023▼場所:『暗い暗い黒い黒い』……語り手: 『◆□▲▲▲(赤黒く潰れて読めない)』
◆◆◆場所:『暗い暗い黒い黒い』……語り手: 『◆□▲▲▲(赤黒く潰れて読めない)』
「なんで、なんで? どうして――」
わからない。わからない。
ここがどこかも、何をやってるかもわからない。
「なんで、こんなことになってたかもわからない」
関わる人はみんなこうだ。勝手に騙して、勝手に傷ついていなくなる。
あの眼で見て、あの眼で触れて、あの肉が触れて、蝕んで、痛く爛れるだけで――。
「……信じてた人だった」
だけど、その人はもういない。
「……頼れる人だった」
だけど、その人もいない。
「……いい人だった」
だけど、もういない。
「よくしてくれる人は、関わる人は不幸になってくだけ……」
不幸にして、不幸にされて、勝手にいなくなるだけ。
「……最後に、なんか色々言ってた」
だけど、もういない。『オカシナもの』に関わったから、『ヘンなモノ』に関わってしまったから、もう――。
勝手に心配して、勝手に傷ついて、勝手に捕まっていなくなった。
「……それは誰のせいだ?」
それは、誰だ。どこの誰だ。
わからない、誰のせいでそうなったの。誰が原因なの。わからない。もう、わからない。それはもう死んでいる。騙されたはずなのに、騙したはずなのに、それなのに勝手に捕まるなんて、そんなのわからない。何度も、何度もわからない。わからない、壊れた機械のように、壊れてしまった『おかしなモノ』は壊れてるんだ。だから、わからないんだ。おかしなものは生きてちゃいけないんだ。人を『ダメにするモノ』は生きてちゃいけない。
「やっぱり、おかしいモノは、生きてることがオカシイんだ」
だから、だったら、どうすればいい?
簡単なことだよね。
「――死ねばいい」
おかしなモノは死ねばいい。傷つけるモノも死ねばいい。わからないモノも死ねばいい。みんな死んでしまえばいい。
人を傷つけて生きてるなんて、おかしなことだ。人を騙して生きてるなんておかしなことだ。人のために生きているなんて嘘なんだ。
「――死んじゃえばいい」
何もかもじゃなく、全部が全部。
もう、死んでしまえばいい。そうすれば、もう大丈夫。
もう、何も感じないし、何も考えない。
わからないことも、わからないままで、わからないままに、わからないと思うこともなく、わからないままでわからなくわからないまま。
「おかしなモノは死ぬのが普通」
『奇形』があれば死ねばいい。『障害』があれば死ねばいい。『いらない動物』は死ねばいい。人の『役に立たない』ものは、みな死ねばいい。『不要なモノ』は殺されるのが普通で、『殺されたモノ』は死んでるのが普通で、『死んでるもの』は死んでるのが普通だ。
『生きる意味』なんてない。
――生きていることが『オカシイ』こと。
楽しいと思ってたことなんて、次の瞬間には、わからなくなる。今、幸せだったと思ったことが、次には、騙されてもうおかしくなる。そんな苦しみを感じるぐらいなら、何もわからないほうがいい。
『人形』のように、ただの『肉片』のように、人の『欲望』を満たされるだけの『肉』になればいい。
だから、もう。
――もう、死んでしまえばいい。
モノになろう。モノになればいい。
「いつもどおりに」
そう、いつものとおり。
気づいたら終わってるように、わからないままにわからないが続くように。
「ただ、やろう」
それがオカシナもの『役割』だ。オカシイものはオカシイから普通なんだ。
――普通でいよう。普通になろう。
だから、いつものように、やればいい。
「――――」
音がしたような気がした。
振動のような気もした。
それは、すごく近くの気もした。
――だけど、もう聞こえない。
――だけど、もう感じない。
もう、何も聞こえないし、わからない。




