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巡る導師に惚れぬものなく  作者: 亜城優


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ジャンヌと決闘?

「と、いうことがあってね。まったく、ベレニスも失礼だと思わないかい?」


「そう言われても、あたしもシアンに賛成だけどな。だっておまえドジだし。多分大事なシーンでこけて、舞台を台無しにするぜ?」


「……ディアーヌはどう思う?自慢じゃないが、私の有能ぶりは君もよく知っているだろう」


「え〜。ジャンヌちゃんお仕事と武術はすごいけどね〜。それ以外ポンコツだからなあ〜」


思ったよりみんなのジャンヌに対する評価が酷いな。人のこと言えないけど。


「ベアトリスはどうなの?」


「わたくしは、たとえジャンヌ様が苦手とされる分野であっても、立派に与えられた役目を果たされると信じております」


「……苦手とも言っていないのだがね。なぜみんなして私を馬鹿にするんだ……ああ、もう私にはオボロくんしかいないよ」


「……むしゃむしゃ。むぐ?拙者に何か言ったでござるか?」


あーあ。かわいそう。


「……ふふふ、いいだろう。私が武術しかない女だと言うのなら、君が言う私の凄さを存分に見せつけてあげよう。私と試合をしてもらおうか?シアン君」


「うん。……え?……私闘はダメなんじゃないの?」


「シアン君は騎士じゃないから、規則の適用外さ」


なんで?私、今は何も言ってないんだけど?


……


「ルールは簡単なものにしよう。君が私の体に一度でも剣を当てられれば、君の勝利だ」


「私、まるっきり素人なんだけど……」


模造剣のくせに重くない?振るだけで精一杯になりそうなんだけど。


「だからこそのハンデだろう?もちろん、勝たせる気はないけどね。ではいくよっ!」


「痛いっ!」


「ほら、ちゃんと剣で受け止めないと。この剣が本物だったら、今ので致命傷だよ?」


「くっ!えいやっ!」


「ははは。そんな攻撃当たらないよ?はっ!」


「ん……こうだっ!」


なんとか剣で受け止めたが、反撃できなければどうしようもない。と言うか、さっきからめちゃくちゃ楽しそうなのが気になるんだけど。


「ふんっふんっふんっ!どうしたんだい?守るだけじゃ何も解決しないよ?」


「うう……」


「ああっ。いい表情だね!シアンんくんのその顔!たまらないよ……」


なんだかサドっけが出てきてない?た、助けて……


「ぐっ……ぐはっ……」


「はあ……はあ……なんだかすごく体の奥が熱くなってきたな。もしかして、これが本当の恋というやつなのだろうか?どう思う、シアンくん?」


「およ。だんだん雲行きが怪しくなってきたな」


「シアン殿が心配でござるよ。やりすぎではござらんか?」


「そうだなあ。ディアーヌ、ちょっと手助けしてやってくれよ」


「そうだね。シアンくんがずっとやられてるの見てたら、なんだかムカムカしてきちゃったし。……え〜い!」


「……え!?なんだ!?」


向こうのほうで三人が何かを話している。そう思っていたら、突然体が異様に軽くなった。剣も軽い。一体何が起きてるんだろう。


「どうしたんだい?急に声を上げて。心配しなくても、もっとたくさんいじめてあげるよ?」


誰もそんなこと望んでないんですけど。


「……はあっ!」


「ん?……うっ!……急に動きにキレが出てきたね。でもそんな程度じゃ私には歯がたたない……よっ!」


「……ここだっ!」


攻撃を弾けた!


「なっ!……どうやら本気でいじめてほしいみたいだね。はああ!」


「うわあ!」


メチャクチャに速い。せっかく何か力をもらえたのに、このままじゃ勝てそうにないぞ。どうしよう。


「……むむむ。せっかく私の力をあげてるのに……。ジャンヌちゃん生意気〜。本気でいっちゃうよ!えいっ!」


「うおおお!」


体の内側からとてつもない力を感じる!


「そろそろ終わりにしようか。シアン君は負けた罰として、このあと私の好きなところを千個言ってもらおうかな」


いい感じに油断してるな?今ならいける!


「どりゃあああ!」


思いっきり剣を振り下ろす。


「無駄な抵抗だと……うっ!?ぐぐぐ……」


「うおおおお」


「……ぐえっ!」


「やった!」


勝ったぞ。


「よくやった。スカッとしたぜ」


近づいてきたベレニスからそう言われた。


「ああっ、ジャンヌ殿が伸びちゃってるでござる〜」


「偶然ね。さっき、誰かに力を貸してもらえたような気がするんだけど……」


「重くて拙者一人では担げないでござるよ〜」


「ディアーヌちゃんの力だね〜」


「そうだったんだ。ありがとうね、ディアーヌ」


「うんうん。でもラブパワーを消費しちゃったから、あとでその分補充させてね〜」


……なにそれ。というか、なんでジャンヌは引き摺られていってるの?

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