ラウラがキスしてくれたら約束するよ?
朝。気持ちよく目覚めたんだけど。
「おはようございます。よく眠れましたか」
見覚えのあるビキニアーマーが枕元に立っていてびっくりした。
「おかげさまで。ラウラは元気してた?」
「当然です。そんなことよりシアン。少し見ないうちに、あなたはまた新しい女の子を引っ掛けましたね?」
「……今日はまたデートしにきたの?」
「無視しないでください。それと、今日はデートの話をしにきたわけでもありません」
「じゃあ、なんの話をしにきたの?」
「ですから、あなたがまた新しい女の子に色目を使ったという話です」
「……」
「これは真面目な話ですよ?いいですか。あなたが新しい女の子を引っ掛けるたびに、色欲のエネルギーがあなたの中に蓄積されていっているのですよ?」
「色欲のエネルギーって?」
すごく不名誉な響きだけども。
「簡単に言えば、悪魔を引き寄せるエネルギーです。……シアン。これはあなたのためにあえて叱りつける様なことをしているのです。これ以上色欲のエネルギーを溜めないでください。さもなければ、あなたは恐ろしい悪魔に襲われてしまうのですよ?」
……なんか心当たりあるぞ。夢かと思っていたけど、多分あれ悪魔だな?
「悪魔に襲われるとどうなるの?」
「……それは……もう……酷いことになりますよ?」
「……天使と悪魔ってやっぱり対立してるの?」
「明確に争っている状態にはありませんが、分かり合えない存在であることは間違いありません。彼女たちは、クララ様とは異なる神を崇めています」
「宗派が違う、みたいなこと?」
「あえてわかりやすくいうとすれば、そういう形容も可能ではあるでしょう」
「なら、命まで取られることはないのかな?ラウラだって、最初はちょっとすれ違いもあったけど、すぐに仲良くなれたもんね」
「そうとも限りません。彼女たちは非常に気まぐれなのです。ですからシアン?悪いことは言わないので、私の教えを守ってください」
「……ラウラがキスしてくれたら約束するよ?」
「なっ!?あなたはまた、何を言っているのですか!」
「あの時ラウラとキスしてから、ずっとラウラが恋しかったんだ。いいでしょ?」
「あ、あの時のことだって私は許していないんですよ!?あなたが勝手に……」
「ラウラの髪って綺麗だよね」
「撫でないでください……」
「ね?ラウラ」
「……」
「好きだよ。ラウラ」
「……ああっ!もうっ!」
ちゅっ
「……これでいいですか!?」
「物足りなくない?」
「今はもう結構です!」
「そっか。じゃあこれで約束だね」
あんまり約束を守る気はないけどね。
セクハラ野郎です。セクハラどころの騒ぎじゃないけど。




