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真相

「正解は馬車に乗る従者です。」


「そ、そうか!確かに従者が残っている。」


「そうです。そしてその時の従者もまたここにいるドルデだったのです。」


「な!?なんですと!!?な、ならあの時の事件もこのドルデが絡んでいたというのですか!?」


「ええ。王都に行く前は、僕自身もドルデを信頼していたので、そんな事に繋がるとは微塵も思わなかったのですがね。そしてそのドルデを従者にしていたガルバドス卿、貴方もこの話に無関係とは考えにくい。」


父さんの一言で会議室にいる貴族達の目線が一気にガルバドスへと集中される。


まぁ、ここまで言われれば、お前が犯人だ!と言われている様なものだからな。


だがガルバドスは今だ余裕の笑みを浮かべている。


「ふっ。どうやらネイブル卿は私を陥れたいようですな。しかし、それにドルデが絡んでいるとは考えにくいのではないですか?ドルデを庇うつもりはないですが、ポイズンワームは急に現れたと報告があったのですよ?偶然、土を移動して現れた先があの場所だったという事で調べはついていたでしょうに。それに私が仮に関係していたとしてもその証拠が無ければ確信には繋がりませんな。」


確かに。こちら側としてはガルバドスの豚が犯人と言うことは分かっていて、仮にドルデが俺達を襲えと命じたのはこのガルバドスと明言したとしても、それは言葉であって証拠とはいえない。


何故なら父さんが脅して無理矢理言わしている可能性だってある訳だからだ。


くっ。あのクソ豚野郎、ここにきてまたイヤミな顔をしてやがる。


だが父さんもその事を分かっているようで次の手にでる。


「貴方の言う通りです。ですが僕は昔から知識欲があり数々の本を読んでいたんです。」


それに対して首を傾げるターニアがたずねる。


「ネイブル卿。それとこれとは関係が‥。」


「いいえ。関係あるのですよ。つまり何が言いたいかというと、あのポイズンワームの生態についてです。僕は昔、王都にある図書館で古い魔物図鑑を手にし、興味本位で読んだ事があるのです。その中には皆が滅多に目にしない珍しい魔物達の生態が詳しく書かれていました。またその中にはポイズンワームの生態までもが記されていたのです。そこで、」


 父さんは席から立ち上がり人差し指を上げ皆の注目をあつめる。


「この事件に対するある疑問点に僕は気付いてしまったのですよ。あのポイズンワームという生物は、基本穴を掘り土の中で寝たり産卵したりとしますが、ワームと言う名が付きながらも実は土の中を移動する性質はありません。また地上を移動するにしてもそのポイズンワームの身体から出る体液が土に触れるだけで土は腐るそうなのです。どうです?お察しでしょうか?」


皆が考える素ぶりをすると、ターニアは気づいたようだ。


「はっ!そうか!その話だと急に現れたりするのは辻褄があわない!」


「はい。そういうことです。」


父さんがそう言うと他の貴族がターニアにたずねる。


「どう言うことです?」


「わからんか?つまりその性質だと、元からあの場所にいた事になる。そうなると、元からあの場所の土が腐っていなければ話が噛み合わないのだ!」


「な!なんですと!!?」


「ターニア卿。正解です。あの場に元からいた存在であれば、既にシャルべ領の半分は持っていかれている筈なのです。という事はあのポイズンワームは人為的に現れたと考えざるえないのです。」


「なんと!!!?し、しかしあのようなAランク級の魔物をどうやって!?」


他の貴族が信じられないとばかりに父さんにたずねると、父さんは胸元からビー玉サイズのガラス玉を取り出した。


「それはコレです。」


父さんの出したもので、ガルバドスの表情が少し険しくなった。


「それは?」とターニアが父さんにたずねる。


「これは僕の留守中に執事であるガルダモにポイズンワームの出た現地をもう一度調べさせて発見した物です。知らない人からすればただのガラス玉の様に見えると思いますが、実はコレ、最近闇市で出回り始めた封魔石という物だそうです。」


その発言に皆がまたざわつくが父さんはそのまま話を続けようとすると、また静まった。


「この石には魔物が封じ込められていて、術者はその魔物を召喚獣として従える事ができるという優れものです。」


「なんとそんな物が!!?で、ではそれが現場に落ちていたと言う事は‥」


「察しの通り。この封魔石によってポイズンワームが急に出現したと言う事です。今回僕達を襲ったウルフもドルデ君の持つ封魔石によるものでした。」


「ではやはりドルデのみが犯人なのでは?」


「確かに。これだけで言えばそう考えますが、この封魔石。【最近】と言った様にまだ世に知れ渡っていないので、やはり価値が信じられない程に高い。またポイズンワームともなれば更に高額になります。雇われる側の者が果たしてそれ程までのお金を支払えるでしょうか?そこに観点を置いた執事、予めウチのガルダモが調べた結果、面白い事がわかりました。」


父さんはガルダモに目を向けると、ガルダモは懐からA4サイズぐらいの紙を取り出し皆に見せると、皆が驚愕する表情を見せた。


何故ならその紙にはガルバドスがポイズンワームの封魔石とウルフの魔風石を買ったという紛れも無い直筆のサインと押印があったからだ。


「な!!?」


ガルバドスの表情にさっきの様な笑みはすでに無い。


「で!デタラメだ!!!これはネイブル卿が私を陥れようという、でっち上げだ!!それに何故ネイブル卿が闇市場の契約書を持っている?可笑しいではないか!!此奴こそ!あの時の真犯人ではないのか!!?」


それを見たターニアがガルバドスに言う。


「ガルバドス卿、見苦しいぞ。あれは紛れもなくガルバドス卿の直筆と押印であろう。」


「くっ!!」


ガルバドスは苦虫を噛み潰したような表情を作り体を震わせた。


「ガルバドス卿。僕を甘く見てもらっては困る。以前から君の屋敷に出入りしていた者は調べ済みで、その者に吐いてもらったのさ。税の横領その他諸々をね。しかし残念ながら大元の情報を引き出す前には自ら命を絶たれてしまったがね。」


その時の父さんの目は冷たく鋭かった。


「く、クソがぁ!!!!」


急にガルバドスはさっきの態度とは打って変わり、額に青筋を立て席から立ち上がった。


「お前がここの領主になってから散々だ!!今まで、‥今まではうまくいっていたのに!!」


その発言に父さんはガルバドスを鋭く見つめた。


「上手くいっていた?ここまでくると呆れてくる。貴方に多種多様な罪がある事は先程申しましたが調査済みです。民間人の弱みに付け入り多額な金額の請求や、利息。自分に都合の悪い人間の排除。放浪する子供を闇市場に奴隷として売り飛ばしたりだ。ポイズンワームの件はおおかた、孤児院を作れば身寄りのない子供達の所在が一箇所に定まり、自分の悪質きわまりない稼ぎ方がバレるのを恐れ、または稼ぎが減る事を嫌ったのだろう?そして、これに関与していた、ここにいる数名にも後で話を聞くので覚悟しておいてください。」


父さんの一言で二、三人の顔色が青くなり口を噤んだ。


するとガルバドスは事あろうに逆上し始め、テーブルを強く叩きつけた、


ガァン!!!


「うおぉぉ!!!!!お前が‥、お前が悪いんだ。お前が此処にさえこなければぁ!!!」


そういってガルバドスは懐から石を取り出した。


「封魔石!?」


「がはははは!!!!こうなりゃどの道、死罪だ!ならここにいる全員、共に道連れにしてくれるわ!!!出でよ!!!


【デビルススネーク】!!!」





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