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巡る導師に惚れぬものなく  作者: 亜城優


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龍の国へ!?

「へえー。じゃあみんなで順調にファンを獲得できてるんだね」


ふと最近どうしているのかなと思い、ユキに電話していた。


「やっぱり住んでいる人が違うところが、一番大きいのかなって思ってます。この街には、私たちのロック魂に共感してくれる人が多いんです」


「マコトとキョウカは相変わらず?」


「そうですね。でも、一度は仲直りしてほしいと思いましたけど、あれはあれで仲がいいみたいですし」


「そっか。またちゃんとした場でみんなの演奏を聴いてみたいな」


「もちろんです!シアンさんとしばらく会えなくて寂しいですし、またそのうち帰ってきてくださいよ」


「そうだね。私もみんなに会いたいから」


ともあれ元気そうでよかったな。そう思っていた時。


「やあシアン君。今から時間あるかな」


……ジャンヌに強引に連れ出され、荷物持ちをさせられた。


「悪いね。付き合ってもらって」


「いやいや。もともとジャンヌと遊ぶつもりでこの街に滞在してたんだしね。むしろ今までほったらかしにしておいたお詫びもあるから」


「そうだね。だから儀礼的に言っただけだけだよ」


「……」


「さて、巷で噂になっている、黒龍の話は知っているかな」


「うん。やっぱり私たちがちょっかいをかけた龍だよね?」


「おそらくそうだろうね。偵察兵の話では、やはり王都を目指しているらしく、かなり近づいてきているらしい。いや、困った」


「ジャンヌのレイピアも聞いてなかったもんね。やっぱり戦うとなると厳しいの?」


「それもそうだけど、興味本位で龍を刺激したせいで王都に被害を出したとなれば、大問題だ。もちろん私たちが原因とも限らないが」


「そっか、立場的にまずいのか。……ごめんね。私がアリアの誘いに乗らなければよかったのに」


「最悪、黙ってればバレないとは思うけどね。でも、やはり責任を持って、わたしたちで龍の対処に当たらなければならないと思うんだ」


「でも、どうやって対処するの?半端に戦いを挑んでも厳しいと思うんだけど」


「私もそう思うよ。なのでいっそ、あの黒龍の呪いを解いてやれないかなと思うんだ」


「そんなことできるの?」


「これは偶然任務中に聞いた話なんだけどね、あの龍の呪いは龍王の一族が赦しを与えれば解けるらしいんだ」


「龍王の一族?あの呪いって神が与えた罰じゃなかったっけ」


「いや、天界へ謝罪する意図で当時の龍王が呪いをかけたらしいよ」


「そうなんだ。じゃあ、龍の国に急いで使節を出さないといけないのかな」


「まあ待ちなよ。シアン君、君は龍王の一族と親交があると言っていたよね?」


ネブラのことか。旅の話をした時に言ったけど、よく覚えてるなそんなこと。


「一応あるにはあるね」


「その縁を見込んで、君には龍の国へ使いに行ってもらうことになった」


「……え?」


「申し訳ないが勅命でね。大丈夫だよ。君があまり体力がないことはわかっているから、特別に王家の転送装置を使わせてもらえることになった。私でさえ使ったことがないんだぞ?君は実にラッキーだ」


情報量が多くて全然処理しきれない。


「……じゃあ今日呼ばれたのは、私にそれを伝えるためだったんだね」


「違うよ?」


「え?」


「最近君があまり構ってくれないから、荷物持ちとしてこき使ってやろうと思っただけだよ?」


「……」

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