?』
「アルカにしよう。近いんだろう?」
『飛んでいくなら大した差ではありませんが確かにドイルよりはアルカの方が近いです。』
「じゃあ、決定だ。」
俺はそう言うと玉座から立ち上がった。
そしてダンジョンの出口目指して歩き出す。
未だ見ぬ人の町に期待で胸を躍らせながら。
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