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人類の脅威であるアビスを殲滅するために、僕はアビス王と契約する~信用させて、キミを殺す~  作者: 夜月紅輝
第3章 嫉妬の罪、それは無理解の証

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第97話 黄のパレス代表の実力、そして襲撃戦の終幕#1

 薄暗い部屋の中に静寂が満ちる。

 その中にいるのは人形を抱く一人の少年――ノアだ。

 人形を下し、新たなに仲間を加えたノアはようやく生まれた落ち着ける状況にホッと息を吐く。

 それから、仲間のかつての体をゆっくり床に寝かせると立ち上がった。


「とりあえず、ここでの一幕は決着はついたけど、まだこの状況は続くんだよな」


 ボソッと嘆く言葉は、未だ自分達が囚われている状況だ。

 現状、ノア達は未だ大迷宮と化した屋敷の中に囚われており、そこから抜け出すには正規の脱出口を見つけるか、「大迷宮核」と言われるこの現象を作り出している現況を壊すしかない。


 しかし、それら二つを見つけるだけで一体どれだけ彷徨っていることか。

 挙句にこんな戦闘までするハメになり、肉体だけではなく精神も披露する始末。

 早い所こんな陰鬱とした空気から抜け出したいところだ。


「よし、下向くのは終わり。今度は前を向こう」


 気合を入れ直すように、ノアは自分の頬をバチンと叩く。

 それからその場を立ち上がると、一度前の部屋に戻ることにした。

 それは出入口がそこにしかないのもそうだが、気になるのはイノの症状だ。


 イノが纏っていた「嫉妬」の侵食は、ノアの「傲慢」によって一時的に中和された。

 しかし、ここは未だ「嫉妬」の瘴気が満ちる空間に変わりなく、汚染は続く。

 つまり、イノの症状が再び悪化してもおかしくないというわけだ。


(それに、『傲慢』が悪さしてる可能性もなくはない)


 二つ目の懸念は、自身が身に纏う「傲慢」の瘴気について。

 確かに、ノアは「傲慢」の効果を逆手にし、「嫉妬」の効果の治療のためイノを侵食させた。


 しかし、それは薬は薬でも()()の類である。

 「嫉妬」の効果を打ち消したとしても、「傲慢」に飲まれれば意味がない。


 加えて、「傲慢」の効果――状態異常への耐性を考えれば、「傲慢」症状が出てしまった後の治療は皆無と言ってもいい。


 その可能性については、治療の際に最新の注意を払っていたが、それでも結果は未だわからない。

 だからこそ、ノアはその二つの懸念がないことを祈るように一つ前の両開きドアを開けると――、


「ノアちゃーん!」


 扉を開けた瞬間、砲弾のように飛んできたのはイノであった。

 そんな彼女はタックルするような勢いでダイビングハグを決め、ノアの体を吹き飛ばす。


「ぐはっ!」


 対して、油断していたノア。

 思わぬ一撃に衝撃が腹から腰へ突き抜けていく。

 両足はあっという間に地を離れ、肉体は大きく後方へ。

 しかし、すぐに空中で重心を前に傾け、後ろへ後方へ突き出し、


「っと、あっぶな!」


「わぁ~、やっぱりノアちゃんは受け止めてくれる~♪」


 数メートル床を滑りながらも、ノアはなんとか安全着地に成功する。

 すると、先ほどのタックルを受け止めてくれたことが相当嬉しいのか、そのままイノがそのまま抱きしめ始めるではないか。


 あまりの急な展開に困惑するノアであるが、丁度良いのでイノを診断してみるが特に変な様子はない。

 先程の治療の一件で瘴気を帯びていれば特有の魔力......というのがぼんやりわかるようになったが、その魔力は感じられない。

 とはいえ、それだけでは不安なので一応問診もしておこう。


「イノ、何か気分が悪かったりしない?

 こう......誰かを恨めしく思ったり、憎く思ったり、もしくは異様に気分が高揚して誰かを蔑みたくなるような感じとか」


「ううん、別に無いよ。今はノアちゃんが無事であったことが嬉しいだけ。

 あ、でも、アビスはきらーい。ずっとずっときらーい。意地悪ばっかりするんだもん」


 ノアの腹部に顔を押し付けるようにしながら、イノがノアの質問に答える。

 そんな小さな口から漏れ出る言葉は、幼さこそあるが確かな悪意が籠っていた。


 しかし、この発言からもやはり「嫉妬」の瘴気は見えないので、デフォルトの悪意なのだろう。

 そう思うと、なんだかイノが身長も相まって小さな子供のように見えて、


「そっか......うん、そうだね。僕がその元凶を必ず払ってあげるから」


 頭を撫でながらそんなことを口走ってしまうノア。

 相手が自分よりも年上だと理解しているのに、なぜか体は妹のように甘やかしている。

 もっと言えば、ノアは一人っ子なので妹すら皆無なのだが。


 そんなノアのナデナデが気持ち良かったのか、イノが顔をより押し付け、抱きしめが強くなる。

 小さな瞳は瞼を細く閉じ、口の端は柔らかく弓なりに上がった。

 そんなことをしていると、ノアは前方から妙な視線を感じ――、


「あっ」


 イノとの情事をガッツリ弟のシシマルに見られていた。

 先程の戦いといい、イノの身に降りかかったことといい、考えることが多くて彼の存在を忘れていた。


 不味い、これは非常に不味い事態になった。

 なぜなら、シシマルは重度のシスコンである。

 そんな姉大好きな弟がこんな現場を見たなら発狂間違いなしだろう。


 しかし、体は既にイノの捉えられて逃げられない。

 となれば、誠心誠意事実を答えるほかあるまい。

 ノアはホールドアップして弁明を試みる。


「待って、落ち着いてくれ。何も言わないでくれ。

 僕は誓って何もして.....あ、いや、頭は撫でてしまったけどそれ以外はないんだ。

 その撫でてしまったのも、幼い子が甘えてきているようで可愛かったからついって感じで」


「もー、ノアちゃん! イノはノアちゃんよりもお姉さんなんだよ!

 確かに、甘えるのは好きだけど......それでも幼い子って印象はお姉ちゃん傷ついた!

 き~ず~つ~い~た~! お姉ちゃんの機嫌を直すことを要求する!」


「うぅ、お腹ぐりぐりしないで......」


 ノアの発言が気に入らなかったのか、イノが下から猛抗議。

 加えて、不満を締め付けるように頭ドリルをノアの腹部に押し付ける。

 やってる仕草にお姉さん要素は皆無なのだが、本人曰く「お姉さん」なのだ。

 そんな姉弟二人から板挟みになっていると、最初に状況を破ったのはシシマルであった。


「わかってるよ。姉ちゃんがタックルしてた所から全部見てたからな。

 それよか、テメェ......いや、あんたには言いたいことがあんだよ」


 そう言った直後、シシマルは姿勢をビシッと正すと、そのまま直角に頭を下げた。

 それからその状態で口を開き、


「お姉ちゃんを助けてくれてありがとうございました」


 と、そんな風に丁寧に感謝の言葉を述べたのだ。

 言葉の端々からいつもの荒っぽい語調が伝わるが、それでもノアに対して初めて使った敬語。

 加えて、その言葉とともに行った行動から感謝している誠意が伝わってくる。


 そんな珍しい行動をしたシシマルにノアが面を食らっていると、途端にシシマルが表情に影を落とし、姉についてしゃべり始めた。


「もう気付いていると思うが、姉ちゃんは一度『嫉妬』の侵食を受けている。

 あの時は姉ちゃんが適応する形で症状が治まったが、代わりに精神が退行しちまった。

 そんな苦しんでいる時に俺は助けられなかったから、今度は俺が助けるつもりだった」


 そう言葉をゆっくり紡ぎ、「なのに」と言ってシシマルは拳を強く握る。

 自身の中に渦巻く怒りを抑えているように見えるそれを、ノアは黙って見守りながら耳を傾けた。


「俺はまた助けられなかった。こんなクソみてぇな環境の中だ。

 姉ちゃんの『嫉妬』の症状が再発することは予想出来ていたのに。

 俺はまた間に合わなかった......だから、そんな姉ちゃんを救ってくれたあんたには感謝してる」


 そう言うと改めてシシマルはビシッと姿勢を正し、再びサッと頭を下げる。


「ノア先輩、この度は俺の大切な人を助けてくれて本当にありがとうございました」


「大切な人を失うのは怖いしね。それを守れたなら僕は良かったと思うよ。

 でも、『先輩』はやめてくれ。むしろ、先輩はそっちだと思うよ。

 僕はまだ入隊してから一か月ぐらいしかやってないし」


「入隊一か月でアビス王の一角を倒してる時点でマジパネェじゃないすか!

 だとしたら、入隊日付関係なくノア先輩は俺がリスペクトする存在だと思うっす」


「なんか口調も変わってない?」


 正式にシシマルから「先輩」認定を受けたようで、彼の言葉遣いに変化が生まれた。

 そんなことに困惑するノアだが、なんとなくこれ以上言っても無駄なことに察しが付く。


 たぶん自分の中に基準があり、その基準を死んでも曲げないのがシシマルなのだろう。

 だからこそ、アレだけ噛みついていたノアに対しても頭を下げることが出来る。


 その自分ルールをノアが覆せない以上、もはや受け入れるしか道は無いのだ。

 まぁ実害はないので別にいいのだが、なんだか妙な気分ではある。


―――ゴゴゴゴゴゴゴ


「な、なんだ!?」


「うわっ!?」


「ひゃっ!」


 その時、突然部屋全体が揺れるような衝撃に襲われた。

 断続的に続く地震が足元をふらつかせ、ノアは咄嗟にイノを庇いながら周囲を見る。

 何か大きな異変が起きている――そうとしか思えない事象。

 それこそ、この空間に作用するほどとなれば――、


「まさか......!」


「どうしたんだ、ノア先輩?」


「イノ、シシマル、一度ここから出てみよう。そしたら理由がわかるかも」


 そして、ノアはイノとシシマルを連れ、地下から脱出。

 隠し階段を駆け上がり、Dr.フィガロの書斎に出ると、


「光が......」


 書斎の後ろにある窓、そこからはしばらく拝んでいなかった陽光が温かく空間を照らしていた。


*****


―――大迷宮が解ける十数分前


「ハァ......また散り散りにされたか。全く面倒だな」


 棍棒を片手に握り、もう片方の手でスッとメガネの位置を正す。

 そして周りの見覚えのない光景を見ながら、アルスは大きくため息を吐いた。

 先程まで一緒にいたシシマルとザブローの姿はどこにもない。

 加えて、相変わらずオペレーターとは音信不通であり、現在地もわからない。


「また位置から脳内マップを書き換えなければいけないのか。

 全くもって小賢しい真似をしてくれる」


 そんな小言を吐きながら、アルスはその場から移動を開始した。

 目の前に続くのは相変わらずの暗がり廊下であり、光源は首にあるチョーカーのみ。

 心細いということは無いが、速やかな連絡が取れないのは困りものだ。


「加えて、鬱陶しいのも増えてきたな」


 廊下からとある広い空間に出る。

 その場所は言わば入り口の大きなエントランスホールで、すぐそばには二階に続く中央階段。

 そしてそのホールの真ん中には、十人近くの黒い外套を纏った連中がいた――敵だ。


 その敵がアルスを視認すると、示し合わせたように一斉に襲い掛かり攻撃を仕掛けてくる。

 それに対し、アルスは棍棒を手の中で軽く回し、構えると、


「今度は二階に行ってみるか」


 瞬間、アルスが着地したのは中央階段を上がった二階部分。

 自慢の雷速で移動した結果だ。そして当然、その道中の敵は既に床に伸びている。

 まさに電光石火の早業であり、鎧袖一触の強さ。


 文字通り、今の彼にとって襲い掛かる敵は鬱陶しいハエか何かなのだろう。

 そんなアルスが一つ一つ部屋を調べていくが、それらのどれもが外れ。

 もはや何度目かのため息を、アルスは吐いた。


 この迷宮を彷徨い始めてから早十数分。

 走れど走れど廊下はどこまでも続き、出口は一向に見当たらない。

 なら、廊下はどこまでも続いているのかと思えばそうではなく、一度は行き止まりに辿り着いた。


 それ以降の道が無かったので来た道を戻りつつ、試しに部屋の中を確かめてみれば、その部屋から別の廊下続くための道があったのだ。


 故に、その経験を活かして丁寧に部屋を調べてるわけだが、今の所その成果は出ていない。

 あの時見つけたのがたまたまだったのか、それとも単に運が悪いだけなのか。


「ここで悩んでいる暇はない。仲間の安否も気になる。

 一度ここにある廊下をしらみ潰しに探していく方が早いか」


 アルスの速度は特魔隊の中でも最速だ。

 その足を使って行き止まりを探していけば、いずれは出口に辿り着ける。

 加えて、その道中で仲間にも会えるかもしれない。

 その可能性に賭けて、アルスはその場から紫電を残して動き出した。


 それから五分ぐらい経った頃だろうか。

 三つ目の行き止まりを見つけ、マップを更新しながら移動中の時に微かに地面が揺れたのを感じた。

 気のせいである可能性もあるが、それが本当なら誰かが戦闘中という証だ。


 だからこそ、アルスはその可能性を考慮して立ち止まり、その場で片膝をつく。

 そして左手を床に触れさせ、意識を集中するように瞳を閉じる。


「......そう遠くないな」


 掌から感じる不規則な振動、それが自分の感じる範囲にある。

 であれば、それは自分の手に届く範囲にある距離と言っても過言ではない。

 そのために鍛えた足なのだ。一秒でも早く仲間を助けるための足。

 同時に、刹那よりも早く敵を殺すための足。

 決して、逃げるためにここまで磨き上げたわけではない。


「こっちか」


 その場から立ち上がると、アルスは冷静にその振動の方角を見極める。

 瞬間、その場所に向かって雷の尾を引きながら移動を開始した。


 すると少しして、近づいているのか振動が強くなり、道中の敵の数も増え始める。

 その敵の数に確信を得ながらあっという間に駆け抜け、辿り着いたのは一つの両開きドア。

 そこを両手で押して中へ突入すると、その中には――、


「やぁ、お久しぶりだね。新幹線ぶりかな」


「相変わらず早い足だね。

 ベロニカちゃんにお願いして僕達から一番遠い位置の座標に送ったのに。

 だけど、仲間を助けるには遅すぎたかな~」


 聞き覚えのある若干高低差が違うだけの二つ声。

 ダンスホールのような広い空間の中央に立つ紳士風の少女と、アイドルのような衣装を着た少年――双子のミュステルとライオットだ。


 「嫉妬」の殉教者(マーダー)の幹部クラスである猫の獣人。

 互いに左右逆の青と黄色の瞳を宿し、双子の息の合ったコンビネーションで過去にも多くの隊員がやられた。

 実際、アルスもついこの間逃げられたわけであり、そして今回も――、


「ミッシェル......」


 彼らの足元、そこにはピクリとも動かないピンク髪で褐色の女性がいた。

 ミッシェル=ロバーツ――アルスの大切な部下である。

 そんな大切な部下が全く反応もなく寝転がっているのだ。


「おぉ、早っ。全然見えなかった」


 瞬間、アルスは一瞬にしてミッシェルを横抱きにし、再び元の位置に戻る。

 そんな動きにライオットが感想を吐くが、それを無視しながらアルスは手元の部下を見つめた。


(......呼吸がない)


 体中にある大量の裂傷や打撲痕、そして致命傷となっただろう胸の刺し傷。

 そこからは今も尚血が少しずつ流れ出ていて、美しかった彼女は見る影もない。


「悪気はあるけど、謝らないよ。

 彼女が美しかったものだから、ライオットがつい過剰反応してしまってね」


「え~、私だけのせいっての?

 ミュウ姉だってやられてるのに野性的な笑みを見せる姿を羨んでたじゃん」


「ああいう魂の輝きっていうのかな。そういうのにボクは弱いんだよ。

 内に秘めたる宝石のような輝き......あぁ、もちろんガワの輝きも好きなんだけどね。

 穢れの少ない純度の高い精神――まるでボク達が汚いと言われてるようで嫌じゃないか」


「やっぱり嫉妬してたんじゃん。嘘は良くないよ、嘘は」


「ハハッ、ごめんごめん」


「――くだらない」


 人を殺したことを仲睦まじそうに話す双子に対し、アルスは冷たく言い放つ。

 それから彼女の体を壁際に運び、そっと壁にもたれかかせるように座らせると、再びもとの位置に戻った。

 右手に棍棒を持ち、静かな瞳で見つめるアルスに、ミュステルが「へぇ」と唸り、


「随分と感情を押し殺すことが得意なんだね。

 こっちも多少怒りで乱そうという意識はあったけど、ここまで反応ないのは初めてだよ」


「そうだね、僕はそういう感情をコントロールしようと努めた。

 特に、こういう場面だと冷静な判断が出来なければ、簡単に死を招くことがわかってるから。

 だけど、だからといって感情そのものが潰えたわけじゃないんだよ」


「なに? 『静かな怒り』ってやつ?

 そんな漫画のキャラじゃないんだからそんな風にぶっても意味無いよ。

 っていうか、さっきの人って足の速度ナンバーツーなんでしょ?

 そんな人でも僕達相手に手も足も出なかった。

 その人より早いだけの人に何が出来んの?」


「決まっている――お前達を殺すことが出来る」


 瞬間、アルスはその場に紫電を残し、双子との数メートルの距離を一瞬で詰めた。

 そんなアルスの速度が視認できていないのか、双子の視線の位置は未だ変わらない。

 無防備を晒す双子に対し、アルスは素早く棍棒を振り抜き、二人の顎をかち上げた。


「「――がっ!?」」


 状況が理解できずに、ただアッパーカットを決められた二人が縦に体を伸ばす。

 そこへさらにアルスは地上付近にいるライオットには蹴りを、空中に浮かんだミュステルには棍棒を薙ぎ払い二人まとめて遠くへ吹き飛ばした。


 広いダンスホールの中を、二人の双子が水切りのように地面を跳ね移動を繰り返す。

 そこから先に復帰したのはミュステルであり、彼女はすぐに片膝立ちの状態でブレーキをかけるが、傍らで未だ吹き飛ばされている弟を見つけるとその方向へ瞬時に移動。


「ぐっ」


「ごめん、ミュウ姉」


 ライオットを庇うようにしてミュステルが覆いかぶさり、代わりに壁へ叩きつけられる。

 そのことにライオットが罪悪感を浮かべるような表情をするも、すぐに怒りの表情に変えてそれを前方に向けた。


「どうした、簡単に()()が出来てしまったぞ?

 これではさすがにつまらない。もう少し足掻いて見せろ」


 そんなライオットの怒りの形相を意に返さず、アルスは不遜な態度で言ってみせた。

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