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ネイブルの推理

「ではこれよりシャルべ領内貴族会議を行う。」


父さんの指揮の元、貴族会議が今始まった。


俺達は姿を消し、レビテーションで会議室の真上から浮いたまま見る形となっていた。


会議室の中は無駄長いテーブルに20人程の貴族達が腰掛け、その一番奥の席に父さんが立ち、その真横にはガルダモと、父さんに仕える騎士も立ち並んでいた。


「まずは今日この場に集まってくれた事を感謝する。今回集まってもらったのは他でもなく、シャルべ領内における闇市違法取引が発覚した事にある。」


父さんの発言に皆がザワつきだす。


 父さんらパンパンと手を鳴らす。


「静粛に!」


父さんの一声で会議室が静まりかえる。


「これは僕にとって非常に残念な事である。また其奴は事あろうに僕に刺客まで送りつけて殺そうとした。」


「な!なんですと!?いったい誰が!!?」


その言葉に一際反応したのは、黒髪、色黒で顎髭をモサモサと生やした角張った顔の男だ。


身体つきも岩の様にゴツい。


年齢は30~40ぐらいか?


そんな風に考えていると、横から小声でランスが教えてくれる。


「ハル。あれがプリスのお父さんだよ。」


嘘ン!?


思わず吹き出しそうになっちゃったよ!


プリスと全然違うじゃん!ってかあの野獣みたいな父からどういう化学変化が起きてこの美少女が生まれるのよ!?信じらんない!


奥さんが綺麗なのか?



「まずは僕を殺害しようとした者をここへ。」


父さんは近くにいたガルダモに目線で合図するとガルダモが頷き、近くにいた騎士に指示を出す。騎士は頷き、会議室の出入り口を開けた。


すると猿轡をつけ、手には鎖を繋ぎ手枷を付けた1人の男が、騎士に連れられ会議室に入った。


その男こそ、俺達を襲った野党の頭領ドルデだった。


ドルデの登場で再度皆がザワつきをみせた。


「な!?其奴はドルデではないですか!?」


「まさかドルデが‥」


なんだ?ドルデはそんなに有名なのか?と不思議に思うと、プリスの父が信じられないとばかりに発言する。


「ネイブル卿。これは誠なのですか?ドルデはシャルべ領の貴族専門従者会に所属する幹部ですぞ。私自身も彼を指示し申し込んだ事もあります。そんな彼がそんな事を‥?」


その表情は少し悲しそうで、それは周りも一緒の様だ。


ドルデはこれ程までに信頼を得ていたのか。


悪党の癖にある意味凄い奴だ。


父さんはその沈黙の糸を切るように発言する。


「皆が悲しむ気持ちは分かる。だがこれは現実に起こった事である。そして僕が留守中に我が家に使える執事ガルダモにある事を調べさせた事でさらに話は繋がる。」


「それはどういう事です?」


「以前から僕達が立てた改革企画案が悉く理由が入り停止となっていたのは皆も知っているだろう?一番近しいもので孤児院施設の設置場所の土から急に大型4メートル級のポイズンワーム出現により土が一気に腐敗させられたりなどですかね? 幸いにもその時、冒険者ギルドに所属するAランクパーティ【セイントクロス】が居合わせた為、難を逃れる事ができましたが‥ねぇ?ガルバドス卿。」


父さんはあえてガルバドスに尋ねるとガルバドスはあたかも自分じゃないとばかりに不適に答えた。


「えぇ、あの時は助かりました。ですが同時に、とても残念な事でもありましたな。」


いかにも白白しい奴だ。彼奴を好きな奴は居ないんじゃないか?


俺の思っている事は置いといて父さんは話を進める。


「あぁ。あそこまで荒らされては施設など到底できない。それに土が回復するまでに時間もかかるだろう。だがあの時、管轄はターニア卿とコリエル卿に頼んでいた筈ですが、何故かその時だけコリエル男爵。貴方だけで管轄を管理していたそうですね?」


父さんは右奥にいた細身で緑色の貴族服を着た男に視線を向ける。

眼はつり目、それに前歯が異様な程前方に突き出ている。


男は目を向けられるなり肩をビクつかせオドオドとし始める。


「は、はは!はい。確かに私がその時管理させていただいておりました。あ、あの時は今思い出しても背筋が凍ります。」


コリエルはその時の恐怖を思い出して、身体を震わせた。


それを見た父さんは確認の為に再度ターニアに視線を向ける。


「ターニア卿。その時は何を?」


「あ、はい!。以前にも言ったとは思いますが、その時は私が管轄する地区にて騒動が起きたとガルバドス卿から直接知らせを受け、自分の地区に戻りそれを解決していました。ですがこれとそれとは繋がりが‥、って、ま、まさか!?」


ターニアはコリエルに視線を向けるとコリエルは肩をビクつかせた。


見るからに何か隠してそうにみえるけど、こんなビクビクした奴が、はたして聞く話程の事をするだろうか?


「わ、私はそ、そそそんな大それた事など!!!」


そのターニアの一言でまた会議室はザワめきだすが、父さんが「静粛に」と言う一言で再度静まる。


「皆さん冷静に考えてみて下さい。その時にその管轄にはもう部外者がいませんか?。」


皆が考え込む表情をすると、ターニアが思い出したかの様にガルバドスを見た。


「ガルバドス卿‥そうだガルバドス卿がその場にいた筈!ガルバドス卿は私を呼びに来て、その後どうなされたのですか?」


ターニアが尋ねるとガルバドスの表情には未だ余裕が浮かんで見えた。


「ふっ。おやおや、それではまるで私があの事件を起こした張本人みたいではないですかね?まぁいいでしょう。私はあの後直ぐに自分の地区に戻りましたよ。」


不敵に片方の広角をあげるガルバドスに対して父さんが付け加える。


「ほう。ですがあの時何故か貴方は馬車で移動していたにも関わらず騎士1人と貴方で歩いて帰っていたという目撃情報を得たのですがこれはどういう意味でしょうか?」


ガルバドスは少し片眉を引きつらせた。


「ふっ。随分と疑っておる様ですな?しかし私は無実ですぞ。運動がてら歩いて帰ろうと思っただけですよ。以前に運動を兼ねてたまには歩く様にとターニア卿に言われたのを思いだしたまでですよ。」


不敵にガルバドスはターニアを見ると、「む、それは確かに話をした記憶はあるが‥」と記憶にある様でターニアの声が小さくなっていく。


すると周りの貴族から最終結末を急かされる。


「ネイブル卿、つまり何がいいたいのです?こんな話では根本がつかめませぬぞ。」


「落ち着いてください。僕は先程2人と言いいました。ガルバドス卿、ガルバドス卿に使える騎士一名。考えてください。もう一名部外者がその場にいると思いませんか?」



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