スイーツトリオ中編 三人でデート(統合&改稿)
アスカとのデートを追加したことで、ナチュラルなクズ感が強まっております。もうあんまり気にしないで。どうせこの後酷いんだから。
アスカちゃんとデートした後、ケータイを買いに行った……んだけど契約できなかった。契約に必要な住所とか口座とか、必要なものが色々ないから希望はなさそうだった。
その後スズちゃん。いや、スズの店にもちょくちょく遊びに行って、スズともだいぶ仲良くなってきた。昨日はアスカちゃんとまたデートに行ったし、すごく順風満帆って感じだ。強いて言えば、最近何か妙に視線を感じるのが気になるぐらいかな。
……もう少しここで遊んでても許してくれるよね?スカーレット。
「やあスズ。今日のおすすめは何かな」
「えー本日はですね。こちら。僭越ながら、私が考案させていただきました!バラの風味と薔薇の柄の装飾にこだわった逸品でございます!」
こちらはですねー、と明るく楽しそうに解説してくれるスズ。今日もまた一段とかわいい。元気な若い女の子を見ていると、すごく元気をもらえるな。
「あ、ところでシアンさん。今度百貨店の中にケーキバイキングができたらしいんです!よかったら行ってきて感想を聞かせてくださいよ!」
「スズは行かないのかい?」
「お恥ずかしながら、あまりお財布に余裕がなくて……少しお高いんですよ……」
まあアルバイトでお金を稼いではスイーツを食べ歩いているみたいだしね。でも逆に考えればコレはチャンスではなかろうか。ピコーンときてしまった。
「よかったらなんだけど。今度の休みにいっしょにケーキを食べに行こうよ。もちろんお金は私が出すからさ」
「えっ。いやいや悪いですよシアンさん。そんな奢っていただくなんて」
と、どうにか断るプライドはあるスズだったが、側から見ればかなり奢って欲しそうな顔をしていた。もっと押してこい!こんなん社交辞令で一度断っただけじゃろうがい!そんな心の声が全身から漏れ出しているスズ。
「なら、私とケーキ屋デートするってことでどうかな。私がエスコートするなら、私が払うのは当然でしょ
?」
「デ、デートですか!?どうしよう。私困っちゃいますよ」
真っ赤になって俯くスズ。
「でも、せっかくのお誘いですし、私お受けします!」
真っ赤になりながらも、元気よく返事してくれた。ああ。可愛いなあスズ。
またいくつか日が過ぎ、デート当日。路面電車の駅近く、待ち合わせをしていた噴水の前でシアンは佇んでいた。
「お、お待たせいたしました!シアンさん!」
元気な声と共にスズが現れた。なんだかいつもよりしっかり化粧をしている。リップが綺麗に乗っている。なんだかいい匂いがする。今時の女の子っぽい、何も入らなさそうな小さなバッグを持っている。服だってよくわからないけど、なんだかオシャレな感じだ。いかにもああ、今日デートなんだろうな、という格好で現れたスズ。
「私も今来たところだよ。いつもよりオシャレしてきてくれたの?いつもより可愛いよ、スズ」
実は店の制服以外を着ているスズと会うのはコレが初めてなので、いつもよりもクソもないのだが、シアンに褒められたことで素直に頬を染めてしまうスズ。
「は、はい!約束した日からずっと、今日を楽しみに生きてきましたから!」
思ったよりも、楽しみにしててくれたみたい。よかった。
「じゃあ行こうか」
「はい!」
なんて言い合いながらそっと手を繋ごうとする。その時、
「待ちなさい!私もついていくわ!」
「あれ、アスカちゃん。アスカちゃんに今日のこと話してたの?スズ」
「いえ。どうしたのさアスカちゃん。今日はお呼びでないぞ?」
「偶然見かけただけよ。知ってる二人がいたからなにしてるのかなって近づいてきただけ。そしたら二人でデートするだなんて聞こえたんですもの。シアンさん?私とデートしたくせに、スズにまでちょっかいかけるだなんていい度胸ね」
どうやらお怒りのご様子。そりゃそうだ。
「アスカちゃんともデートしたって本当ですか?」
頬を膨らませて、怒ってますよ、と表現するスズ。リスみたいでかわいいけど、こりゃまずい。
「……そうだね。本当だよ。でも、今日は心からスズとデートしたいと思ったから誘ったんだ。適当な気持ちで誘ったわけじゃないよ」
「……」
「じゃあ私の時は適当な気持ちだったわけ?」
語気を強めて聞いてくるアスカちゃん。
「違うよ。アスカちゃんともデートしたかった。不誠実なのはわかってるんだけど、二人ともお話ししてるうちに大好きになっちゃって、二人ともデートしたくなったんだ」
「「……」」
あんまり納得いってない表情の二人。
「……ねえ二人とも、よかったら、これから三人でデートしようよ。例のケーキバイキングで」
「シアンさん!?」
「……アンタ正気?」
「ねえスズ。今日のことを楽しみにしてたのは、私も本当だよ。一緒に行こ?」
「シアンさん……はい。行きます」
「ちょっとスズ!?」
「アスカちゃんも。行こ?」
「なっ。……私が行かないっていったら、スズと二人で行くの?」
「……」
「……行くのね。そう。じゃあ私も行くわ」
「……ありがとう。アスカちゃん」
「ほら、手」
「うん。スズも繋ごうか」
「はい」
二人を連れて歩き出した。二人とも明るく振る舞ってくれた。いい子達だ。
お店に入った。
「美味!美味ですぞアスカちゃん!シアンさん!」
「わかってるわよ。別に私たちも食べてるから。」
「落ち着いて食べたほうがいいよ。スズ」
言われた側から、喉に詰まらせうっと青ざめるスズ。落ち着けケーキは逃げないぞ。
「でも、本当に美味しいね。私はこのピスタチオのケーキなんか、いくらでも食べられそうだよ」
「こっちのモンブランも最高です!ささっ、どうぞシアンさん!」
そう言ってシアンにあーんとフォークを差し出してくれるスズ。迷いなんかない。スズが気にしないなら私も気にしない!
「ままま待ちなさいよ!間接キスになっちゃうでしょうがあ!」
気にする第三者がいた。まあ仕方ない。また機会はある。
……
「どう言えばシアンさん。旅をしているからケータイが契約できないっていってたわね。まさか私たちを置いて、また旅に出るつもりじゃないでしょうね」
「……人と約束があるからね。そのうち行かないといけないんだ」
「え……そうだったんですかシアンさん……」
「ごめんねスズ。話してなかったね。アスカちゃんもごめん。でもね、また帰ってくるよ。用事が終わったらさ」
「……本当ね?」
「うん」
「約束してくださいね?シアンさん」
「約束するよ。スズ」
「ごちそうさまでした!シアンさん!」
「ご馳走様」
「二人が楽しめたならよかったよ」
「……シアンさん。明日の午後、空いてるわよね?」
「大丈夫だよ」
「そう。じゃあ明日、例の店まで来て。シアンさんが買えなかったケータイ。もしかしたらどうにかなるかもしれないから。旅の間、できれば連絡手段を持ってて欲しいもの」
「わかった。じゃあ明日また会おうね。二人とも」
「ええ」
「さよなら!シアンさん!」
今日は楽しかった。二人に感謝しないとな。……今日もずっと誰かに見られている気がしたけど、結局なんなんだろうな。
スズの個性がなくなってしまった。口調以外で個性を表現できるようにならないとですね。




