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【17万PV突破!】精霊たちと話せるので、転生先で聖女になりました  作者: 高梨美奈子


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放課後の庭にて

午後の授業が終わり、教室の喧騒が徐々に静まっていく。

ミリアが勢いよくカナの腕を取った。


「カナ、こっちこっち! 今日のあれ、絶対話さなきゃ!」


そう言って、半ば引っ張るようにして学園の中庭へと連れ出す。

石畳を抜けると、噴水のそばの木陰にサラが座っていた。


彼女は涼しげな瞳で手を振る。


「待ってたよ。って……どうしたのミリア。

なんかすごく興奮してない?」


ミリアが大きく頷きながら笑う。


「あのねあのねサラ、カナ、すごかったんだから!!

精霊がぶわーってあんなに集まるなんて、もう伝説級!

“光の愛し子”ってみんな言ってるんだよ!」


カナは少し頬を染め、視線を落とした。


「……あんなに来てくれるなんて、びっくりした」


サラが肩をすくめ、優しい声で言う。


「カナ、それがあなたの才能ってこと。

遠慮しないで受け止めなさい」


その言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなる。


「……ありがとう。二人がいてくれて、心強いよ」


 ミリアがにかっと笑い、カナの肩をぽんと叩く。


「当然でしょ! これからは三人でいっぱい楽しいことしようね!」





そんな和やかな空気の中、背後から軽やかな声が響いた。


「やあ、サラじゃないか」


振り返ると、金の髪に澄んだ紫の瞳を持つ、美貌の青年が立っていた。

まるで絵画から抜け出た天使のような微笑み――


彼は迷いなくサラに近づき、甘く柔らかい声で言う。


「今日の授業、我々は完璧だったね。

君と僕の連携は、きっと学院一だ。これからも、頼りにしているよ」


サラは落ち着いたまま軽く会釈する。


「ありがとうございます。

また明日も、よろしくお願いします」


 青年はその言葉に優雅な笑みを返し、

「楽しみにしているよ」とだけ告げて、去っていった。


残された空気は、どこか香り立つようだった。


しばしの沈黙。ミリアがポカンと呟く。


「……何あれ、すごいイケメン……」


「サラ、お友達?」


カナの声に、サラは首を振る。


「第三王子、ユリアン・ノクトス・ヴェルデン殿下。

魔術の連携授業で、相性がいいみたい」


「「ええっ!!」」


カナとミリアの声が重なる。


「そ、そんなすごい人だったんだ……」


カナが驚きの声を漏らす。

ふと、頭の中でレイナルトの顔が浮かぶ。


「レイナルト殿下が第一王子で……。え? 第二王子は?」


 サラは迷いなく答える。


「ああ、第二王子は留学中らしいよ。戻ってくるのはまだ先だって」


ミリアが目を丸くしてサラを見つめる。


「サラって情報通だねー! そんなことまで知ってるなんて」


サラは少しだけ笑みを浮かべた。


「噂はいろいろ耳に入ってくるものさ」


木漏れ日の下、三人の笑い声がやわらかく響く。

しかし、カナの胸の奥には、さっきのユリアンの視線がかすかな棘のように残っていた。


――笑顔はあんなに優しいのに……


どうしてだろう、笑みの奥に、ほんの一瞬だけ、影のような冷たい光が見えた気がした。

カナは胸に小さなざわめきを覚えていた。

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