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巡る導師に惚れぬものなく  作者: 亜城優


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オボロと一緒に汗をかいて

癖がでてますねえ。今更か。

拙者も言ってみたいでござる!と言われて、オボロと一緒に龍の国に行くことになったので、ジャンヌに案内されながら、三人で城にやってきた。


「さて、動かす許可はいただいているから、さっさと済ませよう。そしてチャチャっと用を済ませて帰ってきてくれ」


「どうすればいいの?」


この鉄製のフレームにすりガラスを貼ったような円柱の物体が、転送装置らしい。どう使うんだ。


「後ろ側に扉がついているだろう?」


「……ほんとだ」


「入ってくれ」


「じゃあ、とりあえずオボロかな」


「いや、一緒に入ってくれ。何度も使えないんだ」


「二人で入るのはきつそうなんだけど」


掃除のロッカーみたいなサイズ感。二人は無理だと思うんだけど。


「拙者なら大丈夫でござるよ」


「……じゃあ一緒に入ろうか」


「ござる」


「終わったら勝手に扉が開くはずだから、それまで我慢してほしいとのことだよ」


「うん」


「わかったでござる」


「じゃあ閉めるよ。頑張ってきてくれ」


そう言ってジャンヌが扉を閉めた。

……のは30分ほど前だろうか。全然扉が開かないんですけど。


「大丈夫?オボロ。ずっとこの体勢で辛くないかな」


狭い空間で抱き合うようにして、二人突っ立っているだけ。ずっと密着していい加減暑いし、酸素も薄くなってきた気がする。


「大丈夫でござる〜」


こもりきった空間でのぼせ気味なオボロが、ふにゃふにゃと返事する。


「ごめんね。汗かいてきちゃって、気持ち悪いよね」


「全然気にしないでござるよ〜。拙者の方こそごめんでござる〜」


「私は大丈夫だよ。オボロいい匂いするしね」


香水みたいな甘い匂いがする。


「恥ずかしいでござるよ〜」


頭もあんまり働かない。ひたすらこの暑さを耐え忍ぶしかないのか。そう思っていた時、急に扉が開いた。


「やっと着いた……」


「水が飲みたいでござるよ〜」


なぜか二人で抱き合いながら転送装置を出た。すると。


「よくきたのじゃ!わしが偉大なる龍王の末裔、ネブラ様じゃ……お主、シアンか?」


「あれ、久しぶりだね。ネブラ様」


「何故びしょびしょで抱き合ってるのじゃ……」


一旦シャワーを借りた。

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