021▼場所:『渋滞と推理の疑惑の車内』……語り手:『ショートヘア』
◆◆◆場所:『渋滞と推理の疑惑の車内』……語り手:『ショートヘア』
「何がどうなってるの? もしかして、犯罪とか?」
「いや、そんなんじゃないよ。ただのよくある『家出少女』を泊めてただけ。別にエロいことも、悪いこともしたってわけじゃなくって、ただ家に置いてただけだよ」
《まぁ、今回は何が原因かわからないけど》と、『ショートヘア』の私が『ルームミラー』越しの『ロングヘア・妹』の問いに答えてる。
「ちょっと、薄幸そうなところがあったけど、別に『フツー』のコだよ。ぶっちゃげ、アンタより『素直な良いコ』だった」
「なっ、酷っ! 『セメント(冷淡)発言』禁止! もう、お姉ちゃんもなんか言ってやってよ」
《心境を察してあげなさい》と、『ロングヘア・姉』は、『お姉様(私の味方)』です。
「まぁ、何があったかわからないけど、ヘンなことしたんじゃない? それこそ、犯っちゃおうとか? ってより、何もないほうが変じゃん。『今時の女子高生』なんてみんな『経験済み』みたいなもんだよ。男とっかえひっかえ、お金欲しくなったら『下着販売』とか『デート部屋(お見合い)』行ったり、さらに儲けようってのは『自由契約』で『援交』しちゃうような。ぶっちゃげ、『小学生から始まってる』ってのに、それを今更一人や二人増えてもねぇー」
「はいはい。そうだね。今時のコたちはそうだね。だけど、あのコは、そんな誰でもいいって軽いコじゃないんだよ。――いや、そういうことを知らないってカンジだったね。まさに『ウブ』で『純情』ってカンジな『妹キャラ(女のコ)』で、見た目よりもちょっと言葉遣いが『幼いカンジ』だったし」
「えぇー、そんなのいないって。今時、『ケータイ』とか『ネット』とか流行ってんだよ? 『情報選別機能』とかあっても、あんなんザルだし、『学校裏サイト(違法サイト)』とか、見れば一発ジャン」
《絶対知ってるって》と、『ロングヘア・妹』が名推理を始めだしました。――ウザイです。
「いや、あのコは『ケータイ持たない主義』らしいし、『ネット』の存在を知ったのも、つい最近みたいだよ。『やさ男』は、『引きこもり』にさせないため使わせてないはずだし」
「こっそり使えばいいじゃん。あっ、とんだ盲点発見だ。別にアレじゃない? わざわざ『ケータイ』使わなくても、『友だちに聞けばいい』じゃん、学校の友だちってみんなそういうことに詳しいはずだよね」
《これで、事件解決だ!》と、『ロングヘア・妹』が、『賭け金』を倍にしそうな勢い。
でも、私は一発で、反論できる答えを持っている。
だけど、それをやっちゃ『匿名情報』の切り売りだからできない。
つうか、妹は売れない。
「――あんまり詮索しちゃいけないわ。『乙女』には秘密が付き物よ。それに考えれば色々わかるじゃない? 今まで彼女の存在を隠してた『ショートヘア』が身内の深い事情を話すにはわけがある。――そうね、例えば、『不登校』とか、『入院してた』、または『友だちがいなかった』というところじゃないかしら?」
《そうか。その手があったか。さすがお姉ちゃん!》と、『ロングヘア・妹』が絶賛してます。
うん、私も助かった。
ありがとう、私のお姉様。
「まぁ、そんなだから、そのなんだ『SEX』の意味もイマイチわかってないような『お子様』なんだよ。だから、知らず知らずで騙されて、そんな関係になりそうなこともあったかもしれない。……だけど、それはないと思うよ。前にちょっと、悪ふざけで話そうとしたら、なんかすっごくヤバいぐらいに体調崩しちゃって、どうしようかって思ったぐらいに、『タブー』な話で」
「だったら、やっぱり、『食べられそうになった』んじゃない? 愛しの『やさ男(エロ狼)』に襲われちゃって、それで、ヤバくなって、逃げ出したとか」
《やっぱり、犯人はアイツだ!》と、『ロングヘア・妹』が、『再起(復活)』しました。コイツは、『脳内桃色元気丸』です。
「まぁ、それもあるかなって、一瞬思ったよ。うん、そんぐらいにどうしようもなく可愛いコなんだよ。テレビでよく見かけたぐらいにね。だけどね、ここで一つ重要なポイントがあるんだよ。それが何だかわかる?」
《えっ、何だろ? 逆に質問来ちゃった……!》と、戸惑う『ロングヘア・妹』は、けっこう『打たれ弱い』ヤツかも。
「簡単なことだよ。だって、『やさ男(甲斐性なし)』じゃん」
「……あぁ、そうだったね。『やさ男』だね」
それで納得されるアイツもどうかと思うけど……。
「そういうこと。あの『甲斐性なし』にそんな度胸はないよ。そんな度胸があれば、こんなことになってない」
「あはっ、付き合ってるようで、付き合ってないってヤツ?」
《だったら、やっぱり、あっちのほうは……?》と、『ロングヘア・妹』の詮索がウザ過ぎる。マジ、人の色恋沙汰に割り込んできてんじゃねぇよ……。
「それ以上は止めておきなさい。他人の恋に口出しするもんじゃないわ」
《人の数だけ愛し方があるのよ》と、『ロングヘア・姉(お姉様)』が、何かを勘違い。
「……まぁ、そういうことにしといて。――つうか、アンタにも彼氏いないじゃん」
《アンタのほうこそ、どうなのよ?》と、私は『ロングヘア・妹(出歯亀)』に問い返す。
「うん、いないよ。いないけどお姉ちゃんがいれば十分だし」
《私たちは相思相愛だよ!》と、『セミロング・妹』が隣のお姉様に抱きついてます。
「ちょっ、マジで! マジ? いや、冗談だよね……」
《人の数だけ愛し方があるのよ》と、『ロングヘア・姉(お姉様)』が、優雅に答えてくれました。
「まぁ、たしかにそうだけどね……」
もう、言わない。
ツッコまない。
「ホント、『人が人に恋をする』ってだけで『永遠の命題』だよね」
「そう。恋は盲目。大切な人にいてもらいたい。一緒にいて欲しい。自分のことを見てくれなくてもいい。ただ、ずっと側にいられるだけでいい。それが誰だろうと、年上だろうと年下だろうと、友達だろうと、親友だろうと、人のものだろうと、兄弟でも姉妹でも親でも子でも、血縁だろうと関係なしに、好きになったら、もうそれ以外のモノなんてどうでもいい。身分なんて、資産なんて、肩書きなんて関係なく、騙されることも、傷つけられることも、法律で禁止されていようとも関係なく、逆に、障害があればあるだけ、背徳があればあるだけ燃え上がってしまう。――それが『恋』ってものじゃないかしら」
《そういうものでしょ?》と、『ロングヘア・姉(お姉様)』が、気品に満ちあふれて答えてくれました。
……もう、言わない。
ツッコまない。
――だけど、最後に一言。
だけど、後ろで『百合百合』に盛り上がる二人に言っとく。
「お客さん、うちの『MOVE』は、アレなサービスやってませんから! ――つうか、お前らもう帰れ!」
うん、世の中、よくわかんない。
――『異常のようにシリ/めつ(狂い)』過ぎて、さっぱり過ぎだ。




