ストレスがはんぱねぇ。
俺は現在、チャコに城内を案内されながらジジイと別れるちょっと前のヘラとジジイの会話を思い出していた。
「で、俺はこれからどうしゅればいいんだ?」
「今はこれといって無いです。」
ヘラはキッパリと言う。
「え?でも邪神が#復活__ふっかちゅ__#するんだよね?鍛えたりとかしにゃくていいの?」
「勿論鍛えてもらっていた方が良いですが、此方の都合で振り回してしまっているので今の所は異世界を楽しんで頂いて結構です。」
そんなのでいいの?って事は邪神てそんな大した事ないのか?
「そういや、こにょ邪神の#復活__ふっかちゅ__#ってのは皆んにゃに伝えたほうがいいんだよな?」
「それも今はまだその時ではありません。時がくれば私から直接貴方におつたえしますので、その時に対策もあるのでお話します。」
「対策?」
俺は首をかしげ訝しむのを余所に、いつの間にかジジイが横にいて俺の肩に手をおく。
「まぁ先の話じゃ。しっかり精進‥」バチン!ブチ!「ぐえ!」
「貴方は黙って下さいまし。ではそろそろ時間ですので貴方を元の世界に戻します。」
で、疲れて聞く気もなく元の世界に戻ったわけだが、やっぱり悠長すぎやしないかい?
まぁでも神が時じゃないってんだから今はもう考えないでおこう。下手したら精神崩壊の危機に陥りそうだ。
今は忘れる!今を楽しむ!!よし!
そう決意し、チャコと美術館へと足を踏み入れる。
そしてチャコが絵画を紹介した事で俺の動きは止まった
「これがかつてこの国の王に仕えたという大魔導士、ソウシ・オキタです。」
「嘘ん!!?」
俺は驚き口をひらけた。
何故なら縦横2メートル程の壁画の中に邪神であろう存在と日本刀を持つ侍らしき人物が戦っている姿が映っていたからだ。
それにソウシ・オキタて沖田総司か! ?
「ちょっ、ちょっと待って。大魔導士って#侍__ちゃむらい__#だったの!?」
「わあ。ハル様は侍をお知りなんですね!感激です!えぇ、そうです。ソウシ様は召喚されてこの世界に来たという説がありまして、その前にいた世界で自分の身分は侍と名乗っていたそうです。また大魔導士と言われてはいましたが、剣の腕も素晴らしく、刀という変わった剣を愛用していたとか。」
嘘だろ!!絶対沖田総司だろ多分!!っつかあの人は歴史上病気かなんかで死んだんじゃなかったか?それにこの絵、侍かと思いきや日本人に見えないし見た目も15~6だ。
人違い?けど侍の格好してるし服装も心なしか新撰組っぽい。
俺が動揺し絵画に目を奪われているとチャコがクスッと笑う。
「ハル様は歴史に興味がおありで?。」
「え?あぁ‥まぁね。」
「ふふ。よければ歴史をお教えしましょうか?。」
んー。まぁコレは聞いて損はないだろう。
「うん。」と俺がいうとチャコは自慢気に語り始めた。
「邪神はもともと一国の王子だったそうで、王位継承を譲り受けたと同時に人格が変わったとされ、その当時から邪神と名乗り始め自ら国を滅ぼし新しく邪神城という要塞を作り上げたそうです。
またその配下に新しく12魔神将と呼ばれる者達を召喚させ、闇の者を配下とし国々を滅ぼし世界を闇の混沌へと落としていった。
邪神がこの経緯に陥った理由の一番は虐殺し、負の魂を集めそれを贄にする事で完全なる神となる事を求めていたそうです。
そんな時に颯爽と現れ、この国にたどり着いた人物がオキタ様です。
初めはギルドに加入し、邪神軍を相手にしていたそうですが、その戦果を買われ王国軍に入る。
王国軍に入ってからも、その存在は自ずと注目され、戦果を重ね爵位を上げていきます。
さらに当時の宰相が高齢であったこともあり、宰相隠居後、次の宰相として抜擢されると同時に城内の中庭に神聖大聖堂を設置し、後に現れる転生者の予言を遺しました。
"いずれまた訪れるであろう混沌に立ち向かう神の使徒が後の世で現れるであろう。"と。
またオキタ様が宰相になってからは邪神軍に対抗すべく沖田様か自ら12人の将軍を育てあげ、新撰組と名乗らせ邪神軍と相対しました。
その結果、邪神軍を壊滅させ最後の一歩手前まで攻め込む事が出来たのですが、その分多くの犠牲者を作り、新撰組の内10名もが犠牲になってしまいました。
そして最終戦には自らの力が必ずしも必要となるとして宰相の座を降り、自らも戦場に立つことで見事邪神を魔石に封印しました。
ですがオキタ様が死ぬ間際に残した混沌とはいつか?とか使徒様の降臨も今だ分からないままですがね。
どうでしょう。大分と掻い摘んで言っちゃいましたけど大丈夫でしたか?」
「だ、大丈夫。」
ってかやっぱり沖田総司だよ!新撰組だよ!
そしてその使徒俺ですよ!!
ってか待て!それだと沖田総司は邪神を滅ぼす事は初めから出来ないと分かっていたって事にならないか?
ん?これだとジジイとの会話が少し辻褄が合わないぞ?
もしかしてそれが出来ない理由がオキタにはあった?
なんか嫌な予感がするな。
それにこの話を聞いた限りでは俺がこの世界に現れた時点で何かが起こることに気づいているのかもしれない。
ってことは父さんと応接室にいった理由はこれか!!
けど、なら何で俺に言わないんだろう?
あぁーもう!!滅茶苦茶面倒な事に巻き込まれてるのはジジイと会ってわかってたけど更に面倒だぞコレ。
母さん!これマジで滅茶苦茶だよ!
ってかなんかストレスで身体が痒くなってきたぁ!!!!!
もう嫌!!こんなの嫌よ!!!いきなりオカマ口調に成る程嫌!!
俺は本当に考えないからな!神が言ったんだ!責任とれ!!
無だ、無の境地だ!!
そんな時、美術館の外側から騒がしい声がした。
「シスカ様!!だから何度も申し上げたように」「黙りなさい!!!私は勉学などより今は将来の為、魔法を打ちたい気分なの!!だから今すぐそこをおどきなさい!!」
声色からして一方は男、一方はまだ幼い女の子の声だった。




