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巡る導師に惚れぬものなく  作者: 亜城優


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オボロと街を歩く

翌日。せっかくお世話になることにしたんだから、ジャンヌに案内してもらいながら、三人で街を巡ろうと思っていたんだけど。


「すまないね。私も不本意ではあるが、それなりに忙しい役職についているのでね。明日こそ、一緒に街を巡ろうじゃないか」


休日でも関係なく仕事に駆り出される様で、オボロと二人で街を巡ることになった。そろそろお金が尽きてきたから、そこを当てにしていた部分もあったんだけどね。


「シアン殿、この辺りの瓶はなんでござろうか。とてもかわいらしいでござる」


「香水かな?確かに綺麗だね。……すいません、匂いを試すことってできますか?」


「……これに染み込ませたらいいんだって。試してみなよ」


「では……おお!甘い香りがするでござるよ」


「こっちもいい香りだよ。オボロに似合うんじゃないかな」


「たしかにいい香りでござるね〜。どれも欲しくなってしまうでござるよ」


「気に入ったのがあったなら、買ってしまってもいいんじゃない?」


「そうでござるね。……シアン殿はこれとこれだと、どちらがいいと思うでござるか?」


「うーん。よかったら両方買ってあげるよ」


「ええっ。そんなの悪いでござるよ」


「いやいや、オボロがついてきてくれているおかげで、楽しく旅ができるんだから。お礼ぐらいはさせてほしいな」


「そうでござるか?では、ありがたく好意を受け取ることにするでござる」


「うん」


……


「むむっ。なんだか美味しそうな匂いがするでござるよ」


「本当だね。あそこのたい焼きかな」


「なんと!シアン殿〜たい焼き食べたいでござるよ」


腕に抱きついてきて、上目遣いでそう言われた。めっさかわええ。


「そうだね。私はつぶあんにしようかな。オボロはどうする?」


オボロの頭を撫でながら聞くと、嬉しそうに目を細めながら、告げてきた。


「カスタードがいいでござる」


……


「美味しいでござる〜」


くねくねしながら食べるオボロ。なんだか小動物みたいなところあるよね。


「私のも美味しいよ。ほら、ちょっと食べてみてよ」


「ではでは……こっちも美味しいでござるね。ありがとうでござるよ。シアン殿」


「……あっ。口の横にクリームがついてるよ。じっとしてて」


「む。ありがとうでござる。シアン殿も少し汚れているでござるよ。動かないでほしいでござる」


なにこれ。すごくいちゃついてるカップルみたいで楽しい。


「はい。お願いするね」


「ではいくでござるよ」


そう言ったオボロは、なぜかどんどん顔を近づけてくる。えっ。なんで?


ぺろっ


「……」


「美味しいでござる。取れたでござるよ。シアン殿」


「……ありがとう」


ほぼキスじゃない?今の。びっくりして固まっちゃった。

具体的になんの香りで〜とか書こうとしたんですが、そんなこと書いて、誰が面白いんだろうかとやめました。

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