称号
「まぁ先の話じゃ。しっかりと精進‥」
ブチ!!「ぐえっ!!」
ヘラが再度ジジイを踏みつける。
「貴方は黙ってくださいまし。」
あれは絶対痛いよな。俺はまた顔を痙攣らす。
「では、そろそろ時間ですので貴方を元の世界にお送りしたいと思います。」
ヘラは淡々と俺にそう言う。
はぁ‥と1つ溜息をついてから「ああ。しょうちてくれ。」と諦め混じりに返した。
元の世界へと戻ると俺は空中で留まり光輝いていた事にまず驚いたが、それを見る王や鶯、そして父さんまでもが慌てふためくように跪き頭を下げていたことの方が驚いた。
この反応からしてあの神とやらと話していた時間とは違い、こっちの世界では然程時間が経っていなかった様だ。
俺が床へと着地すると光は消えた。
「こ、これは紛れもなく使徒様の証明!で、伝承は誠であったか!先程の無礼をどうかお許し下さい。この王という立場ゆえ、確証の無い者に皆の前で頭を下げるということは難しかったのです。」
王は俺に深々と謝罪する。
「ま、待ってくだちゃい。確かに神とやらに会いはしましたけど‥」と言うとまた王と鶯は目を見開く。
「な、何と神とお会いに!!や、やはり使徒様で!!」
王と鶯は再度頭を下げる。
おいおい。オーバーだな。
ここまでやられると厄介だぞ。
どうにかしないと‥。
「えーと。さっきのが証明といわれても俺が使徒って証拠は無いでしゅよ。」
俺がそう言うと鶯が丸い水晶を俺に手渡す。
「これは?」
そう尋ねると、鶯はまた片膝をつき頭を下げる。
「これはステータスを他の者にも見せる事が出来る物で、礼拝堂の祈りの場のみで使えるアイテムとなっています。」
ほう。そんな物があるのか。
「やり方は?」
「先程の中央で水晶に魔力を流すだけで御座います。きっとそれが証明になります。」
どうせ隠し通すとかの為じゃなく、そういう経緯で#王都__ココ__#に来たのだからありのままを見せてもいいだろう。
しゃーないやりましょうか。
俺は中央に立ち、魔力を水晶に流す。
すると俺の真上に液晶が映し出される。
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ハル・フォン・エステード 1歳
種族・人族(エルフの血を受け継ぐ者)
性別・男
Lv 1
魔力量...+10
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固有スキル。
翻訳(Lv10)完全記憶(Lv10)鑑定(Lv3)探知(Lv:2).隠密(Lv1).#創造魔法__クリエイティブ__#(Lv10)全属性耐性(Lv10)+10
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適正スキル
火属性(Lv10)水属性(Lv10)風属性(Lv10)土属性(Lv10)闇属性(Lv10)光属性(Lv10)無属性(Lv10)
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加護
全守護神の加護。
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称号
神の使徒・幻獣使い
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!!!!?
なに!?なんか増えてる!!?
それに称号なんかあったか?
っつか書いてるよ書いちゃってるよ神の使徒!!それにやっぱり豚は幻獣ってことか!?
しかしこの上がり様。この2つの影響で能力値があがったとか?
俺の驚きを他所に後ろを振り返ると、足をガタガタ揺らす鶯に、口をパクパク大きく開けて言葉も出せない状態になる父さんと王。
「えーと、こんなん出まちたけど。」と俺が言うと父さんも王も鶯も地面にへばりつくように素早く跪く。
「やはり使徒様で!!!」
うわぁ。なんか嫌。
こんなの俺は求めていないッスよ。
「待ってくだちゃい王様。結果はこうでまちたけど、別に使徒だからって俺は偉ぶるちゅもりはにゃいでしゅし、これは父さんとも話ちた事でしゅが、俺はこれまで通りでやっていきたいんでぃしゅ。」
「そ、それは‥」と王が何か言おうとするのを俺は止める。
「これは俺からのお願いでしゅ。」
「し、使徒様がそう言われるのでしたら‥。」
「あ、あと使徒様もいいでしゅ。貴方は王しゃまなんでしゅからハルでいいでしゅ。」
王にそう言うと王はゆっくりと姿勢を戻した。
そして王は確認するように父さんの方へ顔を向けると父さんはニコッと笑顔を王に返し、自分も姿勢を戻した。
「な、ならハル。私は遠慮せんぞ。」
王は元の凛々しい姿に戻る。
「えぇ。問題ないでしゅよ。ウグ‥、いや宰相しゃんも先程の様な態度で大丈夫でしゅよ。」
あぶねー。思わずウグイスって言いそうになっちゃったよ。
「よ、よろしいので?」
「はい。」
俺は即答で返すと鶯も姿勢を戻した。
「なら私はハル殿と呼ばせてもらいます。ですがハル殿。一つ問題が御座います。」
「問題?」
俺は首を傾げ聞き返すと鶯は頷く。
「これまで通りとなればハル殿を使徒と宣言せぬ方向になってしまいます。使徒と宣言すれば王はハル殿の前ではその権限がなくなってしまいますので。」
鶯の一言に王は目を見開き納得する。
「確かに。だがそれはいくらなんでも‥」と王も思い悩む様に腕組みをし俺を見るが、俺としては全く問題のない事だ。
むしろそっちの方が好都合だしな。
「いいでしゅよ。ならもう使徒ではにゃかった。しょしてここであった事はこの4人の秘密と言う事で。」
「なっ!!?そ、それをしてもらえれば此方としても有り難い事だが‥」
王はまた父さんに目を向ける。
父さんはまたニコッと笑顔で王に返し、息を1つ吐き落とす。
ってかそれさっきから何の確認?
「だがハルにネイブルよ。お主達には欲が無いのか?使徒であれば王権も渡せと言われれば渡さねばならんのだぞ私は。」
「問題ないでしゅ」
「ハルがよければ僕も問題ないですよ。」
「むー。よし分かった。この事はここだけの機密と言う事とする。」
「「「わかりました。」」」
「だがしかし!」
何だ?まだ何かあるのか?
「ハルが10の歳になったとき爵位を授ける。使徒をそのまま平民にはしておけんからな。これだけは絶対だ。」
「え、えーと。」と戸惑いを見せたが王は真っ直ぐ俺を見据え折れそうになかったので、仕方なく了承した。
そして父さんはその隣でまたも驚いていたことは無理もないだろう。
それから俺達は王に昼食に誘われ晩餐室に案内された。
晩餐室の真ん中には10メートルぐらいある無駄に長いテーブルの上に鳥の丸焼きや色とりどりの野菜などが盛り付けられている。それをメイドが切り分け皿に盛り皆の前へおいていく。
ん〜良い香り!と口に運ぶと味も最高で父さんと王に鶯と4人で舌鼓をうち文句なしだった。
だが1つ気になる点として、この4人以外にもう1人いる予定だったのか空きの席があったことだ。
まぁそんなに気にならなくても良い事なのかもだけど。
そうして食事を終えると父さんだけ王に呼ばれ応接室に案内されていった。
何で父さんだけ?いったいなんだろう?とも思ったが、まぁここは大人の話なのかもしれないな。
そして俺はというとメイドに案内され豪華過ぎる客間へと案内された。
床はすべて赤いカーペットが敷き詰められ、その真ん中に真っ白なダブルベットが設置されており、それを囲うように高級そうな白のレースが被さっている。
また、その隣には高級そうな茶色のソファに大木を輪切りにして作ったようなテーブルが置かれていた。
自分の家も伯爵の家ということもあり、豪華だと思ったがここまでだと落ち着かない。
そんな時、コンコンと部屋の扉からノックがなる。
「はい。どうじょ」と俺が言うと、黒髪で頭に黒の獣耳を生やした13歳ぐらいのロリメイドが入ってきた。
「せ。世話役を担当させて頂きます!チャコです。数日ですが、よ、よよ宜しくお願いします!!」
なんだ?っつかえらく緊張してるみたいだ。
ってかケモ耳!!!可愛いじゃないか。胸はBか。小さいがそれも良し!
っては!!?俺はいったい何を考えていたんだ!!!それに相手はまだ幼い少女!!!
急に我に帰る俺。
変態路線第一歩だ。まったく。
頭を抑え困惑する俺にチャコが心配そうに駆け寄ってきて、俺の額に額を当てる。
近っ!!っつか緊張してる割にこういうのは大胆なのか!!?
「大丈夫ですかぁ?ね、熱は無いようですね。」
「あ、はい‥。」
うわぁ!恥ずかしい!!
思わず赤面してチャコから離れ窓へと視線をそらす。
この部屋は3階にあり、窓からは先程の中庭が見えた。
まだ昼過ぎと言う事もあり、陽はまだある。
探検。ってしてもいいのかな?
やっぱりこれ程凄い施設なんだし、しかも物語に出てくるような王宮だ。
ワクワクして当然でしょ。
「ねぇ。一つお願いがあるんだけど、お城を見て回ってもいいかな?」
「あ、はい。入っては行けない場所とかもありますが、ほ、他なら大丈夫だと思います。ご案内いたしましょうか?」
やった!!
「頼みましゅ。」
早速探検レッツゴー!!




