コンテスト当日
それにしても昨日のサムライの集団は凄かったな。
私はあの人達のことが気になり、旅館の人達にサムライのことを聞いた。
彼らは『聖天衆』と呼ばれる、ジャカン政府直属のエリートサムライ集団だという。
トワイザランの騎士団のような存在なのだろう。
と言いたいが、それを言うとまたジークにトワイザランとジャカンでは実力が違いすぎるとバカにされるから、このことはジークには伝えなかった。
旅館から外に出ると、街中は昨日の騒動なんか何もなかったかのようにお祭り騒ぎだ。
至る所に屋台がたくさん出ており、いろんな種類の、見たことのない食べ物が売られている。
科学技術コンテストの日は『科学技術の日』という祝日になっていて、学校なども休みらしく、子供もたくさんお祭りを楽しんでいた。
街中には特設のテレビが設置されていて、離れた場所のコンテスト会場の光景が見られるようになっていた。
聞くところによると、このテレビもユウナさんのお父さんが開発したものらしい。
私達はユウナさんを応援しようと会場まで足を運んだ。
科学技術コンテストの会場は屋外の広場にあり、舞台の脇には巨大なテントが張ってあり、その中には100人を超える科学技術者が様々な装置や機械をスタンバイして発表の時を待っているらしい。
その会場の周りには1万人を超える観客が集まっていた。
テレビを見ていると、科学技術者の代表として、ションさんが開会の挨拶をし、その後コンテストの発表の順番が告げられた。
ユウナさんは11番目だ。
「ユウナ、けっこう最初の方だな!
ちょっと控え室に様子を見に行こうか」
というジークの提案で、ユウナさんを応援しに控え室に行った。
控え室には多くの科学技術者達が、発表を控えて最終調整やプレゼンテーションの練習をしている。
控え室の隅の方にユウナさんを見つけた。
他の科学者と同様に、装置の最終調整を行っているようだ。
「調子はどうだい、ユウナ?」
ジークが聞いた。
「まぁ、問題ないわ。自信はあるわよ」
ユウナさんは装置をいじりながら、冷静に言った。
「それにしても、M&Sの方、意外と少ないんですね?」
辺りを見回しても、M&Sの制服を着ている人は少なく見えたので聞いてみた。
「ええ。この大会は1つの会社や団体からは10名までしか参加出来ないって規定があるのよ。
研究には莫大な資金がかかるから、科学技術者の9割以上は何かしらの団体に所属しているの。
そうやって団体内でも代表権の座をかけて争わせることで、大会全体の質をあげてるのよ」
「なるほど!じゃあユウナさんは1人で研究してるってことは、意外とお金持ちなんですね」
「まぁそれなりにね。山の中じゃ生活にそんなにお金は使わないし、父の残した遺産と研究資材はたくさんあったから。
それをやりくりしてるような感じよ」
「羨ましいなぁ。俺にもそんな遺産があったら、何もしないで毎日ダラダラ過ごせるのになぁ」
ジークの発言を全員が無視した。




