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巡る導師に惚れぬものなく  作者: 亜城優


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ジャンヌの手はすべすべ

起きてみんなのところに行くと、ジャンヌたちが朝食を用意してくれていた。


「さて、これからのことなんだけど」


「うん。私もその話をしようと思ってたんだ」


「ジャンヌたちは王都を目指すんだよね?」


「元々その予定だったからね」


「じゃあ私もついていっていいかな」


「構わないよ。私もそう勧めるつもりだった。おかしなルートを開拓するより、きちんと街道に戻った方が結果的に早くつくだろうしね」


「オボロもひとまず王都まで一緒に来てくれるかな」


「もちろんでござる」


……食事を終えて、魔女たちの拠点を後にした。


「そういえば、オボロの忍術はすごかったね。まさか雷を呼ぶなんて思いもしなかったよ」


もうちょっとしょっぱい感じかなって思ってたなあ。口から小さく火を吹くとか。


「ふふふ。拙者はこれでもエリートでござるから」


得意げにない胸を張るオボロ。いや、なくもないな。ちょうど手のひらに収まりそうなぐらいかなあ。


「どうしたんだい?自分の手のひらをじっと見つめて。前を見て歩いたほうがいいと思うよ」


「ああ、そうだね。なんとなく自分の手相を見てたんだ」


「手相?シアン君はそんな心得もあるのか。ぜひ私の手相を見ておくれよ」


ジャンヌにすっと手を差し出された。え、生命線ぐらいしかわからないけど。あと金運ぐらい?


「この間本でちょっと齧っただけだから、雰囲気しかわからないよ?」


「かまわないさ」


「……では失礼して。……生命線がびっくりするほど長いね。すごく長生きするんじゃないかなあ」


「ふむ。うちは長寿の家系でね。特別何もなければ、私も長生きできるだろうね」


「あとは、金運も良さそうだね。クッキリ出てる」


「まあ、自慢じゃないがそれなりの地位の人間だ。経済的に窮すると言うことは、この先もまずないだろうね」


「……あとは……色々すごく良さそうだね」


あとは全然わからないです。


「……なんだか急に雑じゃないかい?」


「そんなことないよ。それより、ジャンヌの手は綺麗だね。すべすべで気持ちいいよ」


「わっ。急に撫で回されたらびっくりするじゃないか」


「ごめんね。次は言ってからにするから」


「次があるのか?シアン君はけっこう遠慮がないな」


「そんなことより拙者も手相を見て欲しいでござる。シアン殿」


「はいはい。オボロも白くて綺麗な手をしてるね」


「そんな、照れるでござるよ〜」


手相の話をしてラッキーだったかも。少し二人と打ち解けれた気がする。ベアトリスとも何かきっかけがあればなあ。

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