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人類の脅威であるアビスを殲滅するために、僕はアビス王と契約する~信用させて、キミを殺す~  作者: 夜月紅輝
第3章 嫉妬の罪、それは無理解の証

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第99話 黄のパレス代表の実力、そして襲撃戦の終幕#3

 アルスと双子との獣人との戦い。

 その結果は、アルスがほぼ無傷という形の完勝で終わった。

 戦闘があったダンスホールには、勝者アルスと横たわるライオットのみ。


 全身に感電したような損傷を受け、呼吸の動作もなくライオットは沈黙している。

 そんな彼に対し、アルスはおもむろに棍棒の先端を彼の心臓に押し付けた。

 瞬間、棍棒を通して電気を流しショックを与える。


「がっ.......あ.......あ、れ......なんで、生きて......」


「僕の技だぞ、相手を殺すかどうかの加減ぐらいできる。

 それにお前達には聞き出すことが山ほどあるんだ。

 簡単に死んでもらっては困る」


「ち、くしょ......体が動かねぇ......」


 辛うじてしゃべれる体力があるだけで、ライオットは瀕死に変わりない。

 そんな状態が掠れて弱々しい声色から伝わってくる。

 もはやそこにいるのはしゃべる屍と一緒だ。


 しかし、そんな相手に対しても、アルスが見つめる瞳の温度は変わらない。

 相変わらずどこまでも冷たく、そこに浮かべる感情すらも殺しているように無だ。

 表情もほとんど変化はなく、能面をつけたような様子で口を開き、


「お前達がこれから何をしようとしているか吐け。

 わざわざこんな場所に呼び出したんだろ?

 だったら、それなり目的があったからだろ?」


「だ、誰が言うか.......ああああああああ!」


 ライオットが拒否した瞬間、アルスは棍棒に再び電気を流し感電させる。

 途端、全身を流れる激痛にライオットが叫び、体を小刻みに震わせた。


 まるで機械が操作したような無駄のない動きは、もはやこの場での覚悟の表れ。

 敵には絶対に容赦しない――そのアルスの精神が如実に表れていた。

 そして、淡々と口を開いて再び尋ねる。


「言え。お前達みたいな連中が何の用意もなく僕達の戦力を削るような真似をするわけないだろ?

 お前達は一体何を企んでいる? 答えなければ、この苦しみは続くぞ」


「はっ、こわ......私達が何を企んでるかって? そりゃ、お前らを殺すためだよ。

 我が主――あの方は、とっても優しい方なんだ。

 耳も口も聞けないように見えても、意外と話を聞いてくださってる。

 そして、私達のことは愛情深く接してくれるんだ」


「話が見えないな、それがどんな関係がある?」


「姉さんを逃がしたのは失敗だったね。

 これからお前達は死を迎える......それも確実な死だ」


「それはない。なぜなら、僕の代で『嫉妬』のアビス王は倒すからだ」


「言い切るね.....そこだけは私もドキッとしたよ。

 なら、せいぜい頑張りなよ。応援はしないけどね」


 そう言った瞬間、ライオットは口を閉ざし、すぐさま口をもごっと動かした。

 瞬間、ライオットから血の泡が吹き、口の端から大量の血が溢れ出る。

 ある意味一瞬の早業というべき不意打ちで、そのまま瞳から光を失う。


「チッ、やられた......」


 目の前で起きた光景に、アルスは目を細める。古典的な自決用の仕込み毒だ。

 それを奥歯に隠しておき、たった先程噛み砕いたのだろう。

 つまり、この場にあるのはもう既にしゃべらない肉塊に過ぎない。

 その事実に、アルスは一回指で眉間を揉むと、すぐに思考を切り替えた。


「考えるべきことはたくさんあるが、まずはこの場からの脱出だ。

 再び強制転移をさせられる間にさっさと移動しようするとしよう」


 そう呟き、バンッと地面を高速で蹴った瞬間、


「――?」


 アルスは壁に寄りかかるミッシェルの前で急ストップすると、僅かな違和感に振り向いた。

 その視線の先には戦闘の跡と敵の死体しかないが、それでもこの直観は揺るがない。

 その直感に従うように、アルスは踵を返すと、再びライオットの近くへ。


 それから右手に持つ棍棒を両手で握り、それを一気に床へ叩きつける。

 同時に、雷を利用して体内の電気信号を操作し、触感を鋭敏化。


 棍棒が叩きつけられた際に発生した音の反響を全身のセンサーで確かめる。

 すると、とある方向だけ微妙に反響の仕方が違うことに気付いた。


「この空間にどこかへ続く隠し場所がある......」


 その音を確かめるように、一定間隔で棍棒を床に叩きつけ、異変箇所の歩行へ足を進める。

 それを繰り返すこと三、四回、彼の足はダンスホールの一番最奥のステージに辿り着いた。

 様々な楽器を持つ演奏家達が並ぶだろうその場所の中央、そこを棍棒で突けば音が違う。


「ここか」


 目標ポイントが定まると、アルスはその場所に向かって棍棒を思いっきり叩きつける。

 すると、その箇所の床が砕け、そこから地下へ続くような階段が出現した。


 「嫉妬」の殉教者(マーダー)の幹部である二人がいた場所。

 捉え方を変えるなら、二人で守っていた場所とも考えられる。

 つまり、この地下の先に重要な何かがある。


「もっとも、敵の片方が逃げ出してる時点で、痛手だが最重要ではないものと言う事か」


 少なくとも、今の状況に関係する代物がこの地下にあるのかもしれない。

 そう推測させたアルスは迷わず地下の中へ潜っていく。


 光もなく人一人ぶんのスペースしかない階段を歩く事しばらく、目の前にドアが見えた。

 そのドアの前で待ち伏せされてる警戒をしながら、一気に蹴破った。

 しかし、その中に敵は一人もおらず、あるのは――


「祭壇......?」


 決して豪華とは言えない石でできた簡素な祭壇。

 その祭壇の中心には、紫色のザブトンの上に置かれた直径三十センチほどの水晶がある。


 その水晶は中心で光を放ち、また中心に向かって白く濁り、逆に表面側は透明だ。

 そんなビー玉を巨大化させたような代物からは膨大な魔力を感じる。


 一瞬、「魔力爆弾」という単語がアルスの脳裏に過ったが、すぐにその言葉を否定する。

 「魔力爆弾」とは、水晶のような器に魔力を注入し極限まで圧縮させてつくる爆弾だ。

 爆弾の製法としては、恐らく一番簡単と言える代物。


 もっとも、製法が簡単だからと言って、それがちゃんとした爆弾になるかは別だ。

 魔力は空気のようなものであり、圧縮させるには膨大なエネルギーを使う。

 加えて、圧縮させた魔力は維持しておく必要があり、出なければ自然とその圧縮は解けるのだ。


 魔力を維持させるには、それ相応の高性能な機械を用いるか、はたまた人の手でするかのどちらかしかない。

 しかし、この場にはそのどちらかの条件も満たしていない。

 にもかかわらず、水晶には膨大な魔力が渦巻いている。

 となれば、答えは一つしかない――、


「この状況を生み出している元凶か」


 思えば、こんな現象に関してルカラが何か言っていたような気がする。

 彼女は一度話しだすとだいぶ長いし、ヲタク口調なので基本聞き流していたせいで記憶が曖昧だが。

 とはいえ、そんな覚えがあるとはいえ、それをどうするかは全然思い出せない。

 ともあれ――、


「大概壊せば術は止まる」


 もはや考えるのも面倒になったか、脳筋のような言葉を吐いて棍棒を振り抜く。

 瞬間、自重と共に下ろされた棍棒の先端が水晶に直撃。

 一瞬にして直撃箇所にひびが入り、その日々が増したまで続いてバキンと割れた。


 直後、アルスの立っている足元、左右の壁、天井もがゴゴゴゴゴと揺れ始める。

 さながら生き物の体内にいるような気分を味わいながら、アルスは己の体感のみで振動に耐える。

 それが一分ほど続いた後、振動はピタッと止まり一切の鳴りを潜めた。


「......終わったのか?」


 今いる場所が狭い空間であり、なんだったら祭壇しかない。

 そのためかイマイチ変化がわからないため、アルスの語気も若干弱くなる。

 となれば、ちゃんと影響があるか確かめに行くのが先決だろう。


 通った階段を上り、ダンスホールへと戻ってくる。

 その空間でもこれといって変化は――いや、.あった。

 

「光だ......」


*****


―――大迷宮崩壊の少し前 屋敷のとある制御室


 そこまで広くないくらい部屋の中で、複数のモニターのみだ光源として周囲を照らす。

 そんなモニターがいくつも並んだ机の前、そこにはモニターに映る各部屋の映像を見ながらピンク髪の女性――ベロニカが頬杖を突きながら呟いた。


「結局、お前はそっちを選んだわけだな。

 ケッ、なんだか薄っぺらい恋愛ドラマでも見たような気分だね。

 ま、死ぬ前にしては悪く無いものを見た気がするな」


 そんな感想を漏らすのは、モニターに少しだけ大きく表示された隠し部屋の映像。

 そこにはほぼ大破した人形に馬乗りになる少年という謎の映像が映し出されており、しかしそれも少年が最後に人形を抱きしめたことで終わった。


 何を話していたか内容までは定かではない。しかし、推測は出来る。

 恐らくあの壊れかけの人形――シイナはここで朽ち果てるよりも、新たな生を選んだ。

 もっと言えば、自分を捨てた主よりも、拾ってくれる主を選んだということだ。


 ベロニカはあの人形の体を軽くメンテナンスしていたが、当然自身の死における生への執着などプログラムは設定していない。

 つまり、あの選択をしたのは人形の意思――人形の感情がそうさせたというこだ。


「あの人形は唯一人格を持つ機械として有名になるだろうな。

 研究者がこぞって求める真理......無からの感情の発生だ。

 偶然であろうと生まれたからにはそこまでのプロセスがある。

 ま、そのプロセスがアビスの魔力に侵食されたからといったらどうなるか」


 研究者というのは知識欲の塊だ。言い換えれば、欲望の権化とも言える。

 そんな研究者にとって無機物の感情の発露というのは、「蘇生」と同じ神の領域。

 

 その神の領域に足を踏み入れるためには、人類の天敵であるアビスが必要とは何たる皮肉か。

 もちろん、殉教者(マーダー)でも可能だろうが、奴らには寿命がある。


 ましてや、まともに相手の意思に沿って動いてくれる人なんて少ないだろう。

 なぜなら、その欲望を強く抱いてなければ殉教者なんてなっていないんだから。


「考えてみれば、随分と長く生きたもんだなぁ......。

 最初は美容の研究をしてたってだけだったのに、いつの間にかフィガロみたいなガキがジジイになるまで生きちまった」


 出来るだけ若く見られたくて、それで始めた研究。

 それが年齢を重ねていくうちに若い少女に嫉妬を抱くようになり、気が付けば殉教者。

 その結果、自分は「嫉妬」の効果で年齢が退行し、維持されるようになった。


 しかし、それは肌年齢が止まっただけで、肉体年齢は一般人と同じように衰えていく。

 口調すらも精一杯見た目らしく振る舞っているだけだ。

 自分がずっと望んでいたものは手に入れたのに、今やこの容姿も空しいだけ。


 せめて精神も若い頃に戻ったなら、研究の日々に捧げた青春も取り戻せたかもしれない。

 もしくは、もっと別の生き方をして、もっと別の人生を歩んでいたかもしれない。

 とはいえ、それももう今更考えても仕方ないことだ。


「......私より早く死ぬなよ、ガキンチョ」


 視線を移した先、別のモニターには服毒自殺したであろうライオットと敵主将の映像がある。

 そしてその映像に移る自分よりはるかに若い少年に対し、ベロニカは苦言を吐いた。


 それから、「ババアを少し待ってな」と言うと、回転椅子をクルッと反転。

 体を向けた位置は、モニターから百八十度回転した出入口の方だ。

 すると、この部屋に近づいてくる足音がガタガタと鳴り響き、


「おっと、まさかこんなタイミングで敵幹部に鉢合わせるなんてね」


「どうするでござるか?

 この間合いであれば、某の太刀筋の方が早く届くと思われるでござるが」


「ちょい待ち。扉は開けておくから、あんたは廊下から警戒。

 今の所、敵意は見えないけど、この部屋に何が仕掛けられているかわからないしね」


「承った」


 ベロニカの前に現れたオカマ口調の大男と、長髪を結んだ優しい顔立ちの侍。

 これまで読んだ資料に書かれていた特徴からして、「ラダンマ」と「ザブロー」という二人組だろう。

 最後に目にするのがこんな面白二人とは。


「せめて、あの噂の少年を一目拝んでおきたかったね」


「あら、私じゃ不満かしら。こう見えても聞き上手の評判良いのよ?」


「なら、このババアの長話にでも付き合うかい?

 もっとも、そんな意思も気力もとうの昔に消え失せちまったけどな」


 物騒な大剣を担ぎ、交戦準備の姿勢を崩さないラダンマに対し、ベロニカは笑って答えた。

 そのあまりにも戦闘する意思のなさにラダンマは困惑したのか、


「あなた......まさかここで死ぬ気?」


 そんなことを聞いてきた。

 きっとこういう場面で死ねば諸共で挑んでくるのが殉教者と思っているのだろう。

 実際、その判断で間違っていないが、自分はもうババアなのだ。


 飛び掛かろうにも体は動かないし、魔力は潤沢だが使ってまで生に執着はしてない。

 なぜなら、自分が執着していたものは既に手に入れているのだから。


 「楽しそうに生きてて羨ましい」と思っていても「これからも生きられて羨ましい」とは考えないだろう。

 そういうものだ。自分は「強欲」の陣営のように欲深く生きてはいないから。


「当然、私より若い子らが死んで私が生き延びたって仕方ないしね。

 それに、作戦のために既に自分より若い子二人を殺してんだ。

 今更自分一人が生き延びようなんざ思わないよ」


「嘘を言っているようには見えないけれど......随分と潔くてなんだか胡散臭いわね」


「そうかい? ま、年寄りの言葉なんて大概は時代遅れの戯言さ。

 そういう意味では、胡散臭いってのが正解の反応なのかもしれないね」


 そんなことをベロニカが言った途端、ラダンマは構えていた姿勢を解いた。

 それから、おざなりに武器を肩に担ぐと、


「なら、こっちは殺さないわ。私だって好きで人を殺したいわけじゃないもの。

 それに、生きて聞き出せる情報もあるのかもしれないしね」


「そっちが無理に動かそうというのなら、こっちだって手段はあるぞ?

 なーに、私がここから動けばここが爆発するだけの仕掛けさ。

 ちなみに、私が殺されれば、その仕掛けもちゃんと止まる。安心せい」


「本当かしら? あなたを殺した瞬間爆発なんてのも十分にありえそうだけど」


「特魔隊というのは随分と年寄りに優しいものだね。

 なら、覚えておくがいいさ――年寄りはさっさと殺すに限ると。フィガロの奴も含めてね」


「フィガロ? まさかDr.フィガロのこと!?

 あなた、その人がどこにいるか知って――」


「時間切れだ。最期に年寄りの話を聞いてくれてありがたがったよ。

 それじゃ、またどこかの地で会えたら、その時は存分に話をしようじゃないか」


 そう言った直後、ベロニカは回転いすの肘掛けの右側、そこにある隠しボタンを押す。

 瞬間、ベロニカの目の前にいた二人は嫌な怖気に顔をしかめた。

 

「ラダンマ殿!」


「くっ、嫌な人ね!」


 ラダンマはその部屋から出て、ザブローと共に扉の左右の壁に背を付けた。

 刹那、ベロニカがいた部屋は爆発し、爆風が部屋の外に排出される。

 廊下に黒煙と身体がもがれるような爆風が満ち、その場は瞬く間に視界不良へ。


「......ラダンマ殿、生きているでござるか?」


「えぇ、幸い無事よ。威力もそこまで高くなくて助かったわ。

 とりあえず、言いたいことはあるけど、それは後。

 早い所脱出の道を.......っ!?」


 その瞬間、立ち上がろうとしたラダンマを地震が襲った。

 その地震は床に限らず、壁や天井を大きく揺らし、同時に長い廊下が収縮されていくではないか。


 まるで元の長さに戻るように廊下が動き、そして止まる。

 そこには無限に続くかと思われた廊下はすでになく、窓からは陽光が差していた。


「これは......」


「どうやら誰かがこの現象を泊めてくれたようね。

 なら、やることは一つ。一度この屋敷を出るわよ」


*****


 謎の永遠に続く空間に囚われて以降、一切見なくなった陽光――それが目の前にある。

 それこそ窓を見つけてもそこは壁に覆われたように塞がれており、見えなくなっていたもの。

 それがあるということは、謎の空間は解けたと考えていいだろう。


「もちろん、見せかけの希望という可能性もあるため油断も出来ないが」


 獲物を仕留める瞬間が一番油断する――とはよく言ったものだ。

 今は獲物を仕留める瞬間ではないが、しかし危機から脱したという一種の安堵感は生まれる。


 そこを突かれればたとえ自分とて死ぬかもしれない。

 だからこそ、今の状況を確かめる必要がある。


「僕だ、聞こえるか」


『随分と長い間音信不通でしたね。女ですか、女といたんですか』


「お前の戯言が聞こえるということは、本当に外界のようだな」


 アルスがすぐに連絡を入れたのは、しばらく無用の産物となっていたチョーカーによる通信。

 すると、その通信から相棒オペレーターであるグレーテの声が聞けたので、無事謎の空間から脱出できたと判断してもいいだろう。

 グレーテの声にわずかばかり安堵してしまったのが癪だが。


「こちらの状況を簡潔に説明する。相手の罠により部隊は散り散り。

 その罠もたった今解除したところだ。敵幹部は一人倒し、もう一人は逃した。

 殉職者は確認出来る範囲でミッシェル一人。他の連中は?」


『ミッシェル様の殉職、ご冥福申し上げます。

 現在、ミッシェル様以外のメンバーの生存を確認。

 それぞれ、ザブロー様・ラダンマ様のグループ、ルカラ様の単独グループ、シシマル様・イノ様・ノア様のグループがそれぞれ固まって玄関口に向かって動いています』


「そうか。なら、この屋敷のいる敵の残存兵力は?」


『現状確認できる範囲では敵反応はありません。

 とはいえ、先ほどの通信障害を含めた何らかの仕掛けがまだ残っている可能性も考えられます。

 一度外に出て他の皆様と合流されるのがよろしいかと』


「あぁ、そうだね。なら、僕はこれから移動する。

 もし緊急で何かあれば教えてくれ」


『承りました......あ、今晩の夕食はいかがなさいましょう?』


「.......ハンバーグで」


 そして、アルスはミッシェルの遺体を抱えると、ダンスホールから抜け出した。

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