2.学園入学
王都の学園の入学試験の日が来た。
私は、ものすごくわくわくしていた。
入学できれば、きっと新しい魔法をたくさん教えてもらえる。
友達だってできるだろう。
楽しみだ。
領地でちやほやされていたから、試験に落ちるなんてことは考えていなかった。
自信満々で、固有魔法を披露した。
試験官の顔におできができる。
「ひぇっ!」
「ちょっと......失礼......」
げりげろ魔法をかけられた試験官が、トイレに駆け込む。
最後の自白魔法は止められて、披露できなかった。
「......すごい魔法だ。恐ろしいくらいの威力だ。
これほど希少な固有魔法を見逃すわけにもいかん。
......迷惑な魔法だが、合格だ。」
迷惑じゃないもん!
それにいつもより威力弱めにしたのに。
少し不満に思っていたので、周りが引いているのに気づかなかった。
今日は、入学式だ。
友達いっぱい作るぞー!
だけど不思議なことに私の近くには誰もいない。
どうしたのかな。
ちゃんとお風呂に入っているから、げりげろ魔法を使っていても臭くないよー。
気になったので、ちょっと身体強化で聴力を集中させてみる。
「あの子、入学試験でアゼル先生の顔をめちゃめちゃにしたんですって。
怖いわ。」
「それにイザーク先生はあの子の試験の後、体調を崩して二日も寝込んだんですって。嫌よねぇ、加減を知らない人って。」
違うもん!アゼル先生の顔は、おできのせいです!
あのあとちゃんと謝りに行って、『特製おでき用軟膏』をあげたら、気にしないでって言ってくれたもん!
イザーク先生の体調不良は、げりげろ魔法のせいだけど、ちゃんと『特製げりげろ魔法用整腸剤』もお渡ししました!
もう元気になったって、今朝お会いした時に言ってたもん!
反論したいけど、直接言われたわけではないので、言い返せない。
なんかもやもやする!
クラスでの自己紹介でも周囲の目は冷たかった。
「プリシラ・メルヴィルです。得意魔法は、水魔法と固有魔法三つです。
仲良くしていただけたら嬉しいです。」
「固有魔法が三つも?」
「でもあの迷惑魔法じゃね。」
パチパチとまばらな拍手が聞こえた。
お情けで誰か拍手してくれたのかな。
私の前の人への大きな拍手との違いが悲しい......。
『友達たくさん作る計画』--初日で失敗です......。




