子供会議
むぅ。あいつが事の発端か。
あいつのせいで皆んなが酷い目にあった。
ってかなんか見るからにムカつく顔だな。
「人は見かけで判断しちゃいけない」って前世で母さんに言われたけど、本当に顔を見るだけで悪者だし、中身も悪者ならもうダメじゃん。
「顔面にウンコ投げつけてやろうか‥」
「え!?」
俺の発言にランスとプータンがギョッとした表情で俺を見ていた。
いかんいかん。思わず言葉を漏らしちまった。
「じょ、冗談だよ。ははは」
笑って誤魔化す俺を見てプータンが小声で言う。
『‥絶対、今の顔は冗談じゃなかったど。』
そんな会話をしていると不意に背後から声がかかる。
「何をそんなに見てますの?」
え?、と3人でその声の方へ目をむけると、ランスと同じ年ぐらいだろうか?ピンク色のストレートミディアムヘアーの美少女が首を傾げ不思議そうに俺達を見ていた。
服装はフリルがそこらかしこについたロリロリのドレスを着ている。
第一印象。超絶女子!!
そんな風に思っていると、ランスの様子が急に慌ただしくなる。
「な!?プ、プリス!!ど、どどどうしてここに!?」
「ふふ。私がいてはダメですの?」
少し悪戯っ子ぽくランスに聞き返すプリス。
「そ、そんな事ないよ!!ぷ、プリスに会えてうれ、嬉しい‥よ。」
ランスの顔が燃えそうな程真っ赤だ。
ははーん。これは、これは、‥むふふふふ。
俺はほくそ笑み、ランスの肩に手を置く。
それに対してランスがこっちを見ると同時に親指を立てニンマリする。
ニンマリ。
「な、何なのさ!」
そんな事をしていると、プリスが俺の存在に気づく。
「あら?そちらはもしかしてランス様の弟様ですの?」
おっと。自己紹介しなきゃだな。
ここは兄のランスを立てるべく冷静に、そして弟らしく、可愛いらしく挨拶するべきだな。
「あ、えっと。‥はい。僕はランスお兄ちゃまの弟のハルでしゅ。よろちくお願いちます。」
ペコッと可愛げのあるように頭を下げると、プリスは目をキラキラ輝かせ俺の手を握る。
「まぁ!なんて可愛いんですの!!小さいのに礼儀も正しいですし、流石はランス様の弟様ですわね!」
くく、上手い具合にいったな。
照れ臭さからか、頭を掻きランスとプータンの方へ目を向けるとドン引きする様な表情で俺を見ていた。
え?何マズッた?
〇〇
「おっほん。この子は学校で同じクラスのプリス・フォン・ターニアだよ。このシャルべ領に住むターニア子爵の令嬢さんなんだ。」
プリスはスカートを少し掴み上げ丁寧に頭を下げた。
「はじめましてですの。プリスって呼んでくださいね。」
プリスはニコっと俺とプータンに微笑んだ。
「所で話は戻しますけど、先程は何を話してましたの?」
その質問にランスが苦笑い気味に誤魔化し返す。
「あ、ああ。別に大した事じゃないよ。」
そりゃ言える訳がないよね。ガルバドスの悪口みたいなもんだしね。
ここは話しを逸らしておこう。
「お兄ちゃまは学校でどんな人なのでしゅか?」
「!?」
ランスは目が飛び出るかの如く目を見開き俺を見た。
だから何だよその反応!?
そんなこんなでプリスを含め会議までの時間を潰した。
勿論その際にプータンが喋れる事にプリスが気づき、驚きの時間もあったがそこは割愛する。
そして現在俺達は会議室の前で揉めていた。
「ハル。だめだよ。盗み聞きなんて。」
ランスが俺を注意するが、堂々と胸をはり言葉を返す。
「気じゅかれなきゃいいんでしゅよ」
「え?」
当然のように答えたからか、ランスは一瞬戸惑うが
「ってそれ!誰が決めたのさ?」
「僕でしゅ。僕はぼく信じる道をゆくのでしゅ!」
その言葉に対してプリスが興味津々な目で俺に共感してくれる。
「まぁ!いい言葉ですわね。それに大人の会議なんて私も興味ありありですわ。」
「ぷ、プリスまで‥。プータン何とか言ってよ。」
『何故オデが!?きゅ、急に話しを振ってくるなど!それにオデは別にどっちでもいいんだど。けど‥どっちかっていえばあのオヤジがどうなるかは見ものかもしれんど。』
プータンがそう言ったので俺が話しをしめた。
「多数決は決定でしゅね。」
「そんなぁ‥。」
ランスが落ち込むのを無視してプリスが俺に尋ねる。
「けど、どうやって盗み聞きしますの?扉が分厚い為、このままじゃ聞き取れませんし‥。」
「ふふふ。プリスしゃま。僕、実は天才なんでしゅよ。」
自慢気にそう言うとプリスは呆けた顔をする。
まぁこれが普通の反応だよ。君は間違ってはいない。
しかし!!俺は不可能を可能にする男!!!王宮で貰った魔法書に書かれていた魔法を今実行してやるぜ!
【#透明__トランスペアレン__#】
一瞬にして俺の姿がその場から消える。
それに三人は驚きを見せる。
「え!?は、ハル様!?」
「き、きえた!?」
『何処にいったどか?』
皆の慌てる様子が面白くて笑い声が漏れる。
「くくく。」
「!?は、ハル?何処にいるの?」
「へへーん。凄いでしょ。これはトランスペアレンという魔法でしゅ辺りにある光を屈折させて一時的に見えなくしてるのしゃ。」
「ハル様、凄ぉい!!」
プリスは驚き、そしてウキウキした表情をしていた。
「さぁ、皆んなにも今からこの魔法をかけりゅね。」
俺がそう言うとランスが疑問を問いかける。
「待ってよ。それじゃ皆んなの姿が見えなくなるんじゃないの?」
む?中々いい質問だ。だがしかし!
「この魔法がかかってる者同士なら姿を見合う事が出来るんでしゅ。心配ないでしゅよ。さ、いきましゅ。【トランスペアレン】」
そう唱えると、ランス達は俺の姿を目視できた様でまた驚いていた。
ふふ。俺に不可能は無い!!!がははは!!!おっと。顔が緩んでしまう。平静を保つのだ俺!!!
「で、これからどうしますの?姿は消えても中に入れなくちゃ意味ないですの。」
ふっ。それも計算済みさ。
「ちゃっき、うちのメイドが紅茶を持って中に入ったから直ぐにまた出てくると思うんでしゅ。その時に一緒に入ろうと思いましゅ。」
『足音できずかれないどか?』
「ふっ、そこはレビテーションで皆んな飛んで行けばいいのさ。」
「と、飛べますの!?ランス様の弟様はいったい‥。」
プリスは驚きランスを見ると、ランスは苦笑いをプリスに返した。
「分からない。けど、ハルが凄いのは前からだからもう慣れちゃった。」
そうこうしている内に、ガチャっと会議室の扉からメイドが出てきた。
「チャンス!!いきましゅ。レビテーション!!!」




