6.面倒くさい奴
近頃うっとうしいことがある。
やたら絡んでくる奴がいるのだ。
確かカール・ブラントとかいう男子だ。
テストの結果発表の時とか、課題を提出する時とか、絡んできて、ものすごく煩わしい。
めんどくさいので、さっさとウェンディやエミリーの所へ避難する。
勝手にライバル認定して、ごちゃごちゃ言うなー!
カールの言い分では、
「胡散臭い魔法でいい気になるんじゃない!
あんなのちゃんとした魔術師なら、恥ずかしくて使えない!
恥知らずめ!」
ということらしい。
いいじゃん。かっこ悪くても、結果がよければ。
そんなある日、進路についての授業があった。
先生の説明によると
「王宮魔術師は難関ですが、待遇は良いですよ。」
お給料の額を聞いてびっくりしました。
今まで騎士団のお手伝いでもらっていた報酬が、お小遣いみたいに思える。
結構な高給取りだと思っていたのは、自分だけってことね。
決めた!私、卒業したら王宮魔術師団に入れてもらおう。
王宮魔術師団に入るには、授業の成績ももちろんだが、実技の方がもっと重視されるらしい。
これからは、魔術戦の授業も始まるらしいから、頑張って、実力をアピールしないとね。
そうこうするうちに魔術戦の授業が始まった。
「カールとは、面倒くさいから絶対当たりたくない!」
そう思っていると、当たっちゃうんだよねー、これが。
あーあ。
魔術戦は、決められたスペースの中で行う。
ここから出たら負け。
それ以外にも相手の魔法が強くて降参したり、魔力切れでも負けになる。
相手を必要以上に傷つけるのは、禁止されている。
私は、カールと向き合い、杖を構えた。
開始の合図とともに、カールに自白魔法をかける。
「自白魔法!」
「ファイヤーボ......私は、プリシラ・メルヴィルのことを......うっ......」
自白魔法で話し始めると、その間は他の詠唱はできない。
カールは必死に口を押えているが、それでは攻撃魔法の詠唱も出来ない。
その隙に、大容量の水魔法を発動させて、カールを対戦場の外まで押し流した。
水魔法もいっぱい練習しておいてよかった!
あとでカールに
「あんなのは、邪道だ!」
と言われてしまったけど、勝てばいいんですよ。
ルール違反はしていないんだし。
私は、王宮魔術師をめざして、これからガリガリ勉強するんだから。
邪魔しないでよね。




