夜会参加者の戯言② 希う少女
○月○日
今日、マルクに会ったよ!
きゃー!
嬉しい!嬉しい!嬉しい!
やっと会えた!!
顔はちっちゃいし
困った顔も本当にかわいい!
でも動揺して
思わず知らないふりしちゃったよー!
首も上手く縫えなかったし
嫌われてないよね……?
あとね!あとね!
マルクったら本当に人気者なの!
グレイもフォルツきゅんも
みんなマルクに夢中で
いつの間にかみんなの中心にいるの!
おれっち感心!
やっぱり中心はアイツじゃないよねー笑笑
ムカつく
お風呂
ケーキ
お買い物
漫画
ネイル
可愛い文房具
ぬいぐるみ
マルク
マルク
マルク
マルク
マルク
マルク
マル
それにね。
ヴォルパパだってそう!
あんな怒っちゃってさ!
みんなのお父さんも大変!って感じ。
ふふ
あはは!
やっぱりマルクはすごいなぁ。
おれっち、見合う女の子になれるかなぁ。
……ううん!
弱気になっちゃダメだよね!
苦手な裁縫も
掃除も
洗濯も
料理だって!
上手にならないと!
マルク、待っててね。
すぐに迎えに行くから!
その時は
■■■しようね♡
◇
パタン。
アンジェリカは日記帳を閉じた。
今日はいつもより長くなってしまった。
マルクのことを想うと、ついつい筆が乗ってしまう。
ああ、マルク。
胸の奥が熱い。
思い出しただけで、頬が緩んでしまう。
「ふふ」
小さく笑う。
机の引き出しを開ける。
その中には、色とりどりのシールや便箋、さらには用途不明のネジ、何かの破片まで、様々な物が雑多に置かれていた。
そこに、日記をしまい入れる。
まるで宝物を隠すように。
「よし!」
引き出しを閉めると、アンジェリカは部屋の隅へ駆け寄った。
そこに置かれていた小さなミシンを、よいしょ、と机の上へ運ぶ。
まだ新品同然だ。
何度も挑戦しているが、上手くいった試しはない。
それでも。
「練習しないとねぇ」
えへへ、と照れたように笑う。
指先で布を撫でる。
「喜んでくれるよね?マルクは優しいから」
——君もそう思わない?




